アンカーを代表するレースモデルRS9はブログでどう評価?

ブリヂストン・アンカーのフラッグシップモデルと言えば、レースモデルのハイエンドグレード「RS9」になります。

プロチームにも供給されている機体であり、2020年の東京オリンピックを走る可能性もあります。

今回は全日本選手権も制したRS9を、実際に購入したブログなども参考にしながら確認していきます。

アンカー・RS9のブログには「快適」という言葉が目立つ

アンカーは「ブリヂストンサイクル」の競技自転車用ブランドで、1999年にリリースされました。

ブランド自体はまだ歴史は浅いですが、ブリヂストンは1964年東京オリンピックの年に自転車競技部を発足していますので、半世紀以上レーシングブランドとして歩んできた実績があります。

アンカーは日本屈指のプロサイクリングチーム、「チーム・ブリヂストンサイクル」の機材担当という側面もあり、RS9はチームのエースロードバイクです。

詳しいスペックなどは後述しますが、販売店の製品紹介のブログにはとにかく「快適性」が強調されています。

プロがレースで使用するフラッグシップモデルは、反応性や巡航性に優れ、ハンドリングは切れ味鋭くピーキーで、強烈にレーシーなイメージが大方です。

そのため、犠牲になることも多い快適性はあまり強調されない部分でした。

しかし、最近の風潮として、プロも乗り心地を求めると言われており、アンカーではありませんが、あまりにも硬いフレームがチームに拒否され、シーズン前に急きょフレームの構成を見直したなどというエピソードもあります。

アンカーはその快適性の部分もRS9でいち早く具現化をしており、レースモデルに扱いやすさも加味しているのです。

アンカー・RS9は従来よりも高弾性の素材を使用している

アンカーは「日本人のためのもの作り」がメインコンセプトなので、ロードバイクも全体的に日本人の体力や脚力に合わせ、弾性が低めのカーボン素材を使用しています。

しかし、RS9はこれまでのフレームに比べ、約1.5倍の弾性率のカーボンを使用しており、簡単に言うと従来よりも硬めのフレームになりました。

カーボンは弾性率を上げると軽くなるという特性があるので、軽量化が図れるというメリットもあります。

したがって、RS9はレースに有利な重量と、よりプロレーサーが満足する剛性を確保したフレームになりました。

乗り心地がマイルドで、ペダルを漕いでも反発するのではなく、むしろ後押ししてくれるようなフレームが、ブログなどでは快適性が高いと表現されます。

そのため、快適性重視のフレームは、弾性率を下げ適度なしなやかさのある素材を使用します。

しかし、上記のように、カーボンの特性からして弾性率を下げれば重量が嵩みますし、しなやかになる分プロが必要とする高い剛性は確保しにくくなります。

いわゆる、これは両立が非常に難しい部分であり、それを高弾性の素材で実現しているのが、アンカーの凄いところです。

ブログが伝えるアンカー・RS9の凄さ~抜群の推進力

アンカー・RS9の快適性がどこから来ているのかというのは、多くのブログでも指摘されていますが、ロスが少なくスムーズに進んでくれる感覚です。

RS9は、ブリヂストン本社との共同開発で生まれた解析技術「PROFORMAT(プロフォーマット)」により、推進力(前に進む力)を最大化することに成功しました。

具体的には、BB(ボトムブラケット)の位置変化が後輪の微妙なズレを生み、パワーロスをすることによって進みが悪くなるとし、このズレを最小限に抑える方策を講じています。

サドルを中心とした前側はBBの位置変化(フレ)に直接関係する部分のため、剛性を高めてフレを最小限に収めます。

そして、後ろ側は剛性が高いと伝達率が上がり後輪にフレが直接伝ってしまうので、適度なしなりを持たせ、フレを吸収する仕様にしています。

また、後ろ側は乗り心地を左右する部分であり、ここに適度なしなりを持たせることは、地面からの突き上げや振動を減衰し衝撃も吸収するので、快適な乗り心地にも繋がります。

