ロードバイクは様々なパーツから成り立っています。
フレーム、フォーク、ステム、ドロップハンドル、コンポーネントなどなどあります。
今回はそのパーツ類の中でもホイールについて、その重量の重要性についてもご説明していきます。
ロードバイクのパーツ構成
冒頭でも申し上げた通り、ロードバイクは様々なパーツから成り立っています。
一般的にフレームセットとして販売されているフレーム・フォーク。
乗車するために必要なステム・ハンドル・シートポスト・サドル。
ドライブトレインのクランク・ペダル・変速機構などのコンポーネント類・ホイール。
少なくともこれだけのパーツから構成されています。
厳密に言えば変速機構はなくても走れますが、その他のパーツ類は一つでも欠けると、そもそも走行することができません。
そして、これらの中でフレーム以外はパーツ単体ベースで販売されています。
フレームセットとして販売されることが多いフロントフォークですが、単体販売もされています。
ですので、自分の好きなパーツに変更して自分のためだけのロードバイクにカスタムしていくことができます。
当然、見た目は違いますが、それだけではなく剛性や重量、振動吸収性など、各パーツごとに役割やその中でも製造方法などによって違ってくるので自分に合わせたロードバイクにすることができます。
ロードバイクのパーツの重量変化に伴う影響とは
さて、ではロードバイクの各パーツの重量が変わることでどうなるのか、ということに注目していきます。
フォークやホイールについては剛性といった面もありますが、ここでは重量のみに着目していきます。
それでは、フォーク・フレーム・ハンドル周り・サドル周り・ペダル・ホイールの順にご説明していきます。
まずはフォークですが、軽くなることでハンドリングが軽快になります。
逆に重くなると、安定感が増しますので特にダウンヒルなどの高速カーブの 際にフロント周りが安定するおかげで狙ったコースを安心して走行することができます。
次にフレームですが、軽くなるとバイク全体の重量は下がるのですが、フレーム以外の部分が重たいと安定感がなくなり、違和感を感じたり進まない自転車になってしまいます。
逆に重くなると、全体的な安定感につながります。
そして、ハンドル周りですが、軽くなると重心が下がるため、安定感が増し、ハンドリングが軽快になります。
逆に重くなると、重心が高くなってしまい、安定感はなくなります。
ロードバイクのパーツの重量変化に伴う影響 その2
残り3箇所の重量変化に伴う影響についても見ていきましょう。
まずはサドル周りですが、軽くなると重心が下がり、ダンシングが軽快になります。
逆に重くなると、ダンシング時の左右に重量が振られ、消耗が激しくなります。
次にペダルですが、軽くなるとロングライド時の足の疲れが軽減されます。
逆に重くなると、当然逆になりますが、これは、ペダルを持ち上げる方向に動かす際に引き足にかける力が必要になるためです。
微々たるもので気付かない方も多いかもしれませんが、例えばステージレースが続いたり、キャノンボールをしたりといった連日走り続けるような状況の場合は重要な要素になってくるでしょう。
最後にホイールですが、軽くなると漕ぎ出しに必要な力が少なくなります。
逆に重くなると、漕ぎ出しに必要な力が多く必要になります。
その代わりに一度速度に乗せてしまえば、平地を巡行し続ける際は楽になります。
ですが、ホイールに関してはこの重量による影響は一般的な話であり、一概にこれが正しいわけではありません。
これに関しては、後で詳しくご説明していきます。
このように、ロードバイクの各パーツごとの重量は一つ一つ与える影響が違います。
自分がどれを重視するかによって考えてみると良いでしょう。
ロードバイク用ホイールはどれくらいの重量なのか
ここからはホイールについて詳しく見ていきましょう。
ホイールはロードバイク完成車に付属されている非売品の廉価ホイールから、70万するようなホイールまで様々な種類があります。
完成車付属の廉価ホイールは、ホイール重量が1900~2300g程度となりますが、高額なホイールでは1000gを切るものもあり、800g程度のものまであります。
リム重量も同様で、廉価ホイールですとリム重量が500gのものもありますが、最軽量クラスですとリム重量が200g程度になってきます。
