自転車のスタンドにはいくつかの種類があります。
両立スタンドや片側スタンド、さらにはスポーツ車用のスタンドもあり、取り付けたいなら、それぞれの自転車の特徴に分けてスタンドを取り付けなければなりません。
今回は、そのスタンドの交換方法をご説明します。
ご自分の自転車がどの自転車なのかというのをご理解の上、読んでいただけると一番、分かりやすいですよ。
自転車の種類とスタンドの種類
自転車と一口に言い表しても色々な自転車があります。
まず、交換方法をご説明する前に自転車の種類を大別させていただきます。
これは、あくまでスタンドを交換する上での大別です。
厳密にはもっと細かい種類があるという事を、ご理解ください。
まず、シティサイクルを大きく二つに分ける必要があります。
これは、判断基準として、まずハンドルで分けていきます。
シティサイクルのハンドルには、二つの種類があります。
一つは、セミアップハンドルです。
このセミアップハンドルは、お子様を後ろに乗せる場合や、買い物などで大荷物を載せる場合に最適とされています。
つまり、安定性が目的です。
転ばないように使用されているのが、セミアップハンドルと覚えておいてください。
このセミアップハンドルの自転車は、乗っているハンドルを握って上体をハンドルに近付けることで安定性を確保しています。
しかし、降りた時はハンドルでは安定しません。
お子様が乗っている時や、買い物などの荷物が載っている時に、流石に自転車を不安定にさせる訳にはいきません。
そのために、セミアップハンドルでは両立スタンドを使用するのです。
ちなみに、セミアップハンドルにはさらにアップになったカマキリハンドルが存在します。
地域にもよりますが、鬼ハンドル、ヤンキーハンドルとも呼ばれています。
このカマキリハンドルに関しては、元々安定性を求める目的ではないので、片側スタンドでも構いません。
次に、オールラウンダーハンドルです。
正式名称はオールラウンダーハンドルですが、トンボハンドルやフラットハンドルとも呼ばれます。
イメージとしては、ほぼ平らになっているハンドルを指すと覚えておいてください。
この自転車は特徴として、どんな道もそこそこ対応できるように作られています。
つまり、ある程度舗装された道なら、どこでも走れます。
通勤通学に使用されるケースが多いでしょう。
とにかく、使用者の目的によって色々と用途も変わる自転車であるというのが、このオールラウンダーハンドルです。
この自転車は実のところ、両立スタンドでも片側スタンドでも、付けるのはどちらでも構いません。
しかし、そもそもは片側スタンドの自転車として製造されておりますので、片側スタンドを推奨します。
それに、片側スタンドのほうが停車して次に発車する時に、楽にスタンドを蹴れますので僅かに片足側スタンドに分があります。
ただ、両立スタンドにする場合、オールラウンダーハンドルの自転車に、あまり重い物を載せないでください。
元々、そういう作りではありません。
シティサイクルのスタンドの種類によって大別は以上の2つになります。
スタンドとしては、他にもスポーツ車に使用するスタンドがあるのですが、こちらについては後ほどご説明させていただきます。
では、次はスタンドの交換方法ですね。
セミアップハンドルの自転車のスタンド交換方法①
両足スタンドを交換する場合、交換方法を知る前に、両足スタンドにどんな種類があるのかを把握しておいたほうがよいでしょう。
実は、セミアップハンドルにつける両足スタンドの中にも種類があるのです。
両足スタンドは安定性によって値段が変わってきます。
従来の、単純な両足スタンドがネット通販で1,000円に達しないくらいでしょう。
買い物等に使用するだけなら、従来の両足スタンドでも構いません。
しかし、お子様を乗せる場合や、電動自転車につける場合では従来の両足スタンドでは少々心もとないでしょう。
その場合は、安定性の高い両足スタンドをお求めください。
