ロードバイクのコンポは、世界三大メーカーと言われる、シマノ、カンパニョーロ、スラムがほぼ独占状態です。
特に完成車には、適度なコストで評判もよいということで、シマノ製のコンポが非常に多いです。
そこで今回は、シマノのロード用コンポを、グレード別にご紹介していきます。
ロード用コンポとは?
今回は、シマノのロード用コンポをご紹介しますが、まずコンポのご説明をしておきます。
コンポは、自転車の駆動に関わるパーツとブレーキの総称で、自転車の心臓部とも言える重要な部分です。
主なパーツは、STIレバー(シフト・ブレーキ一体型)、フロントディレイラー(変速機)、リアディレイラー、クランクセット(クランク+フロントギア)、スプロケット(リアギア)、チェーン、ブレーキです。
これらは一式セットでも販売されていますし、単品での導入も可能です。
コンポには、メーカーによっていくつかのグレードがあり、完成車には一式セットで導入されることが多いです。
グレード間の差はもちろん性能の違いが大きいですが、グレードが上がるにつれて変速段数が多くなり、軽量になっていくにつれ、価格が上がっていきます。
後述しますが、シマノのロード用コンポの最上位グレードと最下位グレードでは、セット一式で重量が約1000g、価格は約20万円の差があります。
また、コンポはロードバイクの操作性や快適性に大きく関係するもので、スピード面にはあまり関与しないことを覚えておいて頂きたいと思います。
シマノのロード用コンポ一覧
それではここから、シマノのロード用コンポをグレードごとにご紹介していきますが、まず一覧にまとめます。
上から上位グレード順です。
★リア11速
【Dura-Ace(デュラエース) Di2(電動式変速)R9150】
【Dura-Ace R9100】
【ULTEGRA(アルテグラ) Di2 R8050】
【ULTEGRA R8000】
【105(イチマルゴ)R7000】
★リア10速
【TIAGRA(ティアグラ)4700】
★リア9速
【SORA(ソラ)R3000】
★リア8速
【CLARIS(クラリス)R2000】
コンポ名の横の数字は最新モデルの品番ですが、旧モデルもまだ出回っていますので、のちほど個々にご紹介する際に、品番も時系列でお伝えします。
また、シマノのコンポには、このグレードに属さないノングレード品がありますが、今回はあくまでもグレード毎にご紹介しますので、ご了承ください。
シマノ・ロード用コンポ①最上位モデル
それでは、シマノのロード用コンポをグレード別にご紹介します。
【デュラエース】
ロード用最高峰のコンポで、性能、価格は頭一つ、いや頭三つほど図抜けた存在です。
多くのプロチームにも供給されており、シマノのコンポの象徴的存在となっております。
価格は電動変速モデルDi2が一式セットで約31万円(税込)、機械式変速が22万円となり、セカンドグレードのアルテグラの2倍以上になります。
完成車では、相対的に価格の安いメーカーでも50万円台からの搭載となり、シマノのコンポを搭載した60万円以上の完成車は、ほぼデュラエースと考えてよいです。
リア11速になったのは、2012年の9000系からで、R9100系になってからディスクブレーキが加わり、シマノでは初めてクランクにパワーメーター搭載モデルも導入されています。
★品番時系列(2000年代に入ってからのモデル対象、左が最新モデル)
・機械式
R9100←9000(リア11速化)←7900←7800
・電動式
R9150←9050←7970
シマノ・ロード用コンポ②リア11速モデル
前項に引き続き、シマノのロード用コンポをご紹介します。
【アルテグラ】
シマノのトップグレードのユーザーの裾野を広げるという役目があり、デュラエースの技術を踏襲しながら、素材や技術を工夫し、手の出しやすい価格で提供するのが特徴です。
そのため、ここ最近はデュラエースのモデルチェンジの翌年にアルテグラもリニューアルされるという周期が続いています。
価格は電動式変速が一式で約14万円、機械式が10.5万円となり、20万円台の完成車にも搭載できるほどになります。
最新R8000系の注目はクランクで、チェーンリングにも肉抜き加工がされている「ホローグライド」は、デュラエースとアルテグラにしかない特別な技術です。
★品番時系列
・機械式
