お洒落なロードバイク!タイヤの小さい自転車のメリットとは

タイヤ径の小さいロードバイクを見ると、どれもお洒落でなんだか惹かれますよね。

お洒落に自転車を乗りこなしたい人であれば、20インチホイールの小径車はとても魅力的に映ると思います。

タイヤ径の小さなこの自転車は「ミニベロ」と呼ばれ、この10年ほどの間にどんどん増えてきて、今や一つのジャンルを作り上げています。

今回は、特にロードバイクタイプのミニベロのメリットとデメリットについてまとめてみましょう。

しっかり乗るならミニベロ(小径車)もロードバイクタイプを!

この10年ほどの間に増えてきている「ミニベロ(小径車)」。

しっかりした作りのロードバイクタイプのものから、前にかごの付いたママチャリタイプ、さらに三輪車顔負けの小さいタイヤがついたデザイン重視の自転車まで、たくさんあります。

中には電動のミニベロまで…。

ただ、ミニベロの多くは走破性やスピードよりも、取り回しの良さやデザインの面白さ、持ち運びのしやすさなどにフォーカスして設計がされています。

そのため、「乗り心地」という観点でイマイチな自転車がたくさんあることは否めません。

そんな中、タイヤが小さくても乗りやすいのが、やはりロードバイクタイプのミニベロです。

このタイプは、ロードバイクに比べて前後のギヤ比は大きく変えられています(一般に、フロントギアが大きくなっています)。

ですが、ほとんどのコンポーネントはロードバイクのものと同じものが付けられ、また、身体のポジションについても、ロードバイクに乗るときと近いセッティングにすることが可能です。

これらのことから、「出先でチョコッと」というような気持ちではなく、「しっかり普段使いで乗れる小径自転車」ということで考えているのであれば、ロードバイクタイプのミニベロがオススメです。

ロードバイクとタイヤが小さいミニベロの共通点は意外に多い

一般に、700cタイヤを履くロードバイクと、タイヤの小さいロードバイクタイプのミニベロですが、意外に共通するところが多くあります。

あとで詳しく書きますが、小径車はスピードの持続力が小さいので、その分、少しでも前に進みやすくする必要があります。

そのため、基本的なコンポーネントが同じで、ディレイラーやブレーキなどはほとんどロードバイクに準拠しており、多くの場合、そのまま相互の載せ替えが可能です。

ただし、タイヤ径が小さい分、ロードバイクと同じギア比では進める距離がずいぶん変わってしまうので、フロントギアについては、ロードバイクが52~53Tなのに対してミニベロ用は56~60Tのものが付けられています。

また、タイヤについても、少しでも路面との摩擦抵抗を減らすために、ほとんどはロードバイクのタイヤを二回りほど小さくしたもの(一般的には20インチ前後)のものが付けられています。

なので、ミニベロはロードバイクの弟分みたいな印象があり、走りも未舗装の山の中や河川敷よりアスファルトの道路の方が得意です。

実際に、ロードバイクに乗っている人が、2台目の「遊べる自転車」としてミニベロの購入を検討することも多いです。

タイヤの小さいミニベロの強みは取り回しの良さ!

ロードバイクに比べてタイヤの小さいミニベロの最大の強みは、何と言ってもその取り回しの良さです。

タイヤが小さい分、ホイールベース(前後のタイヤの中心どうしを結んだ距離)が短くなるため、内輪差が小さくなり、ハンドリングにキビキビと反応してくれます。

普段ホイールベースの長いロードバイクに乗っている人にとっては、そのクイックな反応はまさに異次元、きっと驚くはずです。

また、タイヤが小さいことでジャイロ効果が小さくなる分、ハンドリングも軽くなり、これも取り回しの良さを向上させるのに、ひと役買っています。

もし、ロードバイクをお持ちでしたら試してみてほしいのですが、前輪のハブ(車軸)を持ってホイールを回しながら、そのホイールを左右に傾けてみてください。

なかなか思うように傾けられず、予想以上に大きなジャイロ効果が働いていることが分かるかと思います。

ミニベロではこのジャイロ効果による抵抗が本当に抑えられていて、小さな力でもハンドル操作ができるようになっています。

さらに言えば、全体に車体を小さくまとめることができるため、専有面積を抑えられ、フルサイズのロードバイクやマウンテンバイクはとても置けないようなスペースに駐輪することも可能です。

ロードバイクと違ってミニベロは折りたためるタイプが多い

ロードバイクは、舗装された道路をとにかく速く遠くまで進むために作られた自転車なので剛性が高く、かつ軽量な車体が求められます。

それに対してタイヤの小さいミニベロは、取り回しの良さとコンパクトさが一つの「売り」になるので、折りたたんで持ち運ぶことができるものがたくさんあります。

ロードバイクを輪行しようと思ったら「タイヤを外してハンドルのボルトを緩めて向きを変えて…」と時間をかけて頑張っても、50cm×120cm×80cmくらいのサイズにはなってしまうのではないでしょうか?

