通勤や通学、フィットネスからサイクリングまで、1台で幅広くこなすことができるクロスバイクは、スポーツ自転車の入門に最適なジャンルと言えるでしょう。
今回取り上げるメリダのグランスピード80MDは、そんなクロスバイクの中でも、スポーティな走りが魅力の1台です。
今回は、このグランスピード80MDの特徴や、他のクロスバイクとの違いについて、詳しくご紹介します。
速さを目指した「メリダ グランスピード80MD」
台湾の自転車メーカーである、メリダが送り出す「メリダ グランスピード80MD」は、軽量なアルミフレームと振動吸収性が高いカーボン製のフロントフォークを装備した、上質なクロスバイクです。
クロスバイクには、スピードを重視したタイプと安定感を重視したタイプ、そして両者の中間を狙ったタイプと、主に3つの種類があるのですが、今回ご紹介するグランスピード80MDは、スピードを重視したクロスバイクです。
そんなグランスピード80MDは、一般的なクロスバイクと比べると、少し前傾が強めの乗車姿勢となります。
前傾を強めにすると空気抵抗が減るだけでなく、力強いペダリングができます。
そして、グランスピード80MDはフレームの「リアセンター」と呼ばれる部分が、クロスバイクとしてはやや短めです。
リアセンターとは、クランクの中心から後輪のハブ軸までの距離で、この距離が短いことで加速性能や旋回性能が高くなります。
「メリダ グランスピード80MD」はタフさも兼ね備えている
メリダの「グランスピード80MD」は、ただ速さを狙っただけのクロスバイクではなく、タフでもあるのが特徴です。
装着されている機械式のディスクブレーキは、クロスバイクで一般的なVブレーキや、ロードバイクのキャリパーブレーキよりも、雨の影響を受けにくくなっています。
サイクリングの途中で雨が降ってきてしまっても、ディスクブレーキであればブレーキ力が落ちて怖い目にあうことはありませんから、雨の多い日本ではとくにメリットがあるでしょう。
そして、タイヤは700×32C(約32mm幅)のものを装着しているのですが、これはスピード重視のクロスバイクとしてはやや太めのサイズです。
実は、スピードと安定感の両立を狙った、同じメリダのクロスバイク「クロスウェイ」シリーズよりも、一回り太いタイヤなのです。
少し太めのタイヤとすることで、路面の凹凸には強くなり、タイヤチューブの中に入る空気の量も増えるので、クッション性が高まり乗り心地が良くなります。
そのため、グランスピード80MDはスピードを出しやすい分、タフさや乗り心地の良さを狙って、このようなタイヤを選択しているようです。
実用性も高い「メリダ グランスピード80MD」
メリダの「グランスピード80MD」は、高い実用性も兼ね備えています。
例えば、泥除け(フェンダー)やキャリアを装着するための台座が備わっているのは、少々の雨なら自転車で出かけるという人にとってはありがたいことでしょう。
キャリアを取り付ければ荷物をたくさん載せることができますし、自分で背負うよりも体への負担が少なくなりますから、通勤や通学はもちろん、旅の相棒にもぴったりです。
また、グランスピード80MDは、シマノ製の24段変速コンポーネントを搭載しており、軽いギアからスピードが出るギアまで、幅広くカバーしています。
とくに、フロントギアが3段で軽いギアが備わっていることで、急な坂道もマイペースで進むことができる点は、普段使いやツーリングでは頼もしく感じることでしょう。
グランスピード80MDの価格は、73,900円(税別)となっていて、スペックを考えれば妥当な価格設定ではないでしょうか。
メリダのグランスピードの上位モデルもチェック
メリダには、グランスピード80MD以外に、その上位モデルも用意されていますのでチェックしてみましょう。
「グランスピード100D」は、グランスピード80MDと同様にアルミフレームとカーボンフォークを採用し、さらにはブレーキが油圧式ディスクとなっているのが大きな特徴です。
油圧式ディスクブレーキは、機械式ディスクブレーキよりも少ない力で微妙なコントロールができます。
グランスピード100Dの価格は79,900円(税別)で、グランスピード80MDとの価格差が小さいので迷ってしまうところでしょう。
そして、「グランスピード200D」は、メインコンポーネントがロードバイクでも使われるシマノ・ソラにアップグレードされています。
変速段数はフロント2段、リア9段の18段変速で、ギアのセッティングもロードバイクに近くなっています。
グランスピード200Dの価格は、94,900円(税別)となっています。
グランスピードの最上位モデルは1×11コンポ搭載
そして、究極のグランスピードと言えるのが、最上位モデルの「メリダ グランスピード300D」です。
アルミのフレームや、カーボンのフロントフォークは他のグランスピードと同じで、ブレーキも油圧式ディスクブレーキとなっていいますが、スポーク本数が少なくて軽量なホイールを採用しており、見た目もグッとかっこよくなっています。
そして、コンポーネントには「SRAM APEX 1」という、フロント1段、リア11段のものを採用しています。
トータルの変速段数は他のグランスピードと比べると少なくなっていますが、その分シンプルで扱いやすく、変速のスムーズさもピカイチです。
シリーズの中でもいちばんのスポーツ性能をもつグランスピード300Dを、メリダはクロスバイクではなく「フラットバーロードバイク」と称しています。
ジャンルとして、別物と捉える程にスポーツ性に特化したクロスバイクと言えるでしょう。
グランスピード300Dの価格は、117,900円(税別)と、グランスピード80MDと比べるとだいぶ高くなりますが、それだけの価値はあるものです。
オーソドックスなクロスウェイとスピード派のグランスピード
「メリダ グランスピード80MD」を検討する際に、同じメリダのラインナップで比較されるのが「クロスウェイ」でしょう。
グランスピードがスピード重視であるのに対して、クロスウェイはスピードと安定感のバランスを取ったオーソドックスなクロスバイクですから、そのキャラクターの違いをまずは頭に入れておきましょう。
乗車姿勢も、クロスウェイのほうがグランスピードよりも楽チンです。
クロスウェイの場合、安価な「クロスウェイ100-R」や、その小さいサイズである「クロスウェイ110-R」は、Vブレーキが採用されており、機械式ディスクブレーキのグランスピード80MDとは明確な差があります。
クロスウェイの最上位モデルである「クロスウェイ200-MD」は、グランスピード80MDと同じく、機械式ディスクブレーキを搭載しています。
しかし、クロスウェイ200-MDはスチール製フロントフォーク、グランスピード80MDはカーボンフォークという差があることも見逃せません。
価格の違いだけではなく、スペックの違いやコンセプトの違いを見極めて、自分に合うのはどちらかを検討しましょう。
スピード派にはズバリ「グランスピード80MD」がおすすめ
「メリダ グランスピード80MD」についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
グランスピード80MDは基本性能が高く、スピード感を味わうことができ、かつ実用性も備えていますから、都市部の自転車通勤では威力を発揮しますし、ロングツーリングにも使えます。
そんなグランスピード80MDの内容を知って「なんだか面白そう」と思ったら、ズバリ、買いです。