これからロードバイクに乗り始めようという人がまず最初に悩むのは、「どのメーカーにするか?」ということかと思います。
実に多くのメーカーがあり、メーカー毎に特徴もあるので何を決め手に選ぶのかがとても難しい状況です。
そこで今回は、特徴や用途別におすすめのメーカーをご紹介していきます。
ロードバイクメーカーの評価はレースでの成績に大きく左右される
ロードバイクはレースをするための自転車として開発されたものなので、今でも多くのメーカーが世界中のレースに参戦するチームに機材を提供しています。
その中でも最高峰なのが、ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアなどの大レースが含まれるUCIワールドツアーです。
そのため、まずはこのUCIワールドツアーで好成績を収めているメーカーから確認を始めてみると、ロードバイクの現在の立ち位置のようなものが見えてきます。
現在ロードバイクは世界的にブームであり、用途の広がりを見せていますので、レースの機材だけというイメージではなくなりつつあります。
しかし、依然としてそこにこだわるのがロードバイクの世界であり、レースで名声を上げたメーカーが一般市場でも優位に立つという図式は変わりません。
したがって、今回の記事でも、まずはレースで好成績を収めているメーカーからおすすめをしていきます。
おすすめのロードバイクメーカー①レースで他の追随を許さないメーカー編
それではUCIワールドツアーを中心に、世界のレースシーンで活躍するおすすめのメーカーをご紹介します。
【Pinarello(ピナレロ)】
有名なスポーツバイクメーカーの多いイタリアの中でも、現在のレースシーンでは一歩も二歩もリードする存在です。
2017年のツール・ド・フランスの総合優勝チーム「チーム・スカイ」に提供されており、中でもクリス・フルーム選手は個人総合3連覇を果たし、2017年はブエルタ・ア・エスパーニャとのダブルツールの年にもなりました。
この好成績が示す通りの高い技術はもちろんですが、スタイルが斬新なものも多く、見た目にも楽しい、所有欲を満たしてくれるメーカーでもあります。
全体的に少し値段は高いですが、存在感からすればそれも納得せざる得ないところです。
【SPECIALIZED(スペシャライズド) 】
2017年のツール・ド・フランスでステージ優勝最多の7勝と、圧倒的な存在感を示したのがアメリカのスペシャライズドです。
世界初の量産型MTBで一気に名声を高めたメーカーですが、近年はロードレースでの躍進によりロードバイクが主流になっています。
中でもパイオニアと言えるエアロロードの分野では他の追随を許さず、代表格の「VENGE(ヴェンジ)」は末恐ろしささえ感じるスピード能力を発揮しています。
手の出しやすい価格帯のものは少ないメーカーですが、最初から性能重視で選ぶのであれば視野に入れたいですね。
おすすめのロードバイクメーカー②レースでの活躍が目覚ましいメーカー編
前項に引き続き、世界のロードバイクレースで活躍が目覚ましいメーカーをご紹介します。
【TREK(トレック)】
ドーピングの発覚により取り消されたとはいえ、ツール・ド・フランス7連覇のアームストロングを支援。
また、近年ではオリンピックで金メダル2度、ツール・ド・フランスステージ8勝の英雄、ファビアン・カンチェラーラがトレックのバイクで大活躍しています。
アメリカのメーカーですが、日本にもとてもファンが多く、直営店や正規販売店の多さでは日本国内でもトップクラスです。
市場のラインナップは、世界最軽量を謳う「EMONDA(エモンダ)」、長距離向きのエンデュランスモデル「DOMANE (ドマーネ)」、そしてエアロロードの「MADONE(マドン)」が中心になります。
これらの中でフレーム素材やパーツでグレード分けがされており、予算に応じて選んでいくという明確さもトレックの人気の秘訣です。
【Canyon(キャニオン)】
2016年のツール・ド・フランスで総合優勝した、「チーム・モヴィスター」にバイクを提供したドイツのメーカーです。
日本では代理店が無くオンラインでの直販のみになりますので、アフターケアには気を使う必要があります。
ただし、その分で他メーカーの同グレードの製品に比べると数万円単位で価格が安く、コスパは最強クラスという評価なので、おすすめできます。
見た目よりも中身で勝負という「質実剛健」なドイツメーカーの気質でしょうか、非常にシンプルでオーソドックスなデザインが多いですが、それが抜群の安定感を感じさせてもくれます。
おすすめのロードバイクメーカー③アルミならここ!