素材別で分けると、アルミリムホイール(カーボンラミネートも含みます)ですと、昨年まであったナローリムでホイール重量が1330g、リム重量350g程度が最軽量クラスになります。
ワイドリムですと、ホイール重量1400g、リム重量390g程度が最軽量クラスになるでしょう。
次にカーボンリムのホイールですが、カーボンの場合、ワイドリムになっても大して重量増加しないため、数年前からワイドリムが主流になっています。
その中でもヒルクライム用ホイールとして販売されているものなどはナローリムのものもあり、その中でも最軽量はホイール重量790g、リム重量195gになります。
ワイドリムとなると、ホイール重量1100g、リム重量280gが最軽量クラスでしょう。
これらはチューブラーモデルであり、クリンチャーモデルとなると、もっと重量は増加します。
クリンチャーモデルの場合は、ホイール重量1300g、リム重量340g程度が最軽量クラスでしょう。
ホイール内パーツの役割
では、ロードバイクで走行するうえで、ホイール内の各パーツが果たす役割ついてみていきましょう。
ホイールは大きく3つの部品に分けることができ、ハブ・スポーク・リムと分かれます。
ニップルも当然ありますが、今回はリム付属品として考えリムの中に含めます。
まずはハブです。
この部分は回転体で構成されており、ホイールの回転性能を左右します。
ハブに使われる回転体も種類があり、スチールベアリング~CULTベアリング(セラミック)があります。
セラミックベアリングは、回転時に抵抗が少ないため、走りが軽くなります。
次にスポークは、ハブとリムをつなぐと共にハブに伝わった力をリムに伝達しています。
材質はステンレス、アルミ、カーボンとあり、力の伝達効率も違います。
ステンレスは減衰があるため、力は逃げますが、そのぶん振動吸収性が良くなります。
アルミは伝達効率が高いため、反応性が良いのですが振動吸収性は悪いです。
カーボンは伝達効率も振動吸収性も高いですが、加工にお金がかかります。
最後にリムです。
リムにも材質があり、アルミ、カーボンとあります。
同じリムハイト、リム幅であればカーボンのほうが軽くなります。
そして、この中で重量の話となると、先程から出てきているリム重量が重要になってきます。
これについてご説明していきましょう。
ホイールのリム重量の重要性
なぜリム重量が重要なのかと言うと、漕ぎ出しや加減速、ヒルクライムに直結するからです。
慣性モーメントなどが関わってくるのですが、簡単にご説明しましょう。
ここに1kgと2kgの荷物があります。
これを腕を伸ばしきった位置で左右に移動させると、たった1kgの違いでも大きな違いになります。
これをホイールに置き換えると体がハブ、腕を伸ばしきった位置がリムになります。
外周部が重くなるほど、動かすときに力が必要になります。
ですので、漕ぎ出しや加速時、加減速が繰り返されるヒルクライムでは外周部の重量が重要なのです。
ですが、軽ければ軽いほど良いわけではありません。
これも慣性モーメントなどありますが、平地巡行はリムが重いほうが楽です。
リムが軽いと減速もしやすくなるため、平地巡行時は脚を動かし続ける必要があります。
ちなみにアルミとカーボンとリム重量が同じ場合、カーボンのほうがリムハイトが高くなります。
そうなると、高くなった部分にも重量が分散されているため、外周部はアルミのほうが重くなります。
また、重量面以外にもスポークが短くなることで空力性能も上がり、伝達効率も良くなり剛性も上がるといったメリットがあります。
このようにリム重量ひとつでも、ロードバイクでの走行に与える影響は大きなものになっています。
自分がなにを重視するかで必要なものを見極めよう
ロードバイクの各パーツ、ホイールのリムなどの重量の重要性についてご説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
レースなどでの反応性、ヒルクライムでの軽さ、ロングライドでの振動吸収性など、人によってなにを重視するかは変わってきます。
自分にとってなにが重要なのかを見極め、必要なものを取り入れて自転車ライフを楽しくしていきましょう。