R8000←6800(リア11速化)←6700←6600
・電動式
R8050←6770
【105】
リア11速の中では、最廉価モデルであり、セット一式で約6.5万円(税込)となります。
シマノのロード用コンポの中では、コスパは図抜けており、プロの使用はないと思いますが、アマチュアならレースから普段使いまで何でもこなしてくれる汎用性の高いコンポです。
10万円台の完成車にも付属してきますし、30万円台のカーボンエアロロードなども105搭載車が増えています。
2018年にR7000系にモデルチェンジを果たし、上位モデルを踏襲したデザインになり、ディスクブレーキモデルも加わりましたので、ますます人気が上昇するはずです。
また、このあとご紹介するグレードのコンポとはブレーキのレベルが段違いと言われており、「ブレーキだけでも105」というのがもはや定説となっています。
★品番時系列
R7000←5800(リア11速化)←5700←5600
シマノ・ロード用コンポ③リア10速以下のモデル
引き続き、シマノのロード用コンポをご紹介しますが、ここからはリアの変速数が一段づつ減っていきます。
【ティアグラ】
2018年現在「ロードバイク」を表す品番の頭文字「R」が付いていないのはティアグラのみで、周期から見ると2019年がモデルチェンジイヤーとなります。
2015年のモデルチェンジで、リア11速化も予想されていましたが見送られ、今度こそかという憶測も飛び交っています。
上位グレードの技術を受け継ぎ、現在の4700系は性能の評価も高いですが、クランクアームが中空構造の「ホローテック」にならず、セット価格が105とあまり変わらないこともあり(約7000円)、中途半端なイメージも付いてしまっています。
★品番時系列
4700←4600(リア10速化)←4500
【ソラ】
入門編のグレードながら形状やデザインは上位グレードを忠実に踏襲し、2016年のR3000系へのモデルチェンジでは、レーシングモデルのようなたたずまいになりました。
完成車では、10万円前後の機種に多く搭載されており、フラットバーハンドル用のモデルもありますので、クロスバイクへの搭載も多いです。
現在のR3000系のハイライトはフロントディレイラーで、上位モデルにもない独自のワイヤールーティングになっており、スムーズな変速が高評価を受けています。
★品番時系列
R3000←3500←3400(リア9速化)←3300(デビュー)
【クラリス】
ロード用コンポとしては最廉価モデルとなり、セットでの導入は10万円を切る完成車とクロスバイクがメインとなります。
カスタムとして単品で使用するにはグレードが低すぎるので特筆事項はありませんが、2017年のR2000系へのモデルチェンジで、ソラと同様に上位モデルのデザインを受け継ぎました。
★品番時系列
R2000←2400(デビュー)
シマノのロード用コンポには互換性がある
ここまで、シマノのロード用コンポを確認してきました。
ロードバイクは、パーツを交換しながら乗り繋いでいくものと言われており、コンポはその代表的なものです。
グレードでセットにしているということは、、連動性を持たせているということなので、カスタム時にはセット一式の導入が望ましいですが、単品での導入も近年はしやすくなっています。
それと言うのも、以前のシマノはモデルチェンジをしたら一式で交換してくださいと言わんばかりに、旧モデルや他のグレードのコンポとの互換性をほとんど持たせませんでした。
しかし、今は互換性を意識しており、例えばリアが同じ11速の3モデルはほとんどが互換性を持ちますので、電動式と機械式さえ間違えなければ、幅広くカスタムを行えます。
また、ブレーキなどは変速段数とは無関係ですので、極端に言えばクラリスのレバーでデュラエースのブレーキを操作することも可能です。
詳しい互換表はシマノのホームページに掲載されていますので、参考にしてください。
レースなら105以上、それ以外の用途なら価格を抑える手もある!
今回は、シマノのロード用コンポを確認しました。
グレード別の性能や価格差は激しいですが、レースを見据えるならリア11速のモデル、レース志向が薄い方はそれ以外も視野にと考えると、分かりやすいかと思います。
ただし、ブレーキだけは筆者の経験からも、105以上のグレードがおすすめです。