スポーツ自転車に乗った経験のある方なら、一度は「giant(ジャイアント)」という名前を聞いたことがあると思います。
今や世界のメーカーの中でもトップの実績と言われるメーカーで、日本でも多くの専門店を構えるほどです。
特にクロスバイクは、他の追随を許さない圧倒的なコスパの高さが評判となり、幅広いユーザーを獲得しています。
しかし、良くない評判も少なからずあるようなので、合わせて確認していきましょう。
クロスバイクとは
クロスバイクは、レース機材の要素が強いロードバイクと、オフロードに特化した専門色の濃いMTBの中間的存在です。
「スポーツ自転車」というカテゴリーの一種で、趣味の乗りものという側面はもちろんありますが、ママチャリ同様に普段使いの街乗り車という要素も強いです。
ママチャリに比べれば半分以下の重量ですし、随分と前傾姿勢にもなりますので、スピードは比較にならないほど出ます。
しかし、ドロドロの道や砂利道を走るには衝撃吸収性や安定性が足りませんし、平坦の一本道を巡航するにはスピードに物足りなさが残るでしょう。
いわゆる、クロスバイクはママチャリとは一線を画すスポーツ性はあるが、上を目指すには何かが一歩足らないという存在です。
スポーツ自転車の入門編的な位置付けでありながら、一方でママチャリの延長線上にある自転車でもあるのです。
そんなクロスバイクには、手軽さ、気楽さが求められます。
ピチッとしたウエアを着て、ビィンディングペダルを装着して乗車するのがロードバイク。
肘や膝にプロテクターをはめ、ヘルメットをかぶって乗るのがMTBです。
しかし、クロスバイクはTシャツにジーンズ、スニーカーで乗れる気楽さがあります。
そして、giantに代表されるように、安価で手に入る手軽さもなくてはいけません。
それが評判を呼んだから、今日のgiantがあると言っても過言ではないのです。
giantのクロスバイクの良い評判は「コスパ」の高さ
前項でgiantのクロスバイクの価格について少しだけ触れましたが、giantの評判の良さはその価格にも一因があります。
ネット通販全盛時代になり、自転車もネットで購入できる時代です。
ネット通販の割引率の大きさは言うまでもなく、完成車でも平気で30,40%オフなんてものもあります。
そのため、以前ほどgiantが安価というイメージは、ないかもしれません。
しかし、スポーツ自転車はただ安ければ良いというわけではなく、性能が付いてこなければ意味がありません。
良く言われる「コストパフォーマンス」(以下コスパ)というもので、日本語に訳せば「費用対効果」となります。
giantの評判を一気に高めたのは、正にこのコスパの高さにあり、価格以上の性能が世界に認められた結果です。
後述しますが、乗る前の段階でスペックを見ただけでも、「本当にこの価格で良いのか?」と逆の心配をしてしまうほどです。
giantの評判を一気に高めたクロスバイクとは
それでは、giantの企業全体の評判を高める要因となったとも言われている、代表的なクロスバイクを紹介します。
【ESCAPE R3】参考価格:¥50,000
giantはこのクロスバイクを、自社だけではなく業界全体の基準・基礎(ベンチマーク)とまで謳っています。
それだけ自信があるということですが、本当に街で良く見掛けますので、販売台数が多いのは確かでしょう。
定番化しすぎているので、それを嫌って他のクロスバイクを選ぶという話を聞きますが、デメリットはそれくらいなものでしょう。
この価格帯で車重が10kg台(Sサイズ10.7kg)に留まっており、しかも1本600gもするタイヤが付属していてのこの重量は特筆ものです。
また、付属コンポがオーバースペック過ぎず、性能を引き出すのにマイナスにならない必要十分なセットである点も良いところです。
先ほどもお伝えしましたが、クロスバイクには手軽さがなければいけないので、大層な装備は必要ないと考えています。
その意味でもESCAPE R3は、「さらっと平均点を超えてくるけど、トップクラスには入らない」そんなイメージです。
giantのクロスバイクには良くない評判もある
giantほどの有名メーカーになれば、良い評判ばかりでないのが世の常ですから、良くない評判ももちろんあります。
良くない評判の中に、デザインが平凡という意見もあります。
大衆化してしまうことで、どうしても汎用的などこにでもあるようなデザインになってしまうのは否めません。
中にはチープ感(安物感)などという言葉を使っている論評があったりもします。
確かに「ESCAPE R3」などは、奇をてらわずオーソドックスなデザインなので、面白味がないと言えばそれまでです。
クロスバイクは趣味の乗りものの側面もあるので、見た目が大事ですし、所有欲がなければ早めに手放すことにもなりますから、コスパの悪さにも繋がります。
先述通り、性能が必要十分なのは私も含め多くの先人たちが認めるところですので、性能か?見た目か?どちらを優先して判断するかということになります。
これは、どちらが正解という話ではないので、最後は自己判断ということになります。
giantは台湾メーカーだから良くない評判が立つというのは本当?
giantのクロスバイクが、大衆化しすぎているのを嫌う風潮を確かにありますが、もうひとつ目立つ論評に、台湾メーカーへの偏見があります。
スポーツ自転車の世界には、本場はヨーロッパ、MTBを開発して新しい流れを作ったアメリカなど、欧米メーカー至上主義のところがあります。
そのため、アジアの極東にある小さな島の台湾で生まれたメーカーを、世界一とするのを良く思わない風潮があります。
それどころか、先入観から見下すような評判を流す者までいたと聞いています。
しかし、giantは今でも多くの欧米メーカーのOEM(委託生産)を手掛けており、それでここまで成長した企業です。
現在欧米メーカーのロゴを付けて販売されているバイクの多くは、実はgiantを始めとするアジアの企業が生産しているものです。
そのOEMによって、世界中のメーカーの技術を踏襲したのですから、giantが見下されるような性能の自転車を生産しているわけがないのです。
giantのクロスバイクはどんな人に向く?
ここまでの話をまとめてみますと、giantのクロスバイクの評判はかなり対極的です。
良い方の代表は「コスパに優れ、良く走ってくれる自転車」。
一方、良くない方は「大衆化しすぎて面白みがない」「台湾製はレベルが低い」です。
台湾製云々は、前項でもお話したように間違った認識と思いますが、その他については賛否両論の双方とも納得できることです。
giantのクロスバイクは、「ママチャリとは一線を画す性能を安価で入手できる、その代わり多くの人とかぶりますよ」ということではないでしょうか。
そのため、通勤・通学などで、普段から少し長い距離を乗り、週末にはサイクリングにも出掛ける。
このような、何より実用性重視な人に向くと言えるでしょう。
なお、今回は具体的な車種の紹介は「ESCAPE R3」のみでしたが、 まだまだ多くの種類がありますので、ぜひホームページやカタログで確認してみてください。
giantに賛否両論は宿命!見極めるのは自分
今回は、giantのクロスバイクの評判について検証してみました。
賛否両論があるのは有名メーカーの宿命ですが、内容を吟味する必要があると強く感じました。
悪い評判だとしてもその中には的を得ていることもありますので、しっかりと自分の目で判断することが重要です。