ロードバイクのカーボンフレームの特徴と性能

ロードバイクのフレーム素材は、多種類あるのを知っていますか。

金属ならアルミやクロモリ、ハイテン、チタンという素材があります。
他にもカーボンや竹、木と多種類の素材があるんですね。

その中でもカーボン素材は上位モデルに使われることが多いです。
そんなカーボンフレームの特徴と性能について解説していきます。

カーボンフレームを使うメリットは、なに?

自転車のフレームの素材にカーボンを使う利点はいくつかありますが、一番はその軽さにあるのではないでしょうか。

昔は重量がありましたが、技術の進歩により、現在は500gまで軽くなりました。
大半は、モノコック製法と呼ばれる方法で作られており、負荷が掛かるところを厚くするなどの工夫も凝らされています。

ただし、言い換えると、薄い部分はとことん薄く出来るということでもあります。
ここまで言えば何となく察しているかもしれませんが、カーボンの難点はとにかく「脆い」のです。

些細な傷が故障の引き金になることも珍しくないため、各会社ではラグで継ぎ合わせたり、パイプを直接くっつけてカーボンコードで巻くなどといった対策が施されています。

これなら強度も十分ありますし、重さも変わりません。
繊維の折り方や向き、フレームの形なども自由に決められるので、色々なタイプを生み出せます。

カーボンに秘められた無限の可能性を、どこまでも引き出せる。
現代ではそれが可能となったのです。

カーボンフレームのデメリットは、なに?

メリットが大きいカーボンですが、デメリットも存在します。
それはあっという間に劣化することと、壊れた場合、断面で怪我をする可能性が高いという2点です。

それでも昔と比べれば、カーボンフレームの寿命は延びました。
ですが、金属などには劣りますし、もともと亀裂が入りやすい素材でもあります。

破損したフレームは、刃物のように鋭く、乗り手はもちろん、修理を頼んだ店の店員が怪我をするケースもよくあります。
さらに刺さった繊維が身体の中に入ったまま出てこないという事故の話もあります。

劣化しても直すことは出来ますが、本来持っている性能を引き出せなくなることが多いので、日常生活で使う分には問題ありませんが、レース用としては使えません。

そして、最大の問題は値段です。
最近はそれでも多少安くはなってきました。

しかし、アルミやクロモリよりはずっと高額です。
カーボンは加工が難しいので、それがそのまま値段に出るのです。
プロが愛用するような高性能・高品質のものになると、軽自動車と同じくらいかそれ以上の値段が付いていてもおかしくありません。

なるべくなら良いものが欲しいところですが、無理をしないで予算と相談して下さい。

カーボンフレームの耐久性が低い?寿命も短い?

かつてカーボン製のフレームは「折れやすい」「弱い」と言われていて、あまり評判が良くありませんでした。
これについては、半分本当です。

カーボンは強度に優れているものの、衝撃に弱いのです。

丈夫な素材のおかげで、軽さのわりにかなりの強度を誇っています。
飛行機にも使われていると言えば、その強さが何となく感じられるでしょうか。

しかし、外側から瞬間的に大きな力を食らうと、途端にその脆さが浮き彫りになります。

炭素で出来た繊維を合わせていき、大きなシートを作ります。
それを樹脂で固めて作られたものがカーボンです。
言い換えると樹脂という鎧をまとわせて、弱いカーボンを守っているのです。

防犯用のワイヤーを仕込んだガラスを想像して下さい。
ガラスだけなら、あっさり割れますが、ワイヤーが入っていれば食い止めてくれます。
ですが、金槌で叩くとガラスだけが割れてしまいます。
これが「衝撃に弱い」という言葉の意味です。

カーボンも樹脂で防護されていますが、何かがぶつかったりすると、樹脂だけが壊れてしまいます。
すると残ったカーボンには耐久性があまりないため、そんなに間を置かずに折れるのです。

カーボンフレーム劣化する?

