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ミドルグレードのベストセラー!PINARELLO「FP QUATTRO」回顧

2018.11.25

PINARELLO(ピナレロ)は創業して60年以上の歴史がありますので、時代時代にラインナップを彩る名作が存在します。

今回ご紹介する「FP QUATTRO(エフピー クアトロ)」もそんな名作の一台であり、多くのアマチュアユーザーを獲得したFPシリーズの最終形態となりました。

今もその名残りであるモデルが存在しますので、併せてご紹介していきます。

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PINARELLO「FP QUATTRO」が誕生するまでの経緯

PINARELLOは新陳代謝が激しく、1つのモデルの期限が短いといいますか、次々に新しいモデルが登場します。

そのため、FPシリーズも2013年をもって全てが廃盤となり、名前自体は残っていません。

しかし、そんなサイクルの早いPINARELLOの中でも、FPシリーズは長らくミドル~エントリーグレードを支えた存在であり、高級なイメージが強いブランドに、新たなユーザー層を広げた貴重な存在でした。

特に「PRINCE Carbon(プリンスカーボン)」の流れを汲んだ「FP3」は、当時ガチガチに硬いフレームが多かったPINARELLOにおいて、標準弾性の素材を使用し、衝撃吸収性と抜群の扱いやすさで人気を博したモデルでした。

そして、そのFP3に左右非対称の「アシンメトリックデザイン」を加えたのが、「QUATTRO Carbon(クワトロカーボン)」です。

当時はまだトップグレードにしか導入されていなかったアシンメトリックデザインを、ミドルグレードに導入したはしり的な存在です。

そして、翌2012年にQUATTRO Carbonは早くもモデルチェンジし、上位グレードの「PARIS(パリ) 50-1.5」の技術を受け継いだ「FP QUATTRO」になります。

PINARELLO「FP QUATTRO」はアマチュアレーサーに向けられたモデル

「FP QUATTRO」はPRINCEの流れを汲んだFP3から、アシンメトリックデザインを導入したQUATTRO Carbonへと派生しました。

さらに、上位グレードPARISの技術も受け継ぐという、当時のPINARELLOの歴史そのものだったと言っても過言ではありません。

やはり何と言っても大きな特徴は、アマチュアサイクリストに向けられたレーシングモデルであったということです。

今と同様に世界のビッグレースで輝かしい成績を残していたPINARELLOにとって、アマチュアユーザー層の裾野を広げるという課題は大きいものだったはずです。

当時のFP QUATTROには、「アマチュアサイクリストにトップアスリートの求める剛性はいらない」というコンセプトがあったと聞きます。

そこでカーボン素材はFP3から続く標準弾性のものを継続し、アシンメトリックデザインによって、必要なところのみに剛性を持たせています。

そして、それ以外は硬くせずなるべくしなやかにして、扱いやすさやマイルドな乗り心地が追求されています。

PINARELLO「FP QUATTRO」はハンドリングの安定性も抜群だった

PINARELLOのFP QUATTROには、今も受け継がれている「ピナレロ・ハンドリング」の思想を持った仕様にもなっていました。

ヘッド部の下側のベアリングが上側よりも大口径化され、上下の径が異なる「テーパーヘッド」となりました。

これによって剛性が高まり、ハンドルの操作性も安定感を増すので、コーナーなどで横滑りしたりせず、狙ったところに車体をもって行けるようになります。

これがピナレロ・ハンドリングの考え方でもあり、多くのロードバイクがエアロ化した現在も、ハンドルの安定性には変わらず力を注いでいます。

また、上位モデルPARIS同様に、ケーブルがチューブに内蔵されるルーティンになったのも、ハンドルさばきの軽さに大きく関係しています。

そして、忘れてはいけないのが、PINARELLOの象徴である「ONDA」フォークの存在です。

「PRINCE SL」から続く複雑かつ繊細なデザインのフォークは、異次元の衝撃吸収性と操作性の高さで、ハンドリングを助けてくれる存在となっています。

現在の新しいONDAフォークは少し地味なデザインになりましたので、このFP QUATTROのフォークは今でもデザイン性が高く評価されています。

FP QUATTROの中古品はあるか?

ここまで、PINARELLOのFP QUATTROを振り返ってきましたが、伝統のレーシングモデルを継承しながら、アマチュアサイクリストも意識した仕様で、多くのユーザーを獲得したモデルでした。

それだけに今まだ手に入るとすれば、筆者個人的にはおすすめしたいと考えています。

FP QUATTROは2013年で廃盤になりましたので、手に入るのは中古品ということになります。

そこで、ネット通販の状況を確認してみましたが、残念ながら2018年10月時点の情報では、調べた限りのものが全て在庫切れとなっていました。

その中の一店舗に直接問い合わせてみたところ、FP QUATTROは今でもかなりの人気で、出品した途端に買い手が付くことも珍しくないとのことです。

中古品なので状態を見ないことには何とも言えませんが、もし発見した場合には一考の価値が十分にあると思いますので、検討してみてください。

FP QUATTROの後継機「MARVEL(マーベル)」

前項でもお伝えしましたが、PINARELLOのFP QUATTROは2013年モデルを最後に廃盤となりましたが、その後継機が翌2014年にデビューをした「MARVEL 30.12 THINK2」です。

カーボン素材はもそのまま標準弾性のものが採用され、チューブの造形もFP QUATTROから受け継ぎましたが、全く新しい金型が採用され、所どころに進化の跡がうかがえます。

大きな変化はONDAフォークの形状で、曲げ加工がより複雑でシャープになり、空力性能が向上しています。

また、ケーブルの内装方式が、受けを交換するだけで電動式、機械式どちらにも対応できる「THINK2」になりました。

これも、ミドルグレードのフレームとしては贅沢な仕様で、将来のコンポのグレードアップを見据えると、とてもありがたい機能です。

当時のインプレ情報を確認してみると、「最初の一台におすすめ」、「ロングライドに使用したい」など、FP QUATTROのコンセプトを確実に引き継いでいると思わせる評価が目立ち、正当な後継機であったと判断してよいでしょう。

FP QUATTROの遺伝子を持つ現役モデル

前項でお伝えしたFP QUATTROの後継機であるMARVELも、今はもうラインナップされておらず、「RAZHA(ラザ)」が継承モデルとして残っています。

RAZHAは2014年のデビューですが、翌2015年にMARVELの金型を使用し、素材やパーツを調整したMARVELのセカンドグレードの位置付けになります。

そこから2019モデルまでほぼ同じ形状で展開されている、ロングセラーモデルです。

また、現在のPINARELLOは「DOGMA(ドグマ)」を始めほとんどの機種が、FP QUATTROやMARVELの時代の面影のないモデルとなりましたので、RAZHAが余計にクローズアップされています。

RAZHAは現在のラインナップでは、カーボンフレームのエントリーグレードの位置付けであり、最も価格が安いモデルです。

しかし、ONDAやアシンメトリックデザインに、MARVEL譲りのTHINK2も採用されており、確実に2010年代前半のモデルを継承しています。

もし、今回の記事でFP QUATTROやMARVELに興味を持って頂けた方は、ぜひRAZHAを検討してみてください。

どこまでもその遺伝子を残したい!

今回は、PINARELLOのFP QUATTROをご紹介しました。

ミドルグレードのベストセラーとして、今もその遺伝子を残すように、PINARELLOの歴史の中でもかなり貴重な存在であったことは間違いありません。

中古品の人気の高さや、後継機がロングセラーになっていることもその証明であり、長く歴史に名を残すことになるでしょう。

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