巾広L型両足スタンドを始め、ワイドに開き、さらに両足を補強しているスタンドなどがあります。
これらは、種類が多すぎて細かくご紹介できませんが、基本的に補強が多いスタンドのほうが安定性が高いとお考えください。
ネット通販などでは、2,000円に達しないくらいで購入できます。
これに交換するというのも手です。
他にも、アシスト機能のついたスタンドも存在します。
アシスト機能は、少ない力でスタンドを立てることができます。
電動自転車など、自転車が重い場合は使用を検討してみてください。
それから、自転車に変速がある場合は、必ず変速対応のスタンドをご使用ください。
では次は、両立スタンドの具体的な交換方法になります。
セミアップハンドル自転車のスタンド交換方法②
セミアップハンドルの両立スタンドの交換方法として、まずは変速車の交換方法をご説明します。
何故なら、変速車の交換方法が分かっていると、変速なしの自転車にも対応できるからです。
基本的な流れは同じと考えていただいて構いません。
では、ご説明させていただきます。
まずは、後輪のところにあるべルクランクカバーを外す必要があります。
カバーを、プラスドライバーで外してください。
この後、必ず変速を1段目にしておいてください。
そうしないと、変速ワイヤーの頭を外すことができません。
次に、ベルクランク本体のレバーを押し込みながら、変速のワイヤーの頭を外してください。
すると、レバーが緩くなりますので、完全に外側に開ききってください。
その後、ハブ軸から出ているプッシュロット棒を引き抜きます。
ここまでくれば、後はハブナットやクランク足、泥除け足を外していくだけで大丈夫です。
ただこの時、どんな順番でハブに止まっているかは、必ず覚えておく必要があります。
これは、交換後、再度ナットを止める時に非常に重要になりますので。
また、ハブナットは左右、交互に緩めてください。
片側のみ緩めてしまうと、反対側のナットが回らない事があります。
そして、両足スタンドを外して、付け替えて、ハブに先ほどの同じ順番クランク足や、ワッシャを止めていきます。
締めるときも、左右交互に行ってください。
ここからは、変速を戻していきます。
引きぬいたプッシュロット棒を、ハブ軸に戻します。
その後、ベルクランクのレバーを押し込み、外していた変速ワイヤーの頭を引っ掛けて、しっかりと変速が機能するようにします。
そして、ベルクランクのカバーを取り付けて交換が終了です。
もちろん、この後、変速がちゃんと機能しているのかを確認してください。
次は、片側スタンドの交換方法になります。
片側スタンドの自転車のスタンド交換方法
自転車の片側スタンドの交換方法は何も難しいことはありません。
ハブナットを外して、交換していくだけです。
スタンドの爪がしっかりと車体に合うように取り付けるようにしましょう。
ここまでの取り付けは、簡単にできます。
ただ、片側スタンドの場合、気をつけなければならないのは車輪のずれです。
片側のナットのみを取り外すため、車輪が僅かにずれ、酷い場合は車体(チェーンステーの部分)に当たってしまうことがあります。
これは、全てのシティサイクルに起こりうる問題ではないです。
しかし、車輪がずれてしまうと泥除けや車体に当たって走れなくなります。
走れなくなる分には、気付いて直せばいいだけの話ですが、僅かに当たっている場合は気付かないこともあります。
もちろん擦れている場合は音がします。
擦れている場合はタイヤを傷めることになりますので、片側スタンドを交換した後は、必ず確認するようにしましょう。
このずれの直し方は非常に簡単で、左右のハブナットを一度緩め、車輪がどこにも当たらない位置でハブナットを締めてやれば、それで大丈夫です。
また、この時、チェーン引きを利用して、車輪を中心に持ってきても大丈夫です。
その場合は、チェーンの張りにも気をつけてください。
スポーツ車にスタンドは適切か?