カーボンを覆っている樹脂は強化プラスチックの一種なので、紫外線を苦手としています。
現在は塗装などを施すことで、ある程度は劣化を防ぐことが可能ですが、それでもその塗装が剥げてしまえば意味がなくなってしまいます。

カーボンの弱点及び寿命は「塗装の限界」と「外側からの強い衝撃」の2点だと言っても過言ではありません。

さらにもうひとつ、カーボンには内部剥離という現象が起こる可能性があります。
カーボンシートを何枚も重ねることで作られているため、ぶつかった勢いなどでそのシートが剥がれてしまうことを意味しています。
こうなると強度はガクンと落ち、いつ壊れてもおかしくない状態に陥ります。

厄介なのは、X線などを使わなければ分からないという点でしょう。
しかし、これを行うには専門的な機関に頼む必要がありますし、お金も掛かります(具体的には新しいフレームが買えるくらいの金額です)。

このようにデメリットも多いですが、長い間使い続けられる素材なので、しっかり使わないともったいないです。
少しでも劣化を遅らせられるように、保管する時は日陰を選び、雨水やクリーナーのような溶剤を当てないようにするといいですよ。

カーボンを使ったメーカー紹介!

カーボン製のフレームを取り揃えている会社はたくさん存在します。
今回は、その中からいくつかご紹介したいと思います。

・LOOK(フランス)
ツール・ド・フランスに初めてカーボンフレームを使った伝統的な会社です。
ブランド力と高額さからバイク乗りの憧れとなっており、レースでも見かけることが多いように感じます。

・TIME(フランス)
もともとは「TVT」というひとつの会社だったのですが、後に分かれて、ここと「LOOK」になりました。
フレームの作り方がF1と同じで、ペダリングに優れています。
ただ、大量に作れないため、かなりの高値が付いています。

・SCOTT(スイス)
とても軽いのが特徴です。
評価は高く、性能を上げることに力を入れています。

・TREK(アメリカ)
アメリカでは断トツの会社です。
ツール・ド・フランスの有名選手にバイクを提供したり、最先端技術を用いて新たなモデルを生み出しています。

・Cervelo(カナダ)
スピードを追い求める人に向いています。
値段は高めなので、2台目を買いたい時にどうぞ。

・CARRERA
元プロの2人が1989年に設立した会社です。
変わった形のフレームや、ミリ単位で大きさが決められるなど、会社独自の売り方をしています。

カーボンを使ったロードバイクの高性能モデル紹介!

今回は、カーボンフレームを用いた、高性能のロードバイクをご紹介しましょう。

・TREK momdaシリーズ
カーボンの加工技術を活用して、とことん軽さにこだわりました。
ヒルクライムのトップに君臨したい人や、平地で出来るだけスピードを出したい人におすすめです。

・SCOTT SOLACE 20
製作時に剛性を必要とするパワーゾーンと、乗り心地を追求するためのコンフォートゾーンに分けることで、それぞれの性能を落とすことなく、バランスの良いバイクを生み出しました。
疲れにくい上に、体力の消費も激しくありません。
長距離を走るにはもってこいでしょう。

・RS9 ELITE
全体がカーボンで作られた、レース用の自転車です。
性能面では加速に長けているので、乗り手を上手くサポートしてくれます。
無駄な動きをしないだけではなく、乗り心地も良いのでストレスが溜まりません。
ファンライドとしても楽しめるので、予算の都合がつけば是非手に入れたいですね。

カーボンロードバイクは保管にも気を使おう

カーボンロードバイクは、衝撃吸収性が良く軽量なので、今後ヒルクライムに力を入れていく人には最高なのではないでしょうか。

しかし、耐久性が良いわけではないので、横からの衝撃を受けないように注意が必要です。
自転車を止める時も乱雑に扱わないようにしましょう。

また、室内保管することで劣化の軽減も出来るので、カーボンロードバイクに乗ることを考えている人は保管方法にも気を使うことをおすすめします。

値段が高いですが、カーボンを使うとその軽さにびっくりします。
機会があれば是非乗ってみてもらいたいものです。