メリダのエースロードバイクの「スクルトゥーラ」ですが、アルミフレーム車のフレームに関しては、どのグレードもほぼ同じものであることが分かっています。
となれば、価格の最も安いスクルトゥーラ100を選んでも遜色なし、むしろ後のカスタムを考えればそちらの方が得策ではないかとすら思えます。
そこで今回は、スクルトゥーラの2018モデルを、上位グレードや他メーカーの機種と比較しながらご紹介していきます。
メリダ・スクルトゥーラ2018年モデルのラインナップ
メリダの「スクルトゥーラ」はオールラウンドなレーシングバイクとして、プロチームにも採用されているシリーズです。
平坦路はもちろん、真骨頂とも言われるヒルクライム、また、近年は「パリ~ルーベ」などの石畳コースのレースにまで投入されています。
2018年モデルはカーボン8機種、アルミ6機種の計14機種、メリダのロードバイクの中で一番のシェアを誇ります。
カーボンはプロ仕様のフレーム「CF4」と、そこから扱いやすさや乗り心地などに配慮し、少しマイルドな味付けがされた「CF2」がグレードによって使い分けられます。
アルミ車は冒頭でもお伝えしたように、全て同じフレームで、ハイエンドモデルの「700」のみ、わずかにフロントフォークのグレードが高いと聞いています。
アルミ車全体の特徴は反応よく、巡航性が高いというレースモデルの基本を押さえながら、剛性が高すぎないように工夫されていますので、扱いやすいという評価が多くなります。
詳しくはのちほど「スクルトゥーラ100」のご紹介のところでお話ししますが、クセが少ないので人を選ばないバイクと言えるでしょう。
メリダ・スクルトゥーラ100 2018モデルのフレーム
それではここから、「スクルトゥーラ100」2018年モデルをご紹介していきます。
スクルトゥーラ100は、スクルトゥーラシリーズ全モデルの中の最安値で、価格は101,412円(税込)になります。
前項でも触れたように、アルミフレーム車が全て同じフレームを採用していることを考えると、100が実は一番お得という見方もできるわけですが、その見解はのちほど。
フレームは高強度で耐久性に優れた「6066」系のアルミを使用し、メリダ独自の成形技術「トリプルバテッド・ハイドロフォーミング」で製造されています。
今までは、1本のチューブは全て同じ厚みで作っていましたので、強度が必要な溶接部分の厚さに合わせるしかなく、全体的に分厚いフレームになっていました。
チューブが厚くなれば当然ながら重くなりますし、強度が増すということは硬くなるということでもあるので、アルミフレームは重くて剛性が高いと言われてきました。
しかし、トリプルバテッドの技術は1本のチューブでも、溶接部分は厚くしますが、強度がそれほどいらない他の部分を薄くすることによって、剛性を抑え、軽量化を図っています。
また、エアロロードに採用されている、後ろの端がカットされた断面を持つチューブの形状を、メリダはアルミでも製造することができるので、空力性能にも優れています。
メリダ・スクルトゥーラ100 2018モデルのコンポ
前項に引き続き、メリダ・スクルトゥーラ100の2018年モデルをご紹介します。
フレームも含め前年度モデルとの変更点はほぼありません。
メインコンポはシマノ・クラリスで、クランクがFSAの「Tempo」になります。
クラリスはシマノのロードバイク用コンポでは下から2番目のグレードですが、一番下のターニーは完成車にフルセットで採用されるようなものではないので、実質はクラリスが最廉価モデルです。
最廉価モデルなので、見るに堪えないような酷評もありますが、普通に走る分には何の過不足もない必要十分なコンポです。
まして、もし初めてのロードバイクということであれば、コンポの1、2段階のグレードの違いなど大きな問題ではありません。
スピードを上げたいのならホイールですし、乗り心地をよくするのはサドルやタイヤです。
コンポは主に変速に関わるパーツであり、アップダウンの激しい場所で小まめにスピードを変えるなど、ロードバイクの走りに慣れ、もう1つ上のステージに上がった時にグレードを考えても遅くない部分です。
ただし、ブレーキだけは命に関わってくる部分ですので、不安があれば真っ先に交換したいところではあります。
クラリスのブレーキは平坦の舗装された道を走る分には何の問題もありませんが、雨の日で路面が濡れている場合や、勾配のきつい下り坂などでは、制動力に不安に感じる方もいるようです。