上記で触れました、スポーツ車のスタンドのお話です。
スポーツ車、とりわけロードバイクはそもそもスタンドを用いません。
というより、ロードバイクはスタンドを付ける設計になっていないので、スタンドを付けることが推奨されていないのです。
ロードバイクのフレームはカーボンや軽量アルミといった素材を使用し軽量化を目的としているため、あまり丈夫にはできていません。
片側スタンドを使用し、風などで倒れてしまうとフレームに予想外の負荷がかかり壊れてしまうこともあり得るのです。
つまり、ロードバイクにおいてはスタンドは付けないほうがいい、という結論になります。
街乗り用に使う場合でも、あまりオススメはしません。
対して、クロスバイクやmtbではその限りではありません。
むしろ、mtbはつけることを推奨しますし、クロスバイクも基本的にスタンドを用いたほうがいいです。
さらに、スポーツ車のスタンドはセンタースタンドを除いて、比較的取り付けが簡単です。
交換方法を知っておけば、すぐに交換することもできます。
通勤、通学、街乗りという用途で使用する際には、ぜひスタンドを付けてください。
さて、そんなスポーツ車の、主にクロスバイクのスタンドですが、実は3つの種類があります。
リアに取り付けるスタンド。
チェーンステーに取り付けるスタンド。
センターに取り付けるスタンド。
この3つです。
次は、この3つの自転車スタンドの特徴をご紹介します。
スポーツ車のスタンドはどれが適切か?
まずは、リアに取り付けるスタンドの特徴です。
一般的な自転車に使用されているので、慣れているというのが、最大のメリットです。
交換方法が今までと同じなので、初心者にはオススメのスタンドになっています。
さらに、取り付けたことで他の部品に当たるという心配がほとんどありません。
今まで特殊なスタンドを使ったことがないという人であれば、このスタンドをオススメします。
次はチェーンステーに取り付けるタイプのスタンドです。
このスタンドは、チェーンステーに挟む形で固定します。
固定場所がハブナットに依存しないため、バランスがしっかりととれるというのが最大のメリットです。
ただ、チェーンステーには自転車によって様々なため、特にディスクブレーキの自転車の場合は取り付けられないという場合があります。
そこは注意してください。
また、カーボン製フレームは衝撃に弱いため、このタイプのスタンドを使用しないほうがいいです。
フレームが僅かに歪曲するケースがあります。
最後に、センターに付けるタイプのスタンドについてです。
ボトムブラケットの下に取り付けることで、重心位置で支えることが可能になっています。
3つのタイプの中では最も安定感が高いのがメリットです。
よって修理の時も重宝することでしょう。
ただし、モデルによってはクロスバイクを立てた時にクランクに当たることがありますので、ご注意ください。
またこのスタンドは、スポーツ車の中で取り付けが最も難しくなります。
まず、センタースタンドの台座があることを確認する必要があります。
しかし、このセンタースタンドの台座が付いた自転車が意外と少ないです。
ここがまず重要なポイントです。
ただ、台座がなければ付けられないということはありません。
チェーンステーにブリッジが設けられており、シートチューブとタイヤまで間に十分な間隔があれば、取り付けは可能です。
間隔の目安は、男性の指2~3本くらいの幅くらいです。
これがあれば、ひとまず取り付けは可能でしょう。
ただ、さらに気にしないといけないことが2点あります。
シートチューブとタイヤの間の真ん中にボルトが通過できることは必須になります。
チェーンステーのブリッジがあり、そのブリッジがボルトを邪魔しないことを確認してください。
また、そのボルトが変速のワイヤーに干渉をしないことが絶対です。
実は、この2つの条件が意外と難しいです。
まずセンタースタンドの取り付けが可能かどうかを、近くの自転車屋さん等のプロに確認してみください。
それが一番、確実です。
3つご紹介しましたが、実際のところ販売メーカーの公式のスタンドがあった場合は、そちらのスタンドを使用するのが最適です。
まずは、販売メーカーを調べた後、3つのスタンドのどれがいいかを選択してください。
スタンドの種類を熟知して交換しよう!
スタンドには、両立スタンド、片足スタンド、スポーツ車のスタンドがあります。
その交換方法をご紹介しました。
スタンドは、自転車を倒さないために非常に大切な部品です。
ここの微調整を間違っていたり、ナットを緩くしていたら、自転車が壊れてしまいます。
交換方法を熟知して、しっかりと取り付けてください。
また、スポーツ車のスタンドには取り付け可能な物と、そうでない物があります。
しっかりと調べた上で、交換するようにしてください。