ラレーcrfはクラシックなフレームワークが美しいクロモリバイクですが、それだけではなく、本格的な走りのポテンシャルを秘めた一台です。
ロードバイクを入手したら、街乗りやツーリングだけではなく、レースにもチャレンジしたくなる人も多いでしょうが、ラレーcrfは十分そのニーズに応えられるバイクです。
今回は、ラレーcrfにはどんなレースが向いているのか、レースの種類別にご紹介していきます。
ラレーcrfはクラシックなだけのバイクではない
ラレーcrfの最大の特徴は、その美しいクロモリフレームにあります。
最新のカーボンフレームのような迫力や、アルミフレームのたくましさはありませんが、クロモリのパイプを美しく溶接したフレームワークは繊細な仕上がりです。
また、クロモリバイクの命ともいえるパイプには、理想のスチールフレーム素材のために開発されたといわれるレイノルズ631チューブを使用し、見ているだけでも飽きません。
もちろん、ラレーcrfは見た目だけでのバイクではありません。
クロモリフレームながら、カーボン製のフロントフォークを使用するなどの工夫で、完成重量は9.0㎏に抑えてあります。
さらにコンポーネントにはシマノ105をフルスペックで採用、クラシックなバイクという印象を良い意味で裏切るようなポテンシャルを秘めています。
ラレーcrfは、レースでも十分な性能を発揮できるでしょう。
ラレーcrfはUCIのレギュレーションに適合
「ツール・ド・フランスにママチャリでチャレンジするチームがあれば面白いのに」という意見をネットでみかけたことがありますが、当然、不可能です。
ツール・ド・フランスをはじめとした国際的なレースに出場できるバイクは、UCI(Union Cycliste Internationale⁼国際自転車競技連合)でレギュレーションが厳密に定められています。
規定では、フレームの形状などについて、かなり細かく定められています。
いわゆるママチャリや、リカンベントなどは、この規定に違反するので出場できません。
ラレーcrfはこの規定を満たしているので、規則上は出場可能です。
もちろん出場できる、というのと、そこで勝負できるかどうかというのは別の話ですね。
さて、国際的なレースではなく、アマチュアが出場する大会では、そこまでレギュレーションが厳しいわけではありません。
しかし、アマチュアの大会でもレベルが上がれば、UCIのレギュレーションに準拠したバイクでなければ出場できない場合も考えられます。
ラレーcrfであれば、そんなレースにも対応しているので、安心ですね。
それでは、ラレーcrfで出場するならどんなレースがおすすめなのか、次から見ていくことにしましょう。
ラレーcrfでレースにチャレンジ1:ロードレース
自転車レースの主流は周回コースを走行するトラック競技と、一般の公道を使って走るロードレースの2種類です。
その中でも人気が高いのがツール・ド・フランスを始めとしたロードレースです。
ロードレースと一口にいっても、10㎞程度の短いものから、数百キロを走るものまでさまざまですが、アマチュアレースでは、ワンデーレースといわれるものが主流です。
マラソン大会ほどではありませんが、近年は全国各地でさまざまな大会が開催され、盛り上がりをみせています。
「競い合う」という競技としての面白さはもちろん、風光明媚な場所が選ばれることも多いので、中には「交通規制の入ったツーリング」気分で出場する方もいるほどです。
一般公道を長時間走るロードレースでは、機材にスピードや加速性能だけではなく「疲れない」という性能が求められます。
いくら速いバイクであっても、路面からの衝撃がたえず感じられるようなバイクでは、長い時間走り通すのは困難です。
その点、ラレーcrfは衝撃吸収性に優れた柔らかな乗り味のクロモリバイクです。
さらに、カーボン製のフロントフォークもしなやかな乗り心地に一役かっており、長時間走行しても疲労は比較的、少ないでしょう。
ラレーcrfでレースにチャレンジ2:ヒルクライム
近年、ロードレース以上に盛り上がりをみせているのがヒルクライムです。
山梨県で毎年開催されているMt.富士ヒルクライムは、なんと参加者が10,000人!
その名の通り、ひたすら山道をのぼっていくだけのレースです。
それだけ聞くと、「なにが面白いの?」と思われるかもしれませんが、苦しくてもペダルを回し続け、ゴールした時の達成感はなにものにも代えがたいようです。
また、ずっと上り坂なのでスピードがさほど出ず、怖くないというのもポイントのようです。
こういってはなんですが、ちょっと高齢の方が若い方に交じって出場し、意外な健闘をみせたりもしています。
そうかと思えば、小中学生がお父さんと一緒に出場して懸命にペダルを回していたりと、この間口の広さがブームの一因となっているのでしょう。
出場しているバイクは軽さを重視したカーボンフレームが主流ですが、クロモリバイクで出場し、上位に食い込むような方もいらっしゃいます。
ラレーcrfはクロモリといっても比較的軽量に仕上がっており、また、ギア比も坂道向けの設定となっているのでヒルクライムでも十分な戦闘力をもっています。
ホイールをより軽量なものに交換すれば、最新のカーボンやアルミバイクにも引けを取らない性能を発揮できるでしょう。
ラレーcrfでレースにチャレンジ3:ブルベ
「購入した自転車にも慣れてきたので本格的になにかにチャレンジしたい」、という方におすすめなのがブルベ(Brevet)です。
ブルベとはフランス語で「認定」という意味です。
なにを認定するのかというと、「規定時間内で決められた距離を完走した」ということで、その距離は基本的に200km、300km、400km及び600kmとなっています。
600kmと聞くと一瞬しり込みしてしまいそうですが、制限時間はさほど厳しくなく、おおむね平均時速15㎞/hで、走れば完走できるように設定されています。
ママチャリでちょっと速めにペダルを回している程度のスピードといえば、さほどきつくないことがわかっていただけるのではないでしょうか。
厳密にはレースではないので、順位はつかないのですが、それが逆に初心者の方には気楽に参加できるのではないかと思います。
また、単純に速さだけではなく、どこで休憩を取るか、栄養補給はどうするかといったマネージメントが求められるという面白さもあります。
ブルベを走るのであれば、ここ一発の速さよりも、長時間にわたってパフォーマンスを落とすことなく、コンスタントにペダルを回し続けられることの方が重要です。
その点、やわらかな乗り味のラレーcrfなら、ブルベ良き相棒となるのではないでしょうか。
ラレーcrfが苦手なのはスプリントレース
これまで見てきたとおり、ラレーcrfはレースでも十分なパフォーマンスをみせます。
ただし、世の中に万能なバイクはないので、どちらかといえば苦手なレース種目もあります。
特に、短い距離でタイムを競うスプリントレースでは、やはり最新のカーボンやアルミバイクには一歩及びません。
フレームの素材もありますが、車体のジオメトリーも、ここ一発の加速性を狙うのではなく、長時間走行に向いた設計となっていることが大きいです。
もちろん、出場自体は可能でしょうが、走って楽しいかといえば「No」でしょう。
やはり、どんなバイクでも向き不向きはあります。
スプリントレースにチャレンジしたいのであれば、ラレーcrfは初めから選択肢には入らないでしょう。
クラシックなルックスだがポテンシャルは十分
いかがでしたでしょうか。
ラレーcrf、クラシックなルックスに反してレースでも十分な性能をもっていることが、ご理解いただけたかと思います。
カーボンバイクの中にラレーcrfだと浮いてしまいそう、と出場をためらうのはちょっともったいないと思います。
むしろ、クラシックなラレーcrfでカーボンバイクに負けない走りをみせるなんて、とても痛快なことだと思いませんか?