ロードバイクは高額な上に定価販売が基本なので、価格が気になる方も多くいらっしゃると思います。
しかし、1年の中である季節になると「型落ち」と称して、定価よりも安い金額で店頭に並ぶこともあります。
世界でもトップクラスの販売台数を誇る「トレック」でも、取り扱い店舗が多いだけに型落ち品は見逃せないところです。
そこで今回は、型落ちのロードバイクについてメリット・デメリット、購入時期などについてお話します。
型落ちロードバイクとは?
まずそもそも、型落ちロードバイクの「「型落ち」とは何か?」からご説明します。
スポーツバイクメーカーは、多かれ少なかれ、毎年のように新しいモデルを発表します。
そうなると、前年までのモデルは旧モデルになるので、これを型落ちと呼びます。
例えば、今は(2018年4月)2018年モデルが販売されていますので、2017年モデル以前のものは型落ちとなります。
ここで勘違いしないで頂きたいのは、型落ちはあくまでも「新品」に対して使われる言葉で、中古品のことではありませんのでご注意ください。
それでも販売店は、トレックなどのメーカーが新モデルを発表すれば、仕入れをして販売しなければいけません。
そこで旧モデルが残らないように型落ちと称して、段々と価格を下げて販売をしていくわけです。
新モデルは、フレーム形状やデザインの一新などのフルモデルチェンジがないとは言いませんが、大抵は色であったりパーツのちょっとした仕様変更だけのことが多いです。
そのため、フルモデルチェンジ以外の型落ちであれば、性能がほぼ変わらないものを安い価格で購入できる可能性があります。
トレックの型落ちロードバイクの相場
ロードバイクの型落ちモデルについてお話していますが、ここからはメリットを考えてみましょう。
メリットは、正直に言えば価格に尽きます。
ロードバイク初心者であれば、小難しい特殊技術や性能などは考えてもよく分かりません。
まして、トレックのように技術力の高いメーカーであれば、初心者向けのエントリーモデルであっても素晴らしい技術が盛り込まれているものです。
それであるならば、型落ちは良いものが安く手に入れられるということなので、敬遠する理由はないかと思います。
価格に話を戻しますと、旧モデルなので年代によって違いますが、筆者が数店舗のプロショップを調べたところでは、トレックでは定価の15~20%オフが相場でした。
トレックの正規品は、必ず実店舗での対面販売になりますし、価格競争が行われていないので現役シーズンのモデルはほぼ定価での購入になります。
それを考えると、この値引き率は大いに魅力ありと言えます。
ただし、時期によっても値引き率は変わってきます。
これは型落ちが発生する時期と関係しますので、のちほど詳しくお伝えします。
型落ちのロードバイクはまずサイズをチェックする
前項では型落ちロードバイクのメリットにいついてお話しましたが、デメリットもお伝えしておかなければなりません。
型落ちは言い換えれば「売れ残り」ですから、選択肢が限られてしまいます。
現役モデルであれば店舗に在庫がなくてもメーカーからの取り寄せができますが、型落ちは現品限りですから、店舗に残っているものが全てです。
デザインや色であれば多少は目をつぶっても良いところですが、問題はサイズです。
トレックはサイズが豊富ですし現役モデルの生産数が多いですから、自分に合うサイズが型落ちになる可能性が他メーカーよりも多いです。
しかし、ロードバイクのサイズは単に大きい・小さいという問題ではなく、自分に合う合わないがとても重要になります。
特にロードバイクは、ハンドルやサドルの高さや角度まで計算してポジションを決めていくものなので、サイズは極めて重要な要素です。
自分に合わないサイズですと、ロードバイクの性能を十分に引き出せませんし、無理な体勢になると身体を痛めてしまう可能性もあります。
したがって、自分に合うサイズがない場合は、型落ちは諦めるしかありません。
型落ちのロードバイクは売れ残りであることを認識しておく
