自転車の盗難は、あとを絶ちません。
前までは、単なる移動手段を目的として盗難されることも多かった自転車ですが、近年スポーツ自転車のブームもあり、転売目的で盗難を行うケースも増えています。
自転車の施錠方法の中では、メジャーなワイヤー錠ですが、ワイヤー錠は簡単に切断されてしまうことも多く、おすすめできる施錠方法とはい言えません。
今回は、大切な愛車を守るために、有効な施錠方法をお伝えしていきます。
自転車の盗難はあとを絶たない!
自転車の盗難は全国各地で起こっていますが、やはり都内の方が盗難件数は多い傾向があります。
盗難件数は都内だけで毎年5万件以上とされ、1日で計算すると、約146台もの自転車が盗まれていることになります。
盗難されてしまった人の中には、ほんの数分目を離した隙に、自転車を盗まれてしまったという方もいます。
ですが、自転車に施錠をしないことは、「どうぞ盗んでください」と言っているようなものなのです。
自転車の盗難被害が多く発生している場所は、駅の駐車場やデパートなどの周辺や裏路地が多いです。
しかし、昼間だからといって、安心してはいけません。
昼間に自転車を盗難されてしまうケースも非常に多いからです。
また、人が多く通る場所でも油断はできません。
人が多いということは、逆に人の注意がそれやすく犯行しやすい場所でもあるのです。
自転車を盗難から守るためには、施錠をすること、これが基本です。
しかし、ただ施錠をしただけでは、本当の意味で盗難対策を取れているとは言えません。
よく、自転車の車輪にワイヤー錠をかけている方を見ますが、ワイヤー錠は、ワイヤーカッター等の工具で簡単に切断されてしまいます。
自転車のワイヤー錠は簡単に切断されてしまう!
100円ショップでも購入できる手軽さと、軽くて使い勝手が良いことから、自転車にワイヤー錠を使用している方も多いと思います。
ですが、このワイヤー錠、安くてボロボロの自転車ならまだしも、数十万円もする高額なスポーツ自転車に使用するのは絶対にお勧めできません。
先ほど、ワイヤー錠の切断は簡単にできるとお話しましたが、その通り、ワイヤー錠は簡単にものの数秒、数分で切断をすることが可能です。
また、その見た目の貧相さから、かえって盗難に狙われやすくなることもあります。
やはり盗難を防ぐためには、それに見合った頑丈な鍵を付けることが重要です。
窃盗犯が、盗難しにくいと感じれば、防犯性も自然と上がりますからね。
とにかく自転車を盗難から守るには、安いワイヤー錠では守れないということです。
窃盗犯がワイヤー錠などの切断に、使用する工具とは
自転車の盗難を行うプロの窃盗犯の多くが、ボトルクリッパーと呼ばれる工具を使用します。
このボトルクリッパーとはテコの原理を使い、少ない力で頑丈な鉄線などを切ることができる工具です。
大きいものになると、鉄筋も切ることができます。
ボトルクリッパーは小型のもので、3千円程度で販売されています。
もちろん、ワイヤー錠なら小型のもので簡単に切断されてしまうでしょう。
これが中型、大型、特大ともなれば、その力も大きくなり、非常に頑丈な鍵をも切断することが可能になってしまうのです。
大型のボトルクリッパーの価格は、1万円程度で販売されています。
この、大型のボトルクリッパー対抗するためには、最低でも鍵に1万円以上は必要と考えましょう。
鍵に1万円は高いと感じるかもしれませんが、数十万円もする自転車を盗難されると考えれば導入する必要は大いにあると感じますよね。
自転車の盗難防止の効果を得るためにも、この鍵では盗めないと諦めがつくほどの頑丈な鍵が必要なのです。
切断は困難!出かけ先で最もお勧めの鍵は「U字ロック」
出かけ先で自転車を駐車する際に、安全性を最も重視するなら、「U字ロック」がお勧めです。
「U字ロック」の中でも、特にお勧めしたいのが、「ABUS(アブス)の540」と「クリプトナイトのニューヨークロック3000」です。
ものの数秒で切断されてしまうワイヤー錠と比べると、特大のボトルクリッパーでも切断できないほどの頑丈さを誇ります。
見た目の頑丈さから、盗難防止としての役割も大きいでしょう。
これらの鍵のクラスにもなると、特殊工具を使っての耐久性も高く、「ABUS(アブス)の540」にいたっては14tもの力がないと切断できないとまで言われています。
最強の鍵ではありますが、やはりそれだけサイズも大きく、重量も重くなってしまいます。
また、折りたたむことも不可能ですので、その点では不便を感じてしまうかもしれません。
しかし、重量や収納のデメリットを差し引いても、大切な自転車を守るには、有効な施錠方法と言えます。
出かけ先で、自転車の盗難を防ぐことを第一に考えている方は、「U字ロック」がお勧めです。
ワイヤー錠よりも丈夫で「U字ロック」よりも使い勝手が良い「多関節ロック」
自転車の鍵の中でも、頑丈で安心な「U字ロック」ですが、使い勝手が悪いことや、重いといったデメリットが存在してしまいます。
そこで、「U字ロック」に比べると頑丈さは劣りますが、ワイヤー錠に比べれば何倍もの強度を誇る、「多関節ロック」をご紹介します。
この「多関節ロック」は「U字ロック」よりも使い勝手が良い点もメリットです。
「多関節ロック」というネーミングの通り、関節を動かすことができるので、折りたたんでコンパクトにすることが可能です。
極力荷物を少なくしたい自転車においては、重くかさばることはなるべく避けたいところですから、この「多関節ロック」はそれらを解消してくれます。
関節が動く仕組みになっていることで、ジャッキなどを使用して盗難されることはありませんが、決して切断されないというわけではないので、注意が必要です。
「U字ロック」に比べると、やはり頑丈さでは負けてしまいますが、通常利用するのであれば、「U字ロック」に次ぐ鍵であることは間違いありません。
自転車最強の鍵「U字ロック」には、地球ロックがおすすめ
自転車の鍵の中で最強とされるのが、やはり「U字ロック」ですね。
先ほどご紹介したメーカーなら、特大のボトルクリッパーでも容易に切断できないほどの頑丈さを誇ります。
さらに「U字ロック」の盗難防止性を高めるためにおすすめの方法があります。
それは、「地球ロック」を行うことです。
「地球ロック」は鍵の名前ではなく、固定方法のことを表しています。
「地球ロック」とは、窃盗犯でも破壊できないようなポールなどに、鍵と自転車をくくりつける方法です。
窃盗犯は、鍵の切断に時間のかかるものを嫌う傾向がありますので、鍵を2つ以上施錠することでも、盗難防止の効果を高めてくれます。
また、パーツのみを盗難されてしまう場合もあるので、複数のパーツに絡めてロックをするとより盗難の防止に役立ちます。
ですので、未だに、ワイヤー錠を使用しているのであれば、直ちに鍵の変更をお勧めします。
ワイヤー錠は、もはや鍵の意味も無いと言ってもいいほど、あっさり盗難されてしまいます。
高額な自転車に取り付ける鍵は、一番に頑丈なものを選んでくださいね。
自転車の施錠に頑丈な鍵を!
自転車の盗難を防ぐためには、窃盗犯が諦めるほどの頑丈な鍵を取り付けるのが一番です。
安く手軽に購入できるワイヤー錠を使用されている方も多く見られますが、自転車の盗難防止対策としては効果は薄いものです。
大切な自転車を守るためにも、簡単に切断できないような頑丈な鍵を選びましょう。