「型落ち」というと何かマイナスなイメージがありそうですが、れっきとした新品で「旧モデル」のことです。
現行の一世代前のもので、モデルチェンジの時に在庫処分などと謳い、価格を下げて販売されることが多いです。
クロスバイクなどは、毎年のようにモデルチェンジされますが、中身はそう変わりません。
業界最大手のgiantも世界最大の販売台数を誇るからこそ型落ちも多くなるようですが、実情を検証してみましょう。
自転車メーカーがモデルチェンジを頻繁に行うのはなぜ?
そもそも飛躍的な技術革新が毎年起こるわけではありませんので、モデルチェンジはカラーバリエーションだったり、一部のパーツの交換であることが多いです。
もちろん、ガラッと仕様が変わるようなモデルチェンジもありますが、そういった場合は大々的に発表されますので、すぐに分かります。
特にクロスバイクはロードバイクほど高い技術を必要としませんので、大掛かりなモデルチェンジもそう多くはありません。
となると、なぜメーカーは毎年のようにモデルチェンジをするのでしょうか?
今回のテーマであるgiantも含めて、メーカーが明確に答えてくれるわけもないので真偽は分かりません。
したがって、あくまでも推測ですが、価格を変更したいということが考えられます。
常識的に考えて、何もないのに5万円のクロスバイクを、明日から突然6万円で販売するわけにはいきませんよね。
そこで、ちょっとだけ仕様を変えて、そのついでに価格も上げるということが垣間見えたりします。
また、モデルチェンジをすれば型落ちが発生するので、在庫処分が出来るという理由もありそうです。
クロスバイクが型落ちになる図式
giantはネット販売を行っていませんので、型落ち品であっても店頭で購入することになります。
型落ちになる前は最先端モデルだったわけですから、店舗も多くの在庫を抱えていたかもしれません。
店舗にとって製品のリニューアルは、決してメリットばかりではありません。
旧モデルが在庫で残っていても、ニューモデルを仕入れないわけにはいきませんので、型落ちになることを覚悟しなればなりません。
いくら「少しパーツが変わっただけで性能は変わってませんよ」と言われても、もし価格が同じなら旧モデルに目を向ける人は少ないでしょう。
筆者はコンビニでアルバイト経験がありますが、雑誌は最新号が発売される前に返品が出来ます。(今は分かりませんが昔は可能でした…)
しかし、自転車はそうはいきませんし、クロスバイクなどはかさばりますからそう多くの在庫もしておけません
そこで型落ちとなった旧モデルは、泣く泣く在庫処分で値下げ販売せざる得ないわけです。
giantの型落ちクロスバイク購入時の注意点
ここまでは販売店側の立場でクロスバイクの型落ちについて考えましたが、購入するユーザー側からはどうでしょうか?
先述したように、色や一部のパーツの違いだけで性能に問題がないのであれば、安く購入できることに越したことはありません。
ただし、型落ちはお店に在庫されていた製品であることを忘れてはいけません。
特にgiantほどの販売台数を誇るメーカーの製品は、販売店も多く在庫をしているでしょうからね。
悪い表現ではありますが、型落ちはいわゆる「売れ残り」です。
したがって、まずは自分に合うサイズがあるかどうかが大きな問題になります。
スポーツバイクは乗車ポジションが非常に大切で、無理な姿勢で乗っていると体を痛める原因になります。
クロスバイクはレース機材としての側面もあるロードバイクに比べれば、シビアなポジションは要求されません。
そのため、サイズの融通が多少は利きますが、それでも合っていないサイズは推奨できません。
また、サイズが合ったとしても、その自転車がどんな状態で保管されていたのかも気になります。
倉庫に手つかずで置かれていたくらいならまだ良いですが、店頭に展示されていたサンプル的存在だったとすれば、誰が触ったのかも分かりません。
また、試乗車だった可能性も捨てきれませんので、価格が下がっているということはそれなりにデメリットもあるということです。
giantでも人気のクロスバイクは型落ちになりずらい
型落ち自転車を狙うデメリットは、まだ考えられます。
もし店舗に在庫していたものがそのまま型落ちになったとすれば、よほどの傷モノでも無い限り、不人気機種である可能性が高いです。
ニューモデルが発表される前にはメーカーは当然旧モデルの生産を控えますので、それでも残ってしまっているのですから、不人気と考るのが自然です。
さらには、その機種自体は人気でも、特定のボディーカラーだけが不人気という可能性もあります。
クロスバイクも含めスポーツバイクは嗜好品の側面もありますから、気に入らない色だとすぐに所有欲が落ちてしまうことがあります。
そうなると、せっかく購入したクロスバイクを早々と手放すはめになり、型落ちまで待った意味が無くなります。
「とにかく走れば何でも構わない」というのなら、型落ちを狙うのも悪くありません。
しかし、意中の機種があるのなら型落ちは期待しない方が良いかもしれません。
例えばgiantの不動の1番人気【ESCAPE R3】などは、まず型落ちになることは皆無でしょうから、買いたい時に買うのが最善です。
クロスバイクで型落ちが出る時期はいつごろか?
