自転車のサドルは狙われる!盗難対策をしなければ!

全国で年間、40万件もの自転車の盗難が起きているというデータがありますが、これは被害届が出されている数ですので、実際にはもっと多くの事例があるはずです。

また、サドルや車輪など、パーツが単体で盗難にあっているケースもあります。

特にサドルなどは盗難にあってしまうと、「どうやって家に帰るの?」ということになります。

高額なサドルだったりすると、ダメージも大きいですよね。

そこで今回は、サドルの盗難防止対策を考えてみます。

自転車のサドルは盗難にあえばまず手元には戻らない

自転車には、購入時に行う義務の「防犯登録」があります。

車体に振り分けられた個別の「車台番号」と、住所・氏名などの個人データを一緒に登録することで、自転車の持ち主を明確にする、というものです。

これにより、盗難された際でも捜索の手がかりになります。

また、防犯登録は使用者が変更された場合にやり直しますが、その際には自転車の譲渡証明書などが必要なので、盗難車では防犯登録が難しくなります。

さらには、ネットオークションなどで盗難車を売りさばく輩への対策として、あるサイトには、自分の自転車の車台番号や細かい特徴を登録しておくと、類似品が出品された際に通知してくれる機能もあります。

これでも自転車の盗難は後を絶たないわけですが、本体なら、盗難にあった後でも探し出せる方法がいくつかはある、ということです。

ところが、サドルなどのパーツは、個別にシリアルナンバーが打ってあるわけでもないですし、それこそ世界中に同じものが星の数ほどあります。

転売するにしてもほぼハードルはありませんので、「盗難されたらまず手元に返ってこない」と考えるしかなさそうです。

自転車のサドルを盗む動機

今回は自転車のサドルの盗難防止対策について考えていきますが、捕まった犯人の動機を見ていると、傾向が色分けできます。

まずは「転売」目的ですが、これはスポーツバイクに多いことで、高額なものと分かっていて、狙い撃ちされるケースです。

スポーツバイクに精通している人間の仕業ということになりますが、スポーツバイクは車体全体で防犯をしていく必要があります。

次に見られるのは、自分の物にしてしまうための盗難です。

理由としては、自分のサドルが盗難にあったから人の物を盗んで調達する、という理不尽極まりないものや、特定の人の物を狙った「ストーカー」的な行為もあります。

また、必要はないけど面白半分に盗む、愉快犯的な犯行もあるようです。

いずれにしても犯罪者の動機ですから理不尽なものばかりですが、対策を取っていれば、防げる可能性もあります。

特に、いたずら目的や自分が使用するために行う盗難は、サドルなら何でもいいわけです。

「ただ目の前に盗みやすそうなサドルがあったから盗んでいる」だけのことが多いので、防犯対策を破ってまで盗むことは、まず考えられません。

自転車はサドルにも盗難対策が必要!

今回は自転車のサドルの盗難対策を考えていきますが、具体的な防犯方法の紹介は、なるべく簡潔にさせていただきます。

あまり具体的に紹介してしまうと、窃盗犯は必ずそれに対する対策をしてきますので、かえってヒントを与えてしまうことになります。

したがって、今回は具体的な製品名などではなく、相対的な盗難対策のご紹介になることを、ご容赦いただきたいと思います。

まずは、サドルも盗まれる可能性があるということを認識して、盗難対策を取るところから始めます。

まず、一番手っ取り早いのは、サドルにもカギをかけることです。

現在はサドル用のワイヤーロックがいくつかありますので、それをしておくだけでもずいぶん違います。

3ケタから4ケタのダイヤル式であれば、わざわざそれを一個づつ試してまで盗んでいこうとは思いませんよね。

また、無理やり盗んでいこうとしても手間が掛かるので、周囲の目がある中で素早くことを終えたい犯人は、カギが付いているものは狙いにくいものです。

ワイヤーロック単独では、盗難対策は盤石とは言えないですが、犯行を未然に防ぐ「抑止力」の意味では、大きな効果があります。

サドルを固定するボルトに盗難対策!

自転車のサドルは、一部を除いてシートポストにボルトで固定されていますが、このボルトが一般的なものであれば、盗難しやすいのは言うまでもありません。

そこで、このボルトを専用の工具でしか外せないものに交換します。

これであれば一般的な工具は使えませんし、これも「盗難にひと手間かけさせる」ことで、抑止力の向上にも繋がります。

また、最近ではボルトの内部に埋め込んで、あらゆる工具でも外せないようにボルトをロックする盗難対策もあります。

しかも、埋め込んだものにもカギを掛けることができ、そのカギにも専用のコードが指定されているので、同じ製品でも他のカギでは解除できない仕組みになっています。

「サドル ボルト ロック」で検索するとこのシステムがヒットしますので、確認してみてください。

ちなみに、これはボルトのサイズさえ合えばサドル以外の箇所にも使えますので、特にパーツが高額のスポーツバイクにはおすすめです。

サドルが盗難されてしまったら警察に届けよう

ここまでは、盗難防止の対策についてお話してきましたが、悲しいかな盗難にあってしまったケースも考えておく必要があります。

先ほども触れましたが、自転車のサドルなどのパーツは盗難されてしまうと特定が難しく、転売を防ぐ効果的な方法も見当たらないので、ほぼ手元に戻ってくる可能性が少ないです。

しかし、それでも盗難にあった際は、警察に被害届を出しましょう。

自分のサドルが発見には至らなくても、捜査の過程で周辺の見回りなどが強化され、犯人が現行犯逮捕される可能性があります。

また、犯人が逮捕され証拠品として押収された中に自分のサドルがあれば、あとから損害賠償を請求できる可能性もあります。

そのため、サドルのどこかに、自分にしかわからない目印を付けておくことをおすすめします。

万が一、それが犯人の目に触れたとしても、それはそれで、転売した際に足が付く可能性を考えるはずですから、これも抑止力の向上に繋がります。

自転車の保管場所を変えるのも効果的な盗難対策

サドルに限らず、自転車の盗難は起きる場所にも特徴があります。

ママチャリなど、あまり高価ではない自転車は、駐輪場と路上が圧倒的に多くなります。

これは、先述した犯行の動機にも繋がることですが、要は出来ごころなんですね。

目の前にカギがかかっていない自転車があったから乗っていてしまうだけで、転売や自分の所有物にするという目的は、ほぼないケースです。

それを証拠にママチャリはスポーツバイクに比べ、盗難されても発見率が非常に高いと聞いています。

一方のスポーツバイクは、自宅やマンション、会社の駐輪上などで発生するケースが多くなります。

これは「狙いを付けている証拠」であり、自宅や会社などに侵入するリスクを冒してまで盗難に及ぶ、計画的犯行です。

中には高額なロードバイクばかり狙うプロの窃盗団もいると言われていますので、警戒しなければなりません。

対策の基本は室内保管と言いたいところですが、物理的に無理なこともありますので、屋外の場合は保管場所を度々変えるのが効果的です。

計画的犯行の場合は必ず何度かは下見をしているはずですので、その裏をかいて探す手間を掛けさせるのです。

また、探させるということからすると、なるべく外からは見えづらい場所に置いておくのも効果があります。

盗難対策のポイントは盗む気を起こさせないようにすること

今回は、自転車のサドルの盗難防止対策を考えてみました。

サドルも盗難されるもの、という認識をして、しっかりと盗難対策をしましょう。

そして、何より大切なのは、対策をしていることを犯人に見せて、盗む気にさせない「抑止力」を高めることです。

また、万が一盗難された場合は、あきらめずに被害届を提出して、犯人逮捕の可能性にかけましょう。