そのため、RS9はよく進むフレームでありながら乗り心地も悪くないのは、このプロフォーマットの技術によるところが大きいのです。

ブログが伝えるアンカー・RS9の凄さ②ハンドリングの安定感

前項では、アンカー・RS9の「進む(推進力)」という部分にスポットを当てましたが、試乗をしたライダーも、実際に購入しているオーナーさんも、ここを高評価しているのがブログのインプレ評価からも感じ取れます。

多くの方が「走りの軽さ」という言葉を使っており、スムーズに加速してくれるので、脚に疲れが来にくいと記されていることが多いです。

フレーム重量は他メーカーのフラッグシップと比較しても、取り立てて軽量というわけではないので、正にこれがプロフォーマットの恩恵というところでしょう。

また、レースモデルということで、コーナーでのハンドルさばきに言及しているブログも多くあります。

ここでは、ハンドルのピーキーさが抑えられており、安定感があるので自分の狙ったところに車体を持っていけるという評価です。

これは、ヘッドチューブとフォークコラムの付け根を、一体化させていることが大きな要因です。

一体化することで剛性が高まり、さらに乱気流の発生を防げるので、安定感が生まれるということになります。

アンカー・RS9のスペック

ここでアンカー・RS9のスペックをご紹介します。

フレームセットと、完成車2機種が用意されていますので、一覧にまとめます。

【RS9 フレームセット】

価格(税込):¥378,000

重量:1350g(490サイズ)

何と言ってもプロが使用する機体がこの価格であるというのが驚きで、多くのブログでお得という判断がされているのも納得です。

【RS9(完成車)】

価格(税込):¥842,400

重量(ペダルなし):6.8㎏

メインコンポ:シマノ・デュラエース

ホイール:FULCRUM(フルクラム)・レーシング・ゼロ

パーツセレクトのサービスで、電動変速「Di2」にも換装が可能です。

フルクラムの「レーシング・ゼロ」は、アルミクリンチャー最速ホイールという評価もある程で、「進む」フレームをさらに後押ししてくれる存在です。

【RS9 ELITE】

価格(税込):¥567,000

重量(ペダルなし):7.2㎏

メインコンポ:シマノ・アルテグラ

ホイール:シマノ・WH-RS100

アルテグラは申し分ないですが、ホイールはさすがにグレードアップを考えたいレベルです。

アンカーにはRS9に準ずるモデルもある

ここまで、アンカー・RS9を確認してきましたが、フレームの特性や完成車の付属パーツからすると、用途のメインはレースとなるでしょう。

そのため、レース志向の薄い方にとっては最適な選択ではないので、別の機種も視野に入れて頂くことになります。

RSシリーズには、フレームに標準的な弾性率のカーボンを使用した「RS8」と、アルミフレームの「RS6」があります。

RS8は適度なしなやかさと耐久性の高さではRS9に優りますので、レースの練習や普段使いに最適なモデルです。

また、RS8は平日は通勤に使用し、週末は趣味のツーリング、たまにレースにも参加するという使い方がブログで紹介されており、オールラウンダーとしての顔もあります。

また、アルミのRS6は反応性が高いので、アルミらしいシャキッとした、小気味のよい乗り味が特徴です。

いずれも、RS9の思想や技術を受け継いでいますので根はレーシーですが、味付けを変えることでアマチュアライダーへ向けられているモデルなので、ロードバイク最初の一台としても選んで頂けます。

総合力で勝負!

今回は、アンカーのRS9をご紹介しました。

従来より硬めの素材を使用し、推進力重視のもの作りをしながら、快適性まで高めていくという難しい課題をしっかりこなしている総合力は、さすがアンカーというところです。

特にフレームセットは多くの方がお得な価格と認めるところですから、一考の価値ありです。