台湾の「giant」は世界一の販売台数を誇る、スポーツ自転車メーカーです。
プロチームに機材として提供されているロードバイクを始め、MTBやクロスバイク、ミニベロに至るまで人気機種が目白押しです。
そんなgiantには、世界的にも有名な「ESCAPE R3」などのクロスバイクがありますが、スタンドやカゴなどは装備されていません。
必須とも思える装備がなぜ付いていないのか、また後付けはできるのかなどについてお話していきます。
giantのクロスバイクにスタンドは装備されていない
クロスバイクを始めとするスポーツ自転車とママチャリは、想定されている用途が違います。
ママチャリは老若男女を問わず普段使いの自転車として、日常生活の足代わりとして使用されます。
そのため、カゴやライト、スタンドに泥除けなど、普段使いに必要と思われる装備品は、ごく当たり前のように最初から付属しています。
しかし、スポーツ自転車はクロスバイクは別として、レースのための機材として開発されています。
また、一般ユーザー向けには趣味の自転車という要素が強く、走りに特化した仕様になっています。
極端に言えば、走りの質に関係のないものは全て排除されており、法律で装備が義務付けられているベルやライトですら標準装備ではありません。
世界一の自転車メーカーである「giant」のクロスバイクでも、標準装備はベルのみで、その他の装備品はほぼ付いていません。
ただし、後付けをすることは想定されており、取り付けのための台座や穴が切ってある機種が多いです。
giantのクロスバイクにスタンドが必要な理由
前項でお話したように、スポーツ自転車はレース機材が原点のため、レースに関係のない装備は最初から付いていません。
しかし、ロードバイクとMTBの中間的な存在で、街乗り車として開発された経緯のあるクロスバイクには、必須と思われる機能がいくつかあります。
必要と思われる機能については後述していきますが、まず少なくともスタンドは不可欠ではないでしょうか。
子どもの頃からママチャリなどの自転車に乗り慣れていれば、自転車を停める際にスタンドで自立させるのは言われるまでもないことですね。
しかし、スタンドがないことを考えてみると、どこに停めるにしても何かに立て掛けておかなくてはいけません。
立て掛けておける場所がなければ寝かせておくことになるわけですから、大切な車体が傷だらけになりかねません。
そのため、ママチャリのように両足立ちのスタンドとまでは言いませんが、せめて片足立ちのキックスタンドくらいは装備しておきたいものです。
giantにもホームページを見る限り、10種類以上のスタンドがオプション品として用意されています。
クロスバイクを「輪行」することも視野に入れる
スポーツ自転車では分解して袋に収め、電車などの公共交通機関で持ち運ぶ「輪行」を行うことがあります。
ママチャリしか乗ったことがない方には考えられないかもしれませんが、割と一般的に行われています。
旅行先でも自分の自転車に乗りたい人や、レースに参加するけど会場まで自走して行けない人などが輪行をします。
スポーツ自転車は車輪(ホイール)がレバー1本で簡単に脱着できるのが、輪行を可能にする大きな理由です。
輪行は電車などの車内に持ち込める大きさが決まっており、その範囲内で袋に収める必要があります。
また、袋は布やナイロン製で、尖ったものは突き破ってしまう可能性があるので、ペダルやスタンドは外すのが基本です。
そうなったときに固定の装備品は、言葉は悪いですが邪魔な存在になります。
スタンドなどは鋭角なものではありませんが、飛び出ていますので幅を取りますし、突き破ってしまう可能性もあります。
そのため、必要のないときは外しておけるものが良く、クロスバイクなどに取り付けるスタンドは、ワンタッチで脱着出来るものがおすすめです。
giantにもワンタッチで取り付けられるものや、折りたたみ式になっているものがあります。
スタンドをクロスバイクのどこに取り付けるか?