現在のロードバイクはカーボンフレームが主流となっており、プロレースではほぼ独占状態です。
しかし、カーボンは生成技術の難しさや素材自体の繊細さなどから、どうしても高価になってしまうのが一般市場においてはデメリットにもなり得ます。
そのため、初心者の方や経験の浅い方向けのエントリーモデルでは、アルミが使用される事も多いので、一般市場ではカーボンに次ぐ需要があります。
そこでここでは、アルミフレームに強いメーカーをおすすめします。
【Cannondale (キャノンデール)】
アメリカではトレック、スペシャライズドと並ぶ3大メーカーの一つで、常に革新性を求め一歩先を見据えて進んでいるメーカーです。
レースシーンでクロモリ素材がメインだった時代にいち早くアルミに着目し、アルミメインの時代を作り上げた先駆者です。
現在は親会社も変わり、カーボンフレームでも2017年のツール・ド・フランスで自身の冠チームが7位入賞など実績も残していますが、アルミへのこだわりを捨ててはいません。
特に、カーボンキラーとまで言われる軽量アルミフレームの「CAAD」シリーズは、プロレーサーが普段使いの趣味で乗るバイクとしても人気があるほどです。
おすすめのロードバイクメーカー④イタリアンメーカー編
一番最初にご紹介しピナレロもそうですが、ロードバイクレースの歴史はイタリアのメーカーを抜きにして語るわけにはいかないです。
レースシーンでクロモリ素材がメインだった頃から積極的に機材を提供してきた証として、今でも上質なクロモリフレームを作るメーカーも多いです。
ここではそんなイタリアメーカーをまとめます。
【COLNAGO(コルナゴ)】
創設以来60年以上の歴史を持つメーカーで、レースの世界でも輝かしい成績を残してきています。
カーボンフレームをチューブ1本から自社工場で生産する、世界でも数少ない真のフレームビルダーです。
【DE ROSA(デローザ)】
シンボルマークにハートをあしらった、何とも言えないかわいさがあるメーカーです。
見た目の華やかさもありますが、レースにも強く1970年代にはエディ・メルクスにフレームを供給して名声を高めています。
非常に多くの車種があるのも人気の秘訣で、「ネオプリマート」に代表されるメタルフレームに強いメーカーでもあります。
【Bianchi(ビアンキ)】
象徴である鮮やかな碧色の「チェレステ」が映える人気のメーカーです。
創業が1885年となっており、現存する自転車メーカーでは世界最古と目されています。
ワールドツアーのチームにも機材を提供していますが、近年のロードバイクは10万円台前半のカーボンフレームや、30万円を切るエアロロードなど、コスパ重視になっている傾向もあります。
ビアンキも種類が豊富なので、まずカタログを見るのをおすすめしたいですね。
おすすめのロードバイクメーカー⑤新興勢力編
最後は、まだ比較的歴史は浅いものの、高い評価を受けているメーカーをおすすめします。
【CERVELO(サーヴェロ)】
カナダのメーカーで、創業わずか15年ほどで早くも世界の大レースの常連にまでのし上がってきています。
タイムトライアルバイクの開発に端を発するメーカーなので、空力性能に優れた翼断面のカーボンフレームが大きな特徴で、速いロードバイクに乗りたい方におすすめです。
【BMC(ビーエムシー)】
こちらも創業してまだ20年強というスイスのメーカーですが、冠チームが2016、2017年と2年連続ツール・ド・フランスでベスト5に入っています。
その高い技術もそうですが、オリジナリティに溢れるデザインのセンスも高く評価されており、一線を画すロードバイクが欲しい方におすすめです。
【KUOTA(クォータ)】
老舗が多いイタリアの中ではまだ15年ほどの歴史ですが、非常に優れたカーボンフレームの技術が評価されているメーカーです。
ワールドツアーを走った選手からのフィードバックを自転車作りに活かしているので、レースモデルが多くなっています。
デザインは斬新的で見た目にもこだわっているので、新しいものを求める方は一考したいメーカーです。
カタログや現物をぜひ見て頂きたい!
今回は、おすすめのロードバイクメーカーをご紹介しました。
それぞれに特徴や強みがあるので選ぶのは難しいところですが、ロードバイクは嗜好品の一つなので、カタログでも現物でもまずは見た目で気に入ったものが一番かもしれません。
そのきっかけに今回の記事がなれば幸いです。