メリダのロードバイク「スクルトゥーラ」は、近年連続してツール・ド・フランスを走っている機体です。
そのプロチーム仕様のコンセプトを受け継いでいるモデルが、今回ご紹介するスクルトゥーラ400です。
アルミフレームということもあり比較的格安に手に入るのですが、気になるインプレ評価なども交えてご紹介していきます。
メリダ・スクルトゥーラはツール・ド・フランスを走る!
ロードバイクで世界的に高い評価を受けるメーカ―は、レースに強いメーカーです。
それも世界最高峰の「UCIワールドツアー」において成績を上げると、評価も自然に高くなります。
ただし、UCIワールドツアーのレースに参戦できる選手は限られており、中でも世界に18チームしかない「ワールドチーム」に機材を提供するのが、メーカーにとって最高の栄誉です。
メリダも2013年に初めてワールドチームのスポンサーとなり、機材を提供しました。
それまでロードバイクはMTBに比べると後発で目立つ存在ではありませんでしたが、ワールドツアーへの参戦により徐々に知名度を上げていきます。
そして、メリダにとってスポンサー2チーム目となった「バーレーン・メリダ」が、2018年ツール・ド・フランス(以下ツールと表記)でチーム総合第2位に食い込む大躍進を見せます。
ワールドツアーの中でも断然の知名度を誇るツールでの好成績は、何よりもそのメーカーの評価を上げるに違いなく、メリダの今後が非常に楽しみな状況です。
そのバーレーン・メリダのエースバイクがスクルトゥーラであり、ワールドツアー参戦以来、一度も途切れることなくツールを走ってきました。
今回の主役はアルミフレームのスクルトゥーラ400ですが、ネットのインプレ情報の多さを見るとかなりの人気機種であることが伺えます。
メリダ・スクルトゥーラに目立つインプレ評価
それでは、まずスクルトゥーラ全体の特徴からお話ししていきます。
スクルトゥーラは平坦コースはもちろんのこと、最も得意な分野であるヒルクライム、タイムトライアルや短距離ステージ、そして近年は石畳のレースにも参戦する、オールラウンダーのレースモデルです。
2018年にはカーボンフレーム車8機種、アルミフレーム車6機種がラインナップされており、メリダのロードバイクでは一番のシェアを誇ります。
同じカーボンでも素材やコンセプトの違い、またカーボンとアルミの味付けの違いもあり、インプレ評価も実に様々なものになります。
レースモデルのため、鋭い反応力や少々神経質な挙動も伝えられますが、シリーズ全体に目立つインプレ評価は「快適性」です。
乗り心地のよさという意味の快適性ではなく、スムーズな加速やスピードの維持、スピードに乗ってからの安定感というもので、走りが心地よいという意味の快適性と考えてください。
実際に筆者もいくつかのモデルに試乗経験がありますが、乗り心地がよいとまでは言えず、特にアルミのスクルトゥーラ400はそれなりに路面の情報は伝わってきます。
それでもストレスを感じること無く走れるのは、走りの快適性によることだろうと思われます。
スクルトゥーラ400のインプレ情報に見る「快適性」を生み出すもの
それではここから、スクルトゥーラ400について詳しくお話しします。
2018年モデルの価格は150,120円、ミドルレンジの50サイズで8.9㎏です。
フレームのアルミ素材は、薄く引き伸ばしても強度が落ちない「6066」系、それをさらに1本のチューブ内でも厚さを変える「トリプルバテッド」という技術で成形しています。
それにより強度が必要な溶接部分などは厚く、その他を薄く作ることで、剛性が高くなりすぎず、軽量なフレームに仕上げています。
この点が、多くのインプレ情報で高評価であった、走りの快適性に繋がっているのでしょう。
また、翼断面の後ろの端をカットしたような独自のカムテール形状、「NACA FASTBACK」を様々なチューブに採用し、空力性能を高めています。
さらに、ヘッドチューブやヘッドパーツが大口径のため、ハンドリングの安定性が高いのもスクルトゥーラの大きな特徴です。
