メリダがロードバイクを提供するUCIワールドツアーチームの「バーレーン・メリダ」が、レースでも使用しているのがエアロロード「リアクト」です。
今回ご紹介する「4000」は素材こそレースモデルとは違いますが、形状はほぼ同じなので、最高峰で戦うレースモデルを体感できることになります。
今回はそんなメリダのリアクト4000をご紹介していきます。
メリダ・リアクト4000はとにかく安い!
メリダのリアクト(REACTO)はエアロロードというカテゴリーで、空力性能にこだわったスピード重視のロードバイクです。
剛性が高く全体的にパワーに溢れており若干扱いが難しい面もあるので、多くの車種を揃えているメーカーは少ないです。
しかし、メリダは複数のモデルを用意しており、アルミフレームまで同型のジオメトリに挑戦しています。
それだけ幅広い層に受け入れられる自信があるからこそのラインナップの豊富さであり、多くのインプレが「リアクトはレースのためにだけあるのではない」と報告しています。
今回の主役である「4000」はカーボンフレームでは一番下のグレードではありますが、それでもカーボンのエアロ形状のロードバイクが25万円(税抜き)前後の価格に設定されているのは驚きです。
特殊な技術や、専用のパーツも必要になるエアロロードは高価になりがちなので、まずこの価格だけでも一考の価値があります。
メリダ・リアクト4000はプロチームと同じカラーリングが魅力
リアクト4000でまずおすすめしたいのは、「バーレーン・メリダ」と同じカラーリングのフレームが用意されている点です。
プロチームに機材を提供しているメーカーは、レプリカとしてチームカラーの製品を市場にも投入しますが、大半は最上位モデルであったり、専用モデルになります。
しかし、メリダはこのカーボン最下位モデルにチームカラーを採用しており、ツール・ド・フランスを走るロードバイクと同じカラーリングのモデルに格安で乗れることになります。
もちろんおすすめする理由は見た目だけではなく、上位モデルと同じジオメトリ(形状)という点も大きいです。
リアクトは2018年にモデルチェンジを行い、空気抵抗の更なる低減と軽量化を実現しています。
上位モデルは「CF4」というカーボンフレーム、対して4000は「CF2」ですが、どちらも2018年からの新型です。
素材のグレードは違いますが、CF2もCF4に負けないレベルにまで仕上げられていますので、上位グレードが完成車で80~100万円以上することを考えれば、4000のコスパの高さが際立ちます。
メリダ・リアクト4000のフレームの実力は?
前項でお話ししたメリダのリアクト4000に使用されているカーボンフレームの「CF2」は、レースモデルのCF4に比べると少し剛性が控えめになっています。
エアロロードはパワーロスをさせない、またプロレーサーの脚力に合わせられていることもあり、ガチガチの硬いフレームになることも多いです。
そのため、CF4は少し硬いというインプレが多くなりますが、CF2は適度な「しなり」があり柔らかめの乗り心地になるという評価が多いです。
また、CF2はやや上体が起き気味のアップライドポジションになるので、身体への負担が軽減される分、長距離もこなせるエアロロードになっています。
そして、4000もリアブレーキがダイレクトマウントになり、キャリパーがBBの後方に移動しました。
このことにより本来の目的である空力性能の向上と共に、シートステーに柔軟性が出たことも乗り心地の柔らかさに貢献しています。
通常のブレーキはキャリパーをシートステーに取り付けるので、ブレーキのパワーを受け止めるためにはある程度の強度が必要になります。
しかし、取り付け場所が変わることでシートステーにそこまでの強度が必要なくなり、剛性が抑えられるので柔軟性が出るということになります。
メリダ・リアクト4000のスペック
ここでメリダのリアクト4000のスペックを確認しておきましょう。
コンポはシマノ・105をメインとし、クランクがFSAの「ゴッサマー」になります。
ゴッサマーはオリンピックで金メダル2度の実績を誇る英雄、「ファビアン・カンチェラーラ」がかつてツール・ド・フランスで使用したことで一躍その名を上げたクランクです。
ドライブトレインはメーカーを統一したいという方も多いので、クランクだけがシマノ製ではないのを不安に思う方もいらっしゃることでしょう。
それも十分に理解できますが、フロントディレイラーが105ですし、ゴッサマー自体のレベルも以前に比べれば進化していますので、心配はないはずです。
あとは、前項でもお話ししたように、ブレーキがダイレクトマウントになりました。
取り付けられているBBの裏側は元々剛性が高い場所なので、強めのブレーキでも力が伝わりやすくなっています。
あとは、従来シートステイに付いていたキャリパーが下に付く分、低重心になりますので、安定感が増し、ここも乗り心地のよさに繋がってくる部分です。
リアクト4000はホイールの交換を推奨したい
前項に引き続きメリダのリアクト4000のスペックを確認しますが、唯一残念なのはホイールですね。
メリダオリジナルの手組みホイールですが、これが2000g前後あると思われますので、漕ぎ出しのもっさり感は否めません。
全体的な価格とのバランスで最初から高性能ホイールの装備は難しいのですが、このレベルのフレームだとホイールの弱点が浮き彫りになってしまうので、早めの交換を視野にいれたいところです。
フレームがエアロなので、ホイールも少しリム高の高いディープリム系がおすすめです。
アルミリムであれば、フルクラムの「レーシング・クアトロ」やカンパニョーロの「シロッコ」などがおすすめですが、カーボンのディープリムに交換したとしても、負けないだけのフレームのよさはあります。
リアクト4000の1つ上のグレードに「5000」があり、価格は4000よりも4万円ほど高価になります。
フレームとホイールは同じものを使用しており、価格の違いはほぼコンポの差です。
5000はシマノのセカンドグレード「アルテグラ」がメインとなり、レース志向が強くなります。
しかし、ロングライドや中距離のサイクリングであれば、105とアルテグラにそこまでの差は感じません。
それなら4万円安い4000にしておいて、差額をホイールのアップグレードの費用に回すのがおすすめかと思います。
リアクト4000にはディスクブレーキモデルもある
ここまでお話ししてきましたメリダのリアクト4000には、ディスクブレーキモデルもあります。
ディスクロードは2017年よりワールドツアーで再解禁され、早速マルセル・キッテル選手がステージ優勝を重ねたことにより、今後ますます注目が集まる存在になるでしょう。
ディスクブレーキは地面と遠いハブで制動が行われるので、外的要因に左右されない安定した制動力があります。
また、リアクト4000に使用されている油圧式はワイヤーがない分、軽いタッチでも十分な制動力が得られるので、厳しい路面状況やロングライドで効果を発揮します。
ディスクブレーキは制動力が強くその分ホイールに強度が必要なので、剛性が高くなり重量も嵩みます。
しかも、ホイールの固定方法も通常とは変わり、ここでも剛性が強化されるのでどうしても硬めの乗り心地にはなります。
硬めということはそれだけ反応がよく加速力があるということなので、脚力に自信がある方にはよい選択になるかと思います。
リアクト4000はエアロロードの概念を覆すかもしれない!
今回は、メリダのエアロロード「リアクト4000」を取り上げました。
カーボンフレームでは一番下のグレードながら、上位グレードに引けを取らないフレームの完成度の高さが魅力です。
エアロロードにしては剛性が抑えられているので、レースに限らず用途の広がりも感じますので、ぜひお試し頂きたい一台です。