ピナレロはロードレース界では常にトップレベルの実績を誇るブランドですので、憧れを持っている方も多いかと思います。
高級ブランドとしての地位もすっかり根付き、決してリーズナブルとは言えない車種が並んでいます。
中にはフレームセットだけで100万円に迫ろうかという機種まであり、中々にハードルが高い価格設定のため、特価などになっていれば大注目です。
ロードバイクのフレームメーカーに重要とされるブランドイメージ
ピナレロに限りませんが、ロードバイクを製造する多くのフレームメーカーやブランドは定価販売が基本です。
今回が「特価」のお話ですから例外もあるのですが、家電製品のように量販店がこぞって値引き競争をするようなことはありません。
その理由に関しては諸説ありますが、筆者はブランドイメージの維持と、販売店の事情によるところが大きいと考えています。
冒頭でも少し触れましたが、ピナレロのようにレースに参戦してるメーカー、ブランドの評価が高くなるのがロードバイク界の特徴です。
中でも世界のビッグレースに参戦している、「UCIワールドチーム」に機材を提供しているメーカーやブランドは、その評価が上がる傾向にあります。
特に日本でも大々的に取り上げられテレビ中継もされる、「ツール・ド・フランス」を走るチームのスポンサーや機材提供ブランドは、その傾向が強くなります。
ピナレロはそのツール・ド・フランスに無類の強さを発揮してますので、ブランドイメージを落とさないように、簡単に値下げ販売などは行えないということがあろうかと思います。
特価での販売は販売店の企業努力
ピナレロのロードバイクは定価販売が基本というのは前項でお伝えした通りですが、特価で販売されることもあります。
そして、それは販売店の企業努力によるところが大きいです。
基本的に定価販売であるロードバイクは、お店が利益を削ってでも値引き販売せざるを得ない状況があります。
しかし、それでも利益を削ることができない店舗もあるので、定価販売が根付く結果になっています。
また、ピナレロはフレームセットでの販売も多いのでまだ作業量が少ない方かもしれませんが、販売店は完成車であればユーザー1人1人に合わせて最終的な組み付けやポジション出しなどをする作業もあります。
そういった経費も考えると、ますます簡単に値引き販売に踏み切れないという事情もあるかと思います。
ただ、上記したようにお店が値引き販売をせざる得ない状況もあり、それはメーカーと販売店の関係性や時期の影響があります。
ピナレロのロードバイクが特価になる理由
多くの販売店は、フレームメーカー、ブランドから製品を仕入れる際には、買い取りが基本と言われています。
中にはシーズン当初にシーズンの販売分全てを仕入れるようなお店もあると言われており、シビアな状況も垣間見えます。
買い取りということは、旬が過ぎても返品はできませんし、店舗での展示品や試乗車も買い取っている製品をお店が厚意で提供しています。
旬が過ぎるというのはどういうことかと言いますと、ピナレロもそうですが、フレームメーカーやブランドは毎年のようにモデルチェンジを行います。
大きな仕様の変更がなくても、年度を区切ってニューモデルをアピールするのが通例のようになってます。
そのため、変わり映えしないものでも、販売店側はニューモデルとなれば仕入れないわけにはいかないですし、仕入れるには旧モデルを売り切る必要があるわけです。
その際に発生するのが特価や激安という名目のセール品で、いわゆる在庫処分品ということになります。
これを業界では「型落ち」などと呼び、ニューモデル発表後の6月くらいから、店頭に並び始める秋口までをピークに値下げ販売が行われます。
ピナレロの廃盤モデルのフレームセットが特価になりやすい!
ピナレロでは2018シーズンから2019シーズンへの移行に伴い、いくつかの大きな変革がありました。
中でも廃盤になるモデルが多くあったため、それが型落ちとして特価で販売されているケースが目立ちました。
廃盤になるモデルはどこまでいっても旧モデルですから、早めに売り切ってしまいたいという事情もあるでしょう。
それが重なったのが2019シーズン前ということになり、フラッグシップモデルの「DOGMA(ドグマ)」や伝統の名車「PRINCE(プリンス)」がその対象になりました。
ドグマはニューモデルである「F10」に完全移行したため、前世代の「F8」が型落ちとし多く販売されていました。
また、2019モデルで完全リニューアルとなったプリンスは2018モデル、また、廃盤となる「GAN(ガン) RS」「GAN S」なども、特価になっているのを多く見掛けました。
これらはフレームセットだけで定価40万円~60万円になりますので、一概ではないですが値引き額も相当大きくなっていました。
ピナレロのロードバイクは中古品にも特価が見られる!
ここまではピナレロのロードバイクについて、新品が特価になるケースをご紹介しましたが、価格ということだけを考えるのであれば、中古品が視野に入ってきます。
中古品ですから状態の善し悪しもあり、どこまでを特価と判断するかは難しいところですが、最近は市場が確立してきています。
中古買取店がネット通販や実店舗を通じて販売していることもあり、整備や消耗品の交換なども行っており、状態のよいものが多くなってきているイメージです。
また、持ち込まれた事情は様々ですが、「新古品」と呼ばれる未使用品が出品されていることもあります。
筆者が確認したことがあるもののなかでは、2016モデルの「DOGMA K8-S」フレームセットの新古品が、49.9万円という定価の約45%オフで販売されていたのが特価としても安い価格でした。
サイズも46、50、53と揃っており、しかもピナレロが機材を提供する「チーム・スカイ」のボディカラーを採用したモデルです。
これはほんの一例であり、他のサイトでも新古品は見られますのでねらい目かもしれません。
ピナレロの中古フレームで「バラ完」を行う!
前項でお話しした中古品ですが、フレーム買いを考えている方には最適かもしれません。
完成車であれば付属しているコンポやホイールなどパーツの査定額も含まれますが、フレームは単体の査定ですから価値も分かりやすいです。
また、完成車のパーツは消耗品でもありますので、フレーム以上にヘタっている可能性もあり、購入後すぐに交換するなんてことも珍しくありません。
そのため、冷静な目で判断するとそれほどお得感がないものもあり、中古品のメリットが薄れてしまいます。
そのため、余剰パーツなどがある方は中古で特価のフレームを購入して、パーツを自分で組み付けて完成させていく「バラ完」に挑戦してみても良いかと思います。
しかも、前項でご紹介したピナレロのフレームなどは、あれだけの大きな値引き率ですから、その分の予算をパーツに回すということもできますので、自分が納得のいくバイクを作れるというメリットもあります。
特価になる理由を把握し情報を事前につかむ!
ピナレロは新陳代謝が激しいブランドであり、ニューモデルの投入や、モデルチェンジが毎年のように行われます。
そのたびに販売店はシーズン前に販売体制を整えるために、特価や激安と銘打って値引き販売を行います。
本文でお伝えしたように、2018→2019シーズンはピナレロにとって大きな変革となりましたので、特価になるケースも多くねらい目のシーズンだったとも言えます。
こういった大きな変革はかなり前からアナウンスされますので、情報を敏感にキャッチするという意識も必要かもしれません。