商品に「激安」という言葉が付いていると気になるのが人情というものですね。
ロードバイクなどは元値が高いので余計にこの言葉に心動かされそうですが、果たしてメリダはどうなのでしょうか?
今回はメリダのロードバイクの価格の現状を確認してみます。
ロードバイクにおける「激安」の考え方
「激安」の言葉の意味を調べてみると、「値段が通常価格に比べ著しく安い」とあります。
ロードバイクは基本的に定価販売なので、定価に比べて著しく安いことを激安と判断してよいかと思います。
また、通常価格をロードバイク全体の相場と考えた場合、複数のメーカーのものを比較して、同じようなグレードの中で著しく安い機種があれば、それも激安と呼んでよいでしょう。
そこで今回は、定価から何割引きかされているいわゆる「セール品」のお話しと、「メリダのロードバイクが相場に比べてどうなのか?」という二段構えでお話しします。
メリダは世界の中でコスパが高いイメージが定着している、台湾メーカーの一つです。
台湾メーカーは昔から欧米メーカーのOEM(相手先ブランド名製造)を行っており、そこから技術や販売戦略を学んできました。
さらに、国全体に安い経費で製造することができる体制が整っていますので、おのずとコスパの高い製品が多くなります。
そこで、まず次項では、メリダのロードバイクについて相場価格との比較をしてみましょう。
プロレースモデルも販売!「激安品」はまず無い
ロードバイクはロードレースの機材である側面が強く、メリダもツール・ド・フランスなど世界最高峰の舞台で戦うチームにも機材を提供しています。
ロードレースで使用する機材は原則として市販されているものというルールがありますので、プロが使用するものも市販されます。
これは自動車レースであればF1カーが市販されているようなもので、それもロードバイクの一つの醍醐味と言われています。
プロ仕様のものは100万円前後になることがほとんどで、メリダも2019年のプロチームモデルは、130~140万円になります。
しかし、このチーム仕様はそこまで価格に差が付くわけではありませんので、メーカー全体の価格を測る指標にはなりません。
まして、最高モデルの相場から10万円、20万円安いと言っても、それを激安とアピールすることはまずないでしょう。
そうなると、もう少し手が届きやすい現実的な価格帯の機種で比較をしなくてはなりません。
メリダのロードバイクは市場の相場から見て激安なのか?
例えばフルカーボンフレームで、コンポにシマノ・105を装備するレースモデルのロードバイクは、税抜き22万円前後が相場というところです。
メリダでは「SCULTURA (スクルトゥーラ)4000」が該当しますが、約20万円になりますので、激安とまでは言えませんが、相場よりは安いと言えるでしょう。
他のメーカーの物も参考に確認すると、メリダと同じ台湾メーカーのジャイアントの「TCR ADVANCED 2」 が約20万円、ジャイアント、メリダに次ぐ販売台数を誇るアメリカメーカートレックの「Émonda SL 5」が約22万円です。
同じ価格帯ではありますが、上記機種は105のフルコンポです。
一方スクルトゥーラ4000は、クランクがダウングレード品の分、コストがその部分だけ下がっています。
したがって、上記3機種の比較では、ジャイアントが「激安」、トレックが「平均」、メリダが「やや安い」という判断でよいかと思います。
フレームの素材や加工技術はメーカーの企業秘密の部分もあり、本当のところは不明なので、あくまでも価格だけを比較した判断ということをご理解頂きたいと思います。
メリダのおすすめ「激安」ロードバイク~カーボンフレーム
それではここで、メリダのロードバイクの中で、筆者が激安と考えている機種をいくつかご紹介します。
【REACTO(リアクト) 4000】
参考価格:¥249,000(税抜き)
エアロロードのカテゴリーになるリアクトのカーボンフレーム車では、最廉価モデルになります。
最廉価モデルとは言え、フレームのグレードはプロ仕様に準ずるセカンドグレードですし、2019モデルはシマノ・新105が付属しますので、十分にコスパが高いと判断できます。
今やエアロロードは一つのカテゴリーを超えて、中心的な存在として扱うメーカーも多く、メリダもその一つです。
しかも、メリダがスポンサーを務めるワールドチーム「バーレーン・メリダ」が、実際にレースで使用するボディカラーのモデルもありますので、付加価値も考えれば十分に激安と言えます。
メリダのおすすめ「激安」ロードバイク~アルミフレーム
前項に引き続き、筆者が激安と考えるメリダのロードバイクをご紹介します。
【SCULTURA(スクルトゥーラ) 100】
参考価格:¥99,900(税抜き)
総合レーシングバイクの位置づけである、スクルトゥーラの最廉価モデルです。
こちらはアルミフレーム車ですが、約20万円の最上位モデル「700」とほぼ同じフレームを使用していると言われています。
先ほども触れましたように、フレームは企業秘密のところがあるのですが、少なくとも筆者が知る範囲の情報では、ほぼ同じものに見えます。
上位モデルとは付属パーツのグレードが段違いですが、完成車のパーツは遅かれ早かれ交換するものなので、最初に判断するべきはフレームです。
その意味で、上位グレードとほぼ同じフレームだとするならば、激安と呼ぶにふさわしいモデルということになります。
ロードバイクには激安価格になる時期がある
冒頭でもお伝えしましたが、媒体などに「激安」という言葉が躍るのは、セール品ということになります。
メリダのロードバイクでも、ネットなどで検索をするといくつかのセール品がヒットします。
ロードバイクのセール品は「期間限定」などと謳われることがあるように、1年間でも特定の時期に活発になる事情があります。
特に次年度モデルが発表された後にその傾向が強まり、現役モデルが在庫処分としてセール品になります。
これを俗に「型落ち」と呼んで、次年度モデルが店頭に並び始める9月を目処に在庫処分に掛かります。
型落ちは店内の展示品であったり、小さな傷や落ちない汚れが付着したワケありのアウトレット品であったりしますが、れっきとした未使用の新品です。
販売店は基本的に仕入れた製品は全て買い取りであり、展示用であってもメーカーがレンタルをしてくれるわけではなく、買い取ったものを使用しています。
また、傷がついたからといってメーカーが返品を受けつけてくれるわけでもないので、何とか売る必要があります。
割引率は個店の事情によって違うので相場を出すのは難しいですが、15%~20%なら「お得感もあるかな」というところです。
なお、型落ちはあまり詳細な情報を載せてしまうと殺到してしまうのか、ネットなどに詳細な情報は出てきません。
そのため、実際には店舗に行くか、個別にメールでのやり取りなどで情報を確認する必要がありますので、ニューモデルが発表される6~7月にアンテナを張っておくのも一つの手です。
コスパも含めて激安かどうか判断しよう
今回は、メリダのロードバイクを価格という観点から確認してきました。
相場との比較では全体的には激安とまでは言えませんが、コストパフォーマンスを考慮すれば激安と判断できるモデルも十分にあります。
また、1円でも安く購入できるチャンスがあるということでは、型落ちなどのセール品を狙う手も十分にあります。