クロスバイクは各メーカー共に、前年の6~7月ごろに次年度のニューモデルを発表します。
2018年モデルは、2017年の6~7月に発表されたものとなります。
そのあと、順次発表されていき、10月付近から実際に販売が開始されます。
ということは、10月には旧モデルが完全に型落ちになるので、メーカーや販売店はその前に在庫を売り切ってしまいたいわけです。
したがって、最も価格が下がる可能性が高いのは、ニューモデル販売開始直前の8~9月になります。
先述しましたが、その頃には人気モデルの在庫はほとんど無いですから、お目当ての機種を購入できるとは限りません。
しかし、とりあえずgiantのクロスバイクなら機種は問わないというのであれば、この時期が狙い目となります。
ただし、販売店での在庫状況やメーカーの方針で、型落ちが全く出ない年や時期もあります。
また、メーカーによってはニューモデルの発表が遅いところもあるので、必ずしも8~9月に大きな値引きがあるとは限りません。
giantのような海外メーカーは型落ち以外でも価格の変動がある
型落ちのクロスバイクを狙うのは、購入テクニックの一つとして否定できるものではありません。
クロスバイクは安いと言われますが、giantのように名の通ったメーカーであれば最低でも5万円(定価)はします。
5万円は普通のお父さん・お母さんの金銭感覚なら、「大金」の部類ではないでしょうか?
ですから、1円でも安く購入する手段があるのなら、やってみる価値はあります。
また、giantは台湾のメーカーですし、日本国内で人気のあるクロスバイクはほぼ外国製ですから、基本的には輸入品です。
輸入品ということは、為替ルートの変動によって価格が変わります。
現在(2018年3月)は、2017年に比べ円高傾向にありますので、このままニューモデルの発表時期を迎えれば、日本での販売価格は下がります。
分かりやすくご説明しますと、昨年は1ドル=110円、今年が1ドル=100円とします。(実際には違いますがあくまで分かりやすい例として)
例えば、メーカから100ドルで販売してくれという指示が来たとしたら、日本での販売価格は、昨年なら11,000円、今年は10,000円ということになります。
為替は世界情勢などで動くものですから予測はつきませんが、型落ちが無いとしてもこのくらいの価格変動は毎年あるということです。
もちろん円安になれば価格は上がりますから、多少ですが運に左右される部分もありますね。
型落ち品だからといって即決するのはどうか?
今回はクロスバイクの型落ちについて考えてみました。
型落ち品は、ニューモデルが色や一部パーツのリニューアルであれば、性能が大きく落ちない上での値下がりなので、お得感はあります。
ただし、サイズや色などの制限がありますし、そもそも人気機種は型落ちになることが極めて少ないので、意中の機種を手に入れられるとは限りません。
型落ち品は、こういったことも踏まえて購入すると考えてください。