そして、メリダのアルミフレームは見た目にもこだわっており、チューブ同志の溶接痕はほとんど目立ちませんし、表面加工の美しさはカーボンにも引けを取りません。
実際にメリダのアルミフレームに対するインプレ情報でも、見た目に関しての高評価も目立ちます。
メリダ・スクルトゥーラ400付属パーツの評価
前項ではメリダ・スクルトゥーラ400のフレームについてお話ししましたが、ここでは付属パーツを確認します。
メインコンポはリア11速の「シマノ・105」で、変速系統はほぼ105で統一されています。
105はシマノのコンポの中ではミドルグレードですが、性能と価格のバランス、いわゆコスパではナンバーワンと評価する声が、インプレの情報に多いコンポです。
そのコンポをメインに据えているのですから、この価格帯の完成車としては高評価されてもおかしくありません。
しかし、インプレの情報では厳しい評価も散見され、賛否両論が入り混じっています。
それはクランクとブレーキが105のものではなく、グレードダウンしているからに他なりません。
特にクランクとブレーキは、シマノの中でも105とそれ以下のグレードに大きな境界線があると言われており、肝心な部分なんですね。
否定派の方は、そこがグレードダウンしていることに対して厳しい評価をしているわけです。
どこまで性能が落ちるのかは、実際に長く使用した上で比較しないと分かりませんが、特にブレーキに関しては、筆者も試乗時に「制動力にやや不安が…」と担当者の方に伝えた覚えがあります。
今のアルミフレームは性能が高くスピードも出ますから、ブレーキに妥協をしてはいけないので、交換も視野に入れる必要があるかもしれません。
その他のパーツに関しては、クランクもスケールダウンはしていますが価格相応の評価であり、必要十分といったところです。
メリダ・スクルトゥーラ400のインプレ評価
ここからは、実際のユーザーさんの使用感や、筆者の試乗経験なども含めて、メリダ・スクルトゥーラ400のインプレ評価をまとめてみましょう。
冒頭で快適性のお話をしましたが、やはりそれに通じるものが多くなっています。
ペダルを踏んだ力がロスなく車輪に伝わる仕様なので、反応がよく、漕いだら漕いだだけ前に進んでいくという、推進力の高さが評価されています。
これは筆者も試乗で感じたことでですが、車体もホイールも若干ヘビー級なので、漕ぎ出しに力は要します。
しかし、スピードに乗ると車体が自分から安定してくれるので、ペダリングを助けてくれる感覚があり、スピードの維持が容易になります。
巡航性が高いということになるので、これなら長距離にも十分対応できるはずです。
メリダ・スクルトゥーラ400のインプレ評価~続き
引き続きここでも、メリダ・スクルトゥーラ400のインプレ評価をまとめます。
これも多くの方が指摘していますが、坂での挙動に関しては特筆ものです。
普通程度の傾斜であればシッティングでもスイスイ登っていきますし、斜度がきつくなってもいきなりもたついて重くなるような感覚はなく、ダンシング(立ち漕ぎ)もしやすいので、本当に上りに強いというインプレの通りです。
そして、下りですが、上記通りスピードアップ時の安定感がありますので、軽量レースモデルにありがちな、身体が勝手に前に出されるような恐怖感がないのも嬉しいところです。
あとは、ハンドル操作の安定感を評価する声も多く、山道のコーナリングなどでは車体操作が楽にできるのが有利ですね。
全体的な評価としては快適で扱いやすいということになり、レースモデルではありますがツーリングや通勤などの普段使いまで対応してくれる、正にオールラウンダーです。
アルミでも快適に走れる!
今回は、メリダのスクルトゥーラ400についてお話ししました。
走りの快適性はこの価格帯のアルミフレーム車としては特筆レベルで、長い時間、距離を乗っていたいバイクです。
あと少し予算に余裕があるようなら、ホイールを軽量で高性能なものにすると走りの軽さも加わり、鬼に金棒状態になりますよ。