アルミでカーボンの乗り味!アンカーRL6のインプレ評価は?

アンカーの「RL6」はアルミフレーム車になります。

しかし、インプレ情報ではカーボンやクロモリに近い乗り心地という評価も多く、従来のアルミフレームとは一線を画しているようです。

非常に興味深いところですので、今回はアンカーのRL6を検証してみます。

アンカーのロードバイクの分別方法

アンカーのロードバイクには、3つのシリーズがあります。

ハイエンドグレードは、プロのロードレースチームにも供給されているレーシングモデルの「RS」。

レース色を薄め、長距離・長時間を快適に走ることが重視されたロングライドモデルの「RL」。

そして、20年以上に渡ってこだわりの製法で作り続けられている、クロモリフレームの「RNC」になります。

それぞれにフレームセットと完成車が用意されており、素材や付属パーツによっていくつかのグレードに分けられています。

また、シリーズ名のあとに付属する数字がフレームの素材とグレードを表しています。

クロモリは別として、「9」と「8」がカーボンフレーム、「6」と「3」がアルミフレーム車で、数字が大きい方が上位グレードになります。

したがって、今回の主役である「RL6」はロングライドモデルのアルミフレーム車で、上位グレードということになります。

冒頭のインプレ情報にもありましたが、カーボンのような乗り心地というのは、カーボンモデルである「RL9」が大きく関わっているので、次項でご説明します。

アンカー・RL6の開発コンセプトは?

アンカーのロードバイクは一部のグレードを除き、「プロフォーマット」という解析技術を基に製品が作られています。

これは、アンカーの母体でもある「ブリヂストン」の研究部門である「中央研究所」と共に作り上げた解析システムです。

このシステムの解析結果から、車体に掛かる応力や空気抵抗など科学的な分析はもちろん、従来では数値化が難しいとされる、人が乗った際の感覚なども数値に変換し、ロスを少なく推進力が最大になるように設計されます。

そして、このプロフォーマットの技術があったからこそ可能になったのが、アルミであるRL6をカーボンの上位グレードRL9の乗り味に近づけるというコンセプトでした。

具体的にはRL9を構成するチューブの形をアルミで再現するということですが、六角形や長方形などあらゆる形をプロフォーマットで解析しながら最適化を図ってきました。

また、アルミ素材自身が持つ細かい伝達性という利点を薄めるということも、ロングライドモデルであれば理にかなったことですから、アルミの良さを消すという大胆さも見事な決断ではありました。

アンカーによりますと、最初の試乗テストからライダーに「カーボンに近い」というインプレが聞こえたとのことなので、レベルの高さを感じさせます。

アンカー・RL6のフレームのインプレ評価

それではここから、アンカー・RL6の2019年モデルの詳細をご紹介します。

まずフレームですが、強度や耐久性に優れた「6061」系のアルミ素材を使用し、前項でお話しした通り、カーボンのRL9に近い形状に成形されています。

フロントフォークはカーボン製、全ての完成車に同じフレームが採用されています。

フレームのジオメトリを見ると、車高が高く、ハンドルからクランクの付け根であるBBまでの距離が短いので、アップライドな乗車姿勢になります。

また、ヘッドチューブが短かく、取り付け角度も寝かせ気味ですので、小石や細かい段差にその都度反応してしまうような神経質なところはなく、安定したハンドリングができます。

そして、車輪よりもペダルが下がり気味の位置に付きますので重心が低くなりますし、前後輪の車輪間の距離が長いので、車体がどっしりと安定します。

これらは、典型的なロングライドモデルのジオメトリであり、カーボンの乗り味に近づけるというコンセプトとも加味すれば、非常に扱いやすく、乗りやすいモデルであることが分かります。

