ピナレロには高級なイメージが定着しており、インプレ情報などを見ると、ハードルの高さを感じている方も少なくないようです。
また、世界中のレースで活躍しているブランドだけに、プロ仕様というイメージもあり、また違った面のハードルもあるように感じます。
今回はそんなイメージを持っている方にこそおすすめしたい、「PRIMA(プリマ)」をご紹介します。
プリマはピナレロのロードバイクでは群を抜いて安価
ピナレロのロードバイクですが、インプレ情報での高級なイメージは間違いではなく、確かに高額な機種が揃っていると言えます。
フラッグシップモデルの「DOGMA(ドグマ)」シリーズは、フレームセットだけで最低でも70万円オーバー、上位グレードでは100万円に迫るものもあります。
セカンドグレードのプリンスもドグマよりは大分下がりますが、それでも完成車で90万円を軽く超える機種もあります。
その他にしても、30万円台で購入できるのが1機種、20万円台には2機種しかありません。
その中でプリマはキッズモデルの「SPEEDY」を除くシニアモデルでは、ピナレロの中で唯一10万円台で購入できるロードバイクになります。
しかも、ロードバイク用のコンポの安定感では群を抜く、シマノ製のフルセットですから、高級なイメージのあるピナレロの中では特にリーズナブルさが目を引きます。
2015年にラインナップに加わりましたので、2019モデルは5期目に入ります。
新陳代謝の激しいピナレロにあって、ほとんど当初の原型をとどめたまま残っているのは、高い人気の証ではないでしょうか。
ピナレロがアルミフレームに力を注いできた歴史
ピナレロのプリマですが、シニアモデルでは唯一の10万円台のロードバイクですが、唯一のアルミフレーム車でもあります。
2018モデルまでは、アルミにもう一台「NEOR(ネオール)」という機種がありましたが、2019モデルにはラインナップされず、アルミ車はプリマのみとなります。
ただ、ネオールはピナレロの伝統でもある、「カーボンバック」いう特殊なフレームでした。
1990年代の終わり、カーボンフレームがまだ広まる前に、サドル後方から後輪に向かって伸びるシートステイにカーボン素材を使用したのがカーボンバックです。
多くのサイクリストがカーボンの乗り心地を知らない時代ですから、爆発的なヒットとなり、他のメーカーも追随したため、ブームになったとも言われています。
その名残リがネオールだったわけですが、フルカーボンが当たり前の時代になり、他メーカーにはネオールより安価なフルカーボン車もありますから、需要もなくなってしまったということでしょう。
しかし、インプレ情報などでは型落ちを探しているような記載もありますし、根強いファンはいます。
このカーボンバックに代表されるように、ピナレロはアルミフレームにも昔から力を注いできた経緯がありますので、唯一の生き残りとはなりましたが、プリマにも変わらぬ愛情が注がれているはずです。
ピナレロ・プリマのフレームに対するインプレ評価
それではここから、ピナレロ・プリマのスペックをご紹介します。
頑丈で耐久性のある「6061」系のアルミを、1本のチューブ内に厚さの違う箇所を3か所設ける「トリプルバテッド」という技術で加工しています。
応力の掛かるチューブ同志の接合部分は厚くして強度を高め、その他の部分は薄くして軽量化を図ることができます。
そして、プリマはアルミフレームにしては珍しくなった、「ホリゾンタルスタイル」を採用しています。
トップチューブが地面と平行に真っ直ぐに伸びている形状で、クロモリなどのスチールフレームが全盛だった時代のスタンダードです。
前側の三角形が大きくなるので衝撃吸収性が高まり、乗り心地がソフトになるという特徴があります。
プリマの試乗インプレで、乗り心地の良さや快適性を伝えるものが多いのは、少なからずこのスタイルが影響してのことでしょう。
また、きれいなダイヤモンドがフレームに描かれるということで、インプレ情報ではそのデザインを気に入ってプリマを選んだという報告もあります。
なお、ホリゾンタルスタイルは車高を低くできず、小さいサイズは作れないので、プリマも42、44、46サイズは、トップチューブが斜めに下がっている「スローピングスタイル」になっていますのでご注意ください。
インプレ情報から伝わるピナレロの象徴「ONDA」の魅力
前項に引き続きピナレロ・プリマのスペックをご紹介しますが、ピナレロの象徴とも言える「ONDA(オンダ)」にも触れておきましょう。
ONDAはクネクネと曲げ加工を施したフロントフォークのことで、他にはマネすることのできないピナレロ独自の技術です。
曲げ加工をしていることで地面からの突き上げをいなし、衝撃を適度に吸収することが出来ます。
左右が非対称なデザインになっていることで、力の掛かり方が均等になるので、ハンドリングが安定して、扱いやすくなります。
そして、機能面だけではなく、デザイン面もインプレ情報ではとても高く評価されています。
プリマのONDAフォークは昔ながらの形状で、人の脚のラインを意識したような脚線が美しい形状です。
しかし、現在の上位モデルのONDAは曲げ加工が緩やかなので、デザインはどちらかというとシンプルです。
機能面に何ら問題ないのですが、あのクネクネ感がピナレロらしさと考えているユーザーには物足りなさもあり、筆者もその一人なので、プリマにはとても魅力を感じています。
ピナレロ・プリマのインプレ情報
ここではピナレロ・プリマに実際に乗った方の、インプレ情報を確認します。
まず多くの方が伝えているのは、クッション性の高さを感じさせるソフトな乗り心地です。
これはホリゾンタルスタイルであることのたまものであり、アルミらしいシャキッとした感覚の中に、優しさも加味されているということです。
ロードバイクはある程度の速度を出さないと車体が安定せず、初心者の方などは慣れるまでにそれで苦労することもあります。
しかし、プリマは重心が低めなので車体が安定して、低速でもふらつかずに走ることができます。
さらに、ONDAフォークの効果で、ハンドルにも安定性があるので、扱いやすいという評価も多くなっています。
その一方、後ろ三角はレーシングジオメトリそのものでえあり、コンパクトな設計になっているので、加速力のよさも楽しむことができます。
あとは、先ほども触れましたが、デザインに対する評価もインプレ情報には多いですね。
昔ながらの自転車という基本的な形状なので、そのデザインのファンも多いようです。
ピナレロ・プリマはブレーキに不安ありとのインプレ評価
ここまでピナレロのプリマを確認してきましたが、2019モデルは価格が前モデルよりも2万円以上下がっています。
特に何か仕様が変わったとは発表されていませんし、その他で前年から継続されるモデルの価格は変わっていませんので、為替の関係でもなさそうです。
そのため、単純にさらに手が出しやすい価格になったと考えて良さそうです。
プリマは前項でもお話ししたように、低速での安定感もあり、加速力にも優れているので、色々な路面状況が想定される通勤などの普段使いに向いています。
また、衝撃吸収性が高いので、ツーリングなどロングライドにも適しています。
ただ、そういった使い方を想定しますと、付属パーツではブレーキに不安があるとのインプレ評価が目立ちます。
プリマのブレーキはシマノ・ソラのグレードですが、シマノは105とそれ以下のブレーキに大きな差があると言われています。
やはり、通勤やロングライドではしっかりとした制動力が必要なので、上記のような用途で使用するのであればブレーキは早めに交換した方がよいでしょう。
プリマは2019モデルが旬!
今回は、ピナレロのプリマをご紹介しました。
ピナレロのシニアモデルでは、唯一10万円台で購入できるリーズナブルなモデルですが、安かろう悪かろうということは決してありません。
しかも、2019モデルでは価格も下がってさらにお得感が出ていますので、旬のモデルかと思います。