トレックなどの人気ブランドは、ロードバイクの種類がとても多いので、どうしてもモデルごとによって人気に差が出ます。
型落ちは売れ残りであるとお話しましたが、そうなると不人気の機種である可能性が高くなります。
メーカーは、毎年少しでもモデルチェンジをしてニューモデルを出したいので、それを見越して生産をします。
ですから、シーズ中期辺りから生産数の調整を掛けるのですが、それでも残って型落ちになるのは人気がないと判断せざるを得ません。
仮に人気があるとしても、特定の色だけ残ってしまうこともあるので、やはり型落ちは選択肢が狭くなります。
そのため、もし明確に自分の欲しいモデルが決まっているのであれば、型落ちを待っていると買い逃す危険性もあるので買いたい時に買うのが最適です。
したがって型落ちは、とりあえず機種は何でも良いから、とにかくトレックのロードバイクが欲しいという方に向いていることになります。
トレックのロードバイクが型落ちになる時期
ロードバイクが型落ちになり値引き販売されるようになるのは、毎年だいたい7月くらいからとなります。
スポーツバイクメーカーは前年の6~7月に次年度のニューモデルの発表を行いますので、その時点から現役モデルは型落ち路線を歩み始めるわけです。
順次発表が行われ、お店に並び始めるのが10月くらいになりますので、その期間がメーカー側にとっては型落ちを処分する最大のチャンスになります。
熟練者になってくると、そのメカニズムが分かっていますので、6月くらいからショップ巡りをする人もいます。
そのため、特にトレックのような人気メーカーなら、9月10月ともなると良いものは残っていないでしょう。
ただし、型落ちや傷アリ、サンプル品などの理由から「アウトレット」になる商品に非常に強い店舗もあります。
そういった店舗は2~3月という新生活が始まる前に、型落ちが大量に入荷してくることもあるようです。
この時期ですと残ってしまえば2シーズンの型落ちになるので、メーカー側も処分に躍起になり割り引き率も大きくなる可能性が高いです。
そのため、小まめにチェックしていると、思わぬ掘り出し品に当たるかもしれません。
中古品の価格は魅力だがトレックではおすすめしがたい
ロードバイクを価格という観点から確認していると、型落ちと同時に目に留まるのが「中古品」になります。
しかも、型落ち品は性格上最新モデルはあり得ませんが、中古品は購入してから僅かで手放す人もいるので最新モデルが店頭に並ぶ可能性もあります。
最新モデルであれば、当然ながらあまり乗られていので、使用感もそれほどなく良好な状態である可能性が高いです。
しかし、中古品は正規販売店では購入できず中古品専門店での購入になりますので、点検・整備に若干の不安があります。
また、トレックには「生涯保証」という制度があります。
条件が多岐に渡り不明瞭な部分もあるので、詳しくは販売店に確認して頂きたいのですが、製品上の問題で故障や破損が起きた場合には無償で修理・交換をするという制度です。
不明瞭な部分はありますが、ハッキリしているのは、この制度の対象になるのは正規販売店で購入されたもの、そしてその最初の所有者に限るという点です。
型落ちは新品ですし正規販売店での購入ですから、もちろん対象になります。
しかし、中古品は元は正規販売店での購入であっても、所有者が変わるのは確実なので、対象外になります。
生涯というのはいささか大げさでも、高額なロードバイクですから、こういった保証を受けられるかどうかは無視できない要素ですね。
型落ちにこだわり過ぎると時期を逃してしまうかも
今回は、型落ちのロードバイクについて考えてみました。
定価販売が基本のロードバイクですから、いくらでも安く買える手段があるなら選択肢に入れたいですね。
基本的には売れ残りですので選択の余地は少ないですが、特定の機種狙いでなければ掘り出しものに当たる可能性もあります。
しかし、あまり型落ちにこだわると、いつまでも購入できないことにもなりかねません。
そのため、新モデル発表前の春過ぎくらいから検討を始めて、時期を見ながら「そろそろ型落ちも出るかな」くらいの感覚で良いかもしれません。