その点ミニベロであれば、おおむね50cm×30cm×50cm程度に収まってしまいます(メーカーや機種によります)。

さらに、ほとんどの場合、タイヤを外す必要もないので、早いものでは折りたたむのに1分もかかりません。

そのため、自動車の後部座席に乗せて簡単に運んだり、電車に気軽に持ち込んだりできます(カバーは必ずかけなければなりません)。

ただ、折りたためるということは、その分ヒンジ(ちょうつがいなど接続部分)が増えることになります。

ある程度のグレードであれば大丈夫ですが、ものによってはこのヒンジ部分が弱かったり重かったり、また、折りたたむのに工具が必要になったりするので、注意が必要です。

これについては、折りたたみ方も含めてショップの店員さんとよく相談してみることが大切です。

ロードバイクよりタイヤが小さいがゆえのミニベロの弱点とは

ここまで、ロードバイクよりもタイヤが小さいミニベロの魅力についてお伝えしてきましたが、ミニベロにも、タイヤが小さいがゆえの弱点はあります。

例えば、自転車屋さんがみんな口をそろえて言うことですが、ミニベロは乗っていて疲れます。

というのも、タイヤ径が小さい分、700cホイールに比べて回転を持続させる慣性力が発生しにくく、せっかく脚を回してスピードに乗っても、すぐにタイヤが回転を止めてしまうからです。

軽いコマの方が重いコマほど回らないのと同じです。

また、タイヤが小さいことで段差の走破性は下がります。

同じ高さの段差であっても、タイヤ径に対する相対的な段差は大きくなってしまうからです。

そのため、しっかり空気の入った700cのタイヤでなんでもない1cm~2cmの段差であっても、ミニベロでは結構な衝撃として伝わります。

もともとホイールベースが短い分、前後の安定性も下がっている(タイヤが跳ねてウイリーなどしやすい)ため、慣れないとハンドルに伝わる衝撃を受け流すのに苦労するかもしれません。

これらのことを考えると、ロードバイクとロードバイクタイプのミニベロは、見た目は似ていますが、乗り味という点では大きく異なると考えた方が良いでしょう。

それにもかかわらず、ミニベロが一つのジャンルとして確立できたのは、何よりも「面白さ」があったからです。

ミニベロにはミニベロならではの面白さがあります。

ロードバイクタイプ以外もタイヤの小さいミニベロはたくさん

ミニベロといえば「ロードバイクのタイヤが小さい版」というイメージがありますが、本来「ミニベロ(Mini vélo)」というのは「小さな自転車」という意味です。

そのため、ロードバイクの形に限らず、いろいろなスタイルの自転車があります。

いくつか見てみましょう。

例えば、同じロードバイクのスタイルでも、U字型のハンドルにブレーキレバーを寝かせて取り付ける「ブルホーン」スタイル。

ロードバイクのいわゆる「下ハン(ドロップハンドルの下半分)」をカットしたようなデザインで、ロードバイクのグリップ感はそのままにハンドル周りが軽くなって、さらに取り回しが良くなっています。

最近では、ロードバイクでブルホーンというスタイルもありますね。

また、いわゆる「折りたたみ自転車」としてのミニベロもあります。

こちらは、ロードバイクの形よりもママチャリの形に近いものが多く、タイヤも多少太めで、カゴ付きのものもあります。

ハンドルは基本的に短めのストレートバータイプのハンドルで、ハンドルグリップ一体型の変速機がついているものが多いです。

このタイプのものは「出先でちょっと使いたい」というようなときには、特に便利です。

他にも、マウンテンバイクのようなタイヤの太いタイプのミニベロもあります。

ただし、未舗装で段差ばかりの荒れた路面を走ることがメインになるマウンテンバイクで、小径車であることのメリットはあまりなく、ミニベロの中では少数派です。

「その自転車をどう使いたいか」をよく考えることが一番大切

一見「ロードバイクのタイヤが小さい版」に見えるミニベロ。

ですが、フルサイズの自転車にロードバイクやマウンテンバイクからBMXまであるのと同じように、ミニベロにも使い道によっていろいろなデザインのものが売り出されています。

例えば、毎日の足として使うならロードタイプがオススメですし、出かけた先であちこち散策するのに使うのであればママチャリスタイルがオススメです。

より快適に乗りこなすために、自分が「その自転車をどう使いたいか」をよく考えて、購入を検討しましょう