前項では輪行も視野に入れて脱着の簡単なタイプをおすすめとさせていただきましたが、スタンドはクロスバイクのどこに取り付けるかも重要です。
クイックリリースでワンタッチで脱着するタイプは、後輪のクイックリリースの周辺に取り付けるものです。
車輪と同時に取り外せるので輪行に重宝するということになり、giantの純正スタンドにもこのタイプが多いです。
脱着が簡単なことに加えて、他のパーツと干渉することがほとんどありませんし、フレームを傷つける可能性が皆無なのも大きなメリットです。
ただし、少し安定感を欠くので、強い横風などでは転倒する可能性もあります。
そのため、輪行はしないので常時付いていても問題ないという方は、固定式でも良いと思います。
固定式はフレーム後方のチェーンステーに取り付けるタイプと、センターのクランクの下に取り付けるタイプがあります。
共にバランスが取りやすく安定感は抜群ですが、デメリットもあります。
チェーンステーに直接固定するタイプは、上げ下げを繰り返していると塗装が剥げてしまう可能性があります。
また、強い力で締め付けて固定するので、カーボンフレームでは避けた方が賢明です。
センタータイプは、スタンドを上げたときにクランクに干渉してしまう可能性があります。
デメリットは気になりますが、固定力が強いのは確かですので、外す予定のない人は固定式がおすすめです。
giant純正のクロスバイク用スタンド
それではここから、giantのクロスバイクに適合するスタンドを紹介します。
特に純正にこだわる必要はないですが、純正品は専用設計のものが多くバランスなどがしっかりと考慮されているのでおすすめです。
【ESCAPE R QR(クイックリリース) KICK STAND】参考価格:¥2,500
giantで不動の地位を築いている、【ESCAPE R(エスケープ)】シリーズの専用キックスタンドです。
製品名にある通り、後輪のクイックリリースに取り付けるタイプなので、ワンタッチで脱着可能です。
少し細身で強い力が掛かると曲がってしまう可能性があるので、注意が必要です。
【QR SPORT STAND+ ADJUSTABLE 24-700C】参考価格:¥2,200
こちらも後輪のクイックリリースに固定するタイプです。
スタンドの長さを調整できるタイプなので、24インチ~700Cまでのホイールに適合するということです。
おそらくgiantのクロスバイクであれば全てに適合するはずです。
なお、giantのホームページには適合表が掲載されていますので、参考にしてください。
【DX UNIVERSAL KICK STAND+】参考価格:¥2,000
こちらはチェーンステイ固定タイプで、長さ調整が可能です。
重さはありますが、軸がしっかりとしているので、固定力が強く安定感は抜群です。
センタータイプもご紹介したかったのですが、純正品はクロスバイクに不適合となっているので控えます。
クロスバイクには泥除けも不可欠
さて、ここまではgiantのクロスバイクに取り付けるスタンドについて考えてきましたが、最後にその他の装備品の必要性も考えておきましょう。
街乗りであれば、スタンドと同じくらい必須ではないかと思われるのは「泥除け」です。
ママチャリでは当たり前のように標準装備なので、ありがたさに気付いていないだけで、実は大変良い仕事をしているパーツなのです。
特に、ギア比が大きくなり車輪が高速で回転するクロスバイクでは、水や泥が頭の上まで跳ね上がってきます。
雨が止んでも路面が濡れていると、泥除けのない自転車で走っている人は、背中に泥や砂が跳ねて一本の線ができていることがあります。
泥除けにもスタンド同様、脱着がワンタッチのものと固定するタイプのものがあります。
スタンドと考え方は同じですので、輪行も視野ならワンタッチ式、外す予定がないなら固定式となります。
ある程度の部分をカバーしないと意味がありませんので、ホイール径700cのクロスバイクであれば、幅が400mm以上のものにしてください。
また、前輪はフレームがある程度の跳ね上がりを阻止してくれますので、後輪だけでも良いかもしれません。
クロスバイクにスタンドは必要でしょう
今回は、クロスバイクにスタンドを取り付けることを考えてみました。
自立させられない自転車は思いのほか扱いに苦労しますし、転倒の危険性も高くなります。
「重くなる」、「見た目が悪い」と敬遠されがちですが、特に街乗りのクロスバイクでは必要性を強く感じる場面が多々あるはずです。
今は軽量で簡単に脱着出来るものや、走行中は目立たないように収納されるものもありますので、考えてみてください。