メリダ・スクルトゥーラ100 2018モデルと「400」の比較
ここまで、メリダ・スクルトゥーラ100の2018年モデルを確認してきましたが、ここでは上位モデルとの比較をしていきます。
なお、ディスクブレーキモデルは最初からコンセプトが違うので、今回は100と同じキャリパーブレーキ採用のモデルを対象にします。
【SCULTURA (スクルトゥーラ)400】
参考価格:¥151,092
フロントフォークまで含めフレームは100と全く同じです。
したがってグレード差は付属パーツの差であり、価格的に大きな差があるのはコンポです。
こちらはシマノのミドルグレード「105」になります。
105はクラリスよりも3グレード上で、下位グレードとは明らかに一線を画すコンポです。
感覚でしかお伝えできないのですが、クラリスの変速は「ズルッズルッ」と1段づつ滑るような動きですが、105は「カチッカチッ」と1段づつ、キチッとチェーンがはまる感覚です。
また、ブレーキもアームがシャープに動くので、制動距離が短く思い通りにピタッと止まれます。
105には確かに選ぶだけの価値はありますが、このスクルトゥーラ400は肝心のクランクとブレーキが105のものではありません。
クラリスよりもグレードが上ではありますが、105からはかなりグレードダウンしてしまっているので、失礼な言い方ですがせっかくの105がかすんでしまいます。
他のパーツも少しづつレベルが上がっているので、価格差はコンポの差だけではないですが、約5万円高価な400を選ぶなら、100にしてその差額で自分の好きなパーツをカスタムする手もありそうです。
メリダ・スクルトゥーラ100 2018モデルと「700」の比較
前項ではメリダ・スクルトゥーラ100の2018モデルと「400」を比較しましたが、ここではハイエンドモデルの「700」と比較してみましょう。
【SCULTURA 700】
参考価格:¥183,492
フロントフォークが少しグレードの高い素材を使っていると言いましたが、フレームに関しては同じものと考えてよいでしょう。
この700の売りは105のフルコンポで、他メーカーのパーツも含まれませんし、グレードダウンもありません。
実は105をメインコンポとしている完成車で、フルコンポなのはメリダの中ではこの機種だけです。
あとは、グレードはさほど高くはないですが、ホイールが反応のよさに長けた「フルクラム」製というのもセールスポイントではあります。
全体の重量も100に比べ1㎏(同サイズで比較)軽く、重量が全てではありませんが、さすがに1㎏違えばロードバイクではかなり優位です。
こういった比較から、100との差額の約8万円は妥当で、最初から変速性能やしっかりとした制動力のブレーキを求めるなら、700がよいでしょう。
スクルトゥーラ100の他メーカーのライバルは?
ここまでは同じメリダの中で比較をしてきましたが、最後は他メーカーの2018年モデルをいくつかご紹介しながら、スクルトゥーラ100と比較してみましょう。
【GIANT(ジャイアント):CONTEND 2】
参考価格:¥90,720
同じ台湾メーカーでメリダとはライバル関係にあるので、同じような価格帯で競いあうことも多いです。
このモデルはスクルトゥーラ100と同じようなパーツ構成ですが、10万円以下に抑えているところが、さすがに世界一の販売台数を誇るジャイアントの真骨頂です。
しかし、スクルトゥーラ100よりも0.7㎏ほど重いので、フレームの軽さではスクルトゥーラに優位性があるかとは思います。
【Bianchi(ビアンキ):Via Nirone 7 (Shimano Claris)】
参考価格:¥118,800
スクルトゥーラ100と同じクラリスですが、クランクもクラリスなのでフルコンポになります。
その他のパーツも少し100よりもグレードが高いと見られますので、その分の価格差かと思われます。
好みの問題にもなってきますが、スクルトゥーラをさらにマイルドにして、より乗りやすさに特化させたのがこちらのモデルと考えて下さい。
上位グレードと同じフレームなのでコスパが高い!
今回は、メリダのスクルトゥーラ100をご紹介しました。
最廉価モデルではありますが、フレームは上位モデルと同じなので、大きく引けを取るものではありません。
付属パーツも必要十分で、むしろ後のカスタムを考えればこの価格で購入できるのは、長期的なコスパも高いですね。