クロスバイクなどのスポーツ自転車は、最初はスタンドが付いていません。
しかし、通勤・通学や買いものなどにはスタンドがないと何かと不便ですから、取り付けている人が多いと思います。
ただそうなると、自転車を分解して持ち運ぶ輪行の際に邪魔になったり、最悪、入らなかったりします。
そこで今回は、輪行にも困らないスタンドを紹介したいと思います。
クロスバイクにスタンドが必要な場合もある
クロスバイクに限らず、スポーツ自転車にはスタンドはおろか、走行性能に関係のないものは、極力排除されているのが基本です。
カゴや泥除け、ライト(付けないと違反です)も、標準装備ではありません。
元からレース機材として開発されているロードバイクは、軽くするために全部取っ払っているのはやむを得ないですが、クロスバイクは街乗りを想定した車種ですから、付いていても構わないと思うのですが…
普通に考えてスタンドはタイヤを固定してくれるような駐輪場は良いですが、基本的には立て掛けられずに困ってしまうはずですし、大切な自転車が常に転倒する危険性もあります。
重さを気にするかもしれませんが、せいぜい500g程度のことですから、レースに出場するのでなければ、あまり走りに影響はないでしょう。
しかし、スポーツ自転車の場合は分解して持ち運ぶ輪行の概念があるので、確かに固定型のスタンドが付いていると邪魔という意見は分かります。
クロスバイクの輪行のルール
さて「輪行」という言葉は、聞き慣れない人もいると思いますので、簡単に説明します。
輪行はクロスバイクなどの自転車を、手持ちにできる大きさまで分解して専用袋に入れ、公共交通機関などを利用して、目的地まで自力で運ぶことを言います。
輪行をすることによって、自走ではいけない遠方、極端に言えば海外にだって自分の自転車を持って行けることになります。
また、自走と輪行を組み合わせて、自分なりの最適距離を走ることもできるようになります。
公共交通機関によっては、輪行自体受け付けないようなケースもあります。
例として、JRの場合のルールをご紹介しておきましょう。
まず、専用の袋にすっぽりと収まることが条件で、スタンドがはみ出していたり、収まっていてもビニール袋は不可です。
折りたたみ式自転車の場合でも、畳んでから専用袋への収納が必要です。
また、サイズにも既定があり、縦・横・高さを足した和が250cm、ないし長さが200cmを超えている場合は車内への持ち込みができません。
私鉄各社や他の交通機関も、少しの違いはありますが、おおむね同じような条件と考えて良いと思います。
クロスバイクにおける輪行のポイント
輪行で最初に必ず確認しなければならないのは、利用する交通機関が、自転車の持ち込みが可能かどうかという点です。
当たり前のことですが、無駄足を踏まないようにしましょう。
クロスバイクは車輪にクイックリリース機能があり、工具などがなくても、レバーひとつでフレームから外せるようになっています。
そのため、コンパクトなサイズにすることができるので、輪行が可能ということになります。
輪行のポイントは袋を突き破ってしまう可能性のある、ペダルやスタンドなどの突起物を外しておくことと、フレームに傷が付かないようにすることです。
ペダルは、最初からクイックリリース式のものにしておくと便利です。
また、スタンドは後ほど詳しく説明しますが、簡単に脱着が可能なものがおすすめです。
フレームと車輪がこすれて、傷が付いてしまうトラブルは結構あり得ることなので、緩衝材を巻いておくことをおすすめします。
専用のフレームプロテクターもありますが、特にこだわらず、滑り止めシートや何枚かタオルを重ねておくだけでも、十分に効果があります。
クロスバイクに取り付け可能なスタンド
クロスバイクの車輪がすぐ外れるからといっても、輪行は慣れない内は時間も掛かりますし、目的地に着いてからの再組み立てや各所の調整も行いますから、最初は決してハードルは低くありません。
しかし、慣れてしまえばなんてことないですし、調整は自転車の勉強にもなりますので、やって損はありません。
さて、スタンドの話になりますが、冒頭でもお話したように、最初からは付いていません。
そのため、取り付けるかどうかは自分次第ですが、まずスタンドの種類を確認しておきましょう。
取り付ける場所はリアならクイックリリース、チェーンステーやセンター付近なら、フレームに直付です。
特にカーボンフレームなどは、直接取り付けると強度の問題があるので、できればリアに取り付けるタイプが良いでしょう。
また、車種によってはスタンドの取り付けを想定して、ダボ穴が切ってある場合もあるので、それに従うのがベストでしょう。
ママチャリのように、ダブルスタンド型のものは、立てたときの安定感は抜群です。
クロスバイクは基本的に軽いですし、荷物の上げ下ろしも少ないと考えれば、片足タイプでも十分だと思います。
輪行におすすめのスタンド
輪行を考えた場合は、簡単に脱着可能なスタンドが便利です。
輪行はもちろんのこと、自宅から走行する場合でも、ツーリングなどで頻繁に自転車を止めるようなシーンが想定されない場合は、取り付けなくても良いわけです。
では、具体的にご紹介しましょう。
【UNICO(ユニコ):Bikeguy QRスタンド クイックリリース取付スタンド】参考価格:¥2,500
後輪のクイックリリースの部分に装着するので、ホイールを外すときに一緒に取り外せます。
頻繁に輪行する場合は、やはりフレーム直付は避けたいところなので、このタイプ一択じゃないでしょうか。
適合する車輪のサイズは24インチ~700Cまでと幅広いです。
耐荷重も15kgですので、まずクロスバイクなら心配いりません。
スタンド自体の重量もiphoneよりちょっとだけ重い程度ですから、持ち運びも何の苦もなく行えます。
最初の使用時に長さ調節のために工具が要りますが、2回目からはワンタッチですので、わずらわしさも一切ありません。
輪行するからこそスタンドが必要
何度も言うようで恐縮ですが、スタンドは用途によっては、全くいらないということになります。
レース目的であったり、ひたすら走るだけのロングライドなら、まず無駄なものでしょう。
そのため、ロードバイクには、まず不用と考えられます。
クロスバイクの場合は、元々普段使いの街乗り用として開発されていますので、スタンドを付けても違和感はありません。
実際に街中で少し注意して見れば、スタンドはおろか、カゴや泥除けを付けているクロスバイクが多いことに気付くと思います。
スタンドと言うと、どうしても昔ながらのスチール製で、自転車を持ち上げなくてはいけないような、重いものを想像するかと思います。
ですが、先ほどご紹介したように、今のスタンドは非常に軽いです。
その割にはしっかりとした強度ですし、価格も安いですから、脱着が簡単なタイプを気軽に1本持っておけば、何かと便利です。
特に輪行を考えた場合、普段慣れていない場所を走行するわけですから、何が起こるか分かりません。
そんなトラブル時に、スタンド1本あるだけで大分違うはずですから、余計に準備しておくべきだと思います。
クロスバイクにスタンドは違和感なし!
今回は、クロスバイクにスタンドを付けるか否かを考えてみました。
結論を出す必要のある話ではありませんが、利便性を考えれば、付けておいて損をするようなことはないですね。
また、輪行を考えても簡単に脱着できて軽いものなら、むしろあった方が良いとさえ思いました。