インプレ情報でも圧倒的に快適性を支持する声が多く、アンカーの意図が確実に伝わっていると感じます。

アンカー・RL6完成車のインプレ情報

前項ではアンカー・RL6のフレームをご紹介しましたが、ここからは完成車も含めた全体のインプレ評価を確認します。

RL6の製品パッケージは、以下のフレームセット(フレーム+フロントフォーク)と3種類の完成車になります。

★フレームセット 

参考価格:¥97,200

★完成車

【RL6 EQUIPE】

参考価格:¥194,400

シマノ・105のフルコンポに、 シマノのホイール「WH-RS100」が組み合わされた、ハイエンドモデルになります。

2019年モデルからR7000系にモデルチェンジした105が搭載されるということで、インプレ情報でも期待の高まりが感じられます。

【RL6 SPORT】

参考価格:¥167,400

コンポがリア10速のシマノ・ティアグラになります。

上位モデルとの差がコンポだけなので、この価格差であれば個人的にはもうひと踏ん張りして、EQUIPEにしたいところです。

【RL6 EX】

参考価格:¥135,000

コンポがリア9速のシマノ・ソラになり、ホイールが手組みになり、オプションである「パーツセレクト」と「カラーオーダー」を選択することができません。

しかし、9.7万円のフレームがこの価格で完成車になっているのを高評価する声もあり、筆者もその一人です。

「RL6 EQUIPE」にはインプレ評価の高い新・105が搭載される

前項ではアンカー・RL6の完成車の構成を確認しましたが、フレームが全て同じものですから、判断は付属パーツ次第ということになります。

しかも、究極を言えばフレームセットも用意されているので、パーツを一から自分で選択して完成形に組み上げる、通称「バラ完」も可能なわけです。

しかし、バラ完はある程度経験も積み、メンテナンスやちょっとした修理まで自分でできるようになってからでないと厳しいので、最初はやはり完成車を購入するのがおすすめです。

では、RL6のどの完成車を選ぶかですが、レースやロングライドのイベントに参加したいという方は、105搭載の「EQUIPE」がおすすめです。

シマノ・105にはレースにも対応できる高い機能性と、下位グレードとは明らかに差のあるしっかりと作り込まれている質感がありますから、満足度を高めたいならEQUIPEです。

まして、EQUIPEには2019モデルの完成車から新・105が搭載されます。

既にセットや単品の販売が始まっており、インプレ情報でもクランクの剛性感アップや、STIレバーの操作性の向上が高評価されていますので、ますますおすすめになります。

RL6最廉価の「EX」を選択する意味

前項ではレースやイベント参加にはアンカー・RL6の中でも「EQUIPE」をおすすめしました。

一方、コスパを重視する、またレース志向の薄い方には「EX」をおすすめしたいですね。

前項でも触れましたが、フレームセットの価格からすると、シマノのコンポを使用して13万円と、そこそこの価格に抑えられているのはコスパが高いです。

シマノのソラもセット一式で購入すれば3万円程度しますので、それだけで完成車の合計金額付近までいってしまうわけです。

しかも、初期投資が13万円前後で抑えられるなら、後からのカスタムに費用が回せると考えることもできます。

実際にインプレ情報でも、予算を20万円をしていた方がEXを選択、差額でホイールをすぐに交換したという報告もありました。

コンポは機能性や快適に走るという面では貢献しますが、スピード面においてはグレードを上げても体感できるのは微々たるものです。

しかし、ホイールは軽量で高性能なものにすれば、ストレートにスピードアップが感じられますので、投資に対する満足感が大きいものです。

そのため、上記のような予算の振り方をして、ホイールのグレードを上げるという方法は、おすすめのカスタムになります。

アンカーの意図は伝わっている!

今回は、アンカーのRL6を特集しました。

アルミフレームでカーボンの乗り味を目指すということを公言して、開発の根本におくというのは他にはあまりない発想であり、希少価値があります。

インプレ評価でもその意図が伝わっているのが分かりますので、アルミフレームでも乗り心地の良さを求めたい方は、真っ先に検討してみて頂きたいです。