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ツール・ド・フランスに勝つピナレロ・F10の価格はいかに?

2018.12.9

現在のピナレロを代表するフラッグシップモデルといえば、文句なく「DOGMA(ドグマ) F10」になります。

デビューしてすぐにツール・ド・フランスを制しその図抜けた走行性能を見せつけ、市場モデルでは価格でも圧倒的な存在感を示しています。

今回はそんなドグマF10の価格にスポットを当て、他メーカーのフラッグシップモデルとの比較などもしてみます。

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ピナレロはレースと共に歩んできた

「ロードバイクはレース用の機材として開発されている」という文言を見る度に、筆者はピナレロを思い浮かべます。

それくらい、レースと共に歩んできた歴史があり、特に近年はツール・ド・フランス(以下ツール)を中心に圧倒的な強さを見せつけています。

今回の主役ドグマF10も、市場デビューに先駆けてお披露目となった2017年のツールで、機材を提供する「チーム・スカイ」の、クリス・フルーム選手が個人総合優勝を果たします。

そして、2シーズン目の2018年も、チーム・スカイのグラント・トーマス選手が優勝を果たし、2年連続でドグマF10がチャンピオンを輩出する結果となりました。

ドグマの冠が付くバイクがデビューして15年以上が経ちますが、アレッサンドロ・ペタッキを始め、ブラドレー・ウィギンズ、マーク・カヴェンディッシュ、ナイロ・キンタナなど、往年の名選手がドグマに乗り世界で戦ってきました。

そんなドグマの集大成(まだ終わりませんが)と言われているのがF10であり、ピナレロの歴史と最新鋭の技術が全て投入された、力の結晶です。

そのため、性能はもう言うまでもないですが、価格もまた飛び抜けています。

ピナレロ・ドグマ第一世代は「マグネシウムフレーム」!

それでは価格のお話に入る前に、ピナレロ・ドグマのF10に至るまでの歴史を振り返ってみましょう。

ドグマは2002年に世界初の、量産型マグネシウム合金製のフレームでデビューを果たします。

2003年にはアレッサンドロ・ペタッキが三大ツールで、区間合計15勝の快挙を達成し、華々しいデビューを飾ります。

その後はフレームにメッキが施された「ドグマEGO」や、ダブルバテッドチューブを採用した「ドグマFP」、さらに2007年には金属製フレームの最終形態となった「ドグマFPX」に進化します。

しかし、この進化の道中で時代は金属フレームからカーボンへと移り変わっており、ついにピナレロも2008年に、ドグマに次ぐセカンドグレードであった「PRINCE(プリンス)」をフルカーボン化し、フラッグシップとしました。

しかし、ピナレロはあくまでもドグマにこだわり、2010年ドグマをついにカーボン化します。

世界で初めて、ドライブ側の剛性や強度を高めた、左右非対称の「アシンメトリックデザイン」をまとった「ドグマ60.1」がデビュー、ドグマは第二世代に移行していきます。

ピナレロ・ドグマがカーボン化されてからの変遷~特徴、価格など

2010年にカーボン化されたピナレロのドグマですが、「ドグマ60.1」の価格はフレームセットで588,000円でした。

後述しますが、2019モデルのF10(ノーマルモデル)は734,400円ですので、時代の流れを感じますね。

さて、歴史に戻りますが、2011年には左右非対称のダウンチューブや、ケーブルをフレーム内蔵にするなど、空力性能に優れた「ドグマ 2」にモデルチェンジ、価格も4万円程アップします。

この時代はプリンスも姿を消し、ピナレロは現在と同様にチームへの供給モデルはドグマに絞り込んでいました。

新陳代謝の激しいピナレロらしく、翌2013年にはカーボン繊維の弾性率を引き上げ、現在も残る機械式、電動式両方のコンポに対応するTHINK 2のフレーム、「ドグマ65.1」にモデルチェンジされます。

価格は当時の為替も反映されたのか日本では何と48万円台となり、当時のインプレ情報でも驚きの声が大きかったと記憶しています。

そして、2015年(発表は2014年)、現在のF10のモデルとなった「ドグマF8」が完全エアロ形状となって登場。

強度を重視した素材への一新や、ピナレロの象徴である「ONDA」のフロントフォークも、大きく形状が変更されたこともあり、この時点でドグマは第3世代に入ったと認識されます。

価格も、2016年モデルでは699,840円まで一気に跳ね上がり、名実共に他を圧倒するフラッグシップモデルになります。

そして、2017年F10にモデルチェンジされ、今に至ります。

ピナレロ・ドグマF10がその価格になる理由は?

ここまでピナレロ・ドグマの歴史を振り返ってきましたが、とにかく最新鋭の技術を次から次へと投入し、進化を遂げてきた跡が伺えました。

価格に関しては途中大きなプライスダウンもあるなどの変化もありましたが、現在は高値安定というところに収まっています。

現在のドグマF10は、さらに空力性能を高める仕様として、TT(タイムトライアル)バイクや、トライアスロンの技術を投入し、また高みに登ったという評価を受けています。

また、F10は使用するカーボン樹脂の量を、シェイプアップを重ねることで最低限に抑え、先代のF8に比べ6%以上の軽量化も図っています。

今まで重量以上に大切なことがあるというモットーで、公表すらしなかったピナレロが、F10だけは公表していることからも、こだわりが伺えます。

そして、これもF10が世界的にも飛び抜けた評価を受ける要素の一つですが、使用しているカーボン素材は世界的繊維メーカー「東レ」の「T1100G」ですが、これはロードバイク界ではF10にしか供給されていない素材です。

現時点では最高の強度と剛性を持つ素材と言われており、航空機やロケットにも使用されています。

ピナレロの中でも、これだけ突き抜けた特別感のあるバイクだけに、高額になるのは致し方ないというところでしょう。

「ドグマF10」と「Xlight」の価格差が大きい理由

ピナレロ・ドグマF10には、さらに車体が60g軽量になった「ドグマF10 Xlight」というモデルがあります。

上位グレードの位置付けで、価格がF10よりも20万円以上高額になります(フレームセット税込972,000円)。

プロレベルであれば60gの軽量化も意味は大きいのかもしれませんが、ホビーライダークラスでは、この20万円の差はとても不思議に映るかと思われます。

しかし、それほどまでにプロの世界では、この重量が重要になってきているということですね。

XlightはF10に比べさらにカーボンをシェイプアップし軽量化を図っているのですが、その過程でカーボンシートの配置を細かく、複雑に行程数を増やして作業を行っています。

見た目の形状は同じでも、目視では分からない厚みやカーボン積層の違いがあり、専用の金型を使用しています。

ここまでのハイエンドモデルになれば、廉価モデルのような大量生産というわけにはいかず、実際にXlightも完全受注生産です。

それでも専用の金型を用意しているわけですから、相当のコストが掛かっているはずです。

また、金型にフレームを入れてからも、圧力を掛けながら高温で加熱して樹脂を固める「モールディング」という作業を、XlightはF10よりも長い時間を掛けて行っています。

このように時間を掛けてゆっくり固めていくので、樹脂の量が少なくても強度や剛性が保てるようになります。

上記のような手間ひまを掛けているだけに生産数も限られ、プロでさえデビューした2017年のツール・ド・フランスでは、優勝したクリス・フルームも含めた3選手にしか供給されませんでした。

ドグマF10ライバル機の価格

ピナレロは1953年創業のイタリアの老舗ブランドですが、同じ1953年創業の「DE ROSA(デローザ)」、1952年創業の「COLNAGO(コルナゴ)」が、イタリアメーカー(ブランド)の「御三家」と言われています。

そこで最後に、各メーカーのフラッグシップモデルをご紹介します。

なお、対象はフレームセットとします(価格は税込)。

【コルナゴ:C64】

重量:900g(500Sサイズ)

参考価格

「リムブレーキ仕様」:¥702,000~753,840(ボディカラーによって違う)

「ディスクブレーキ仕様」:¥734,400~786,240

所どころに空力性能に配慮した現代風のデザインは見られますが、シートチューブからシートポストは丸形断面のチューブで、落ち着いた雰囲気もあるモデルです。

【デローザ:PROTOS】

重量:未公表

参考価格

「リムブレーキ仕様」:¥750,600

「ディスクブレーキ仕様(PROTOS Disk)」:¥777,600

ザ・エアロと呼びたくなるほど、大口径のテーパーヘッドに、これほどまでに偏平させたカムテール形状は見たことが無いほどのダウンチューブが特徴で、エアロ形状のお手本のようなバイクです。

【ピナレロ:DOGMA F10】

重量:820g

参考価格

「リムブレーキ仕様」:¥734,400

「ディスクブレーキ仕様(F10 DISK)」:¥756,000

進化の過程で価格はそこまで上がっているわけではない!

今回は、ピナレロのドグマシリーズの変遷を価格を中心に確認しました。

カーボン化を果たしてから約8年、その時代の最新鋭の技術と素材が投入され進化を果たしてきたことを考えると、価格は約20%アップしていますが、その程度に「抑えられている」と言うべきでしょうか。

また、イタリア御三家のフラッグシップモデルの価格が、ごく近いところに設定されているのが興味深く、やはり意識し合う存在なのかと思わされました。

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