ロードバイクは本格的にレースをする人に向けて作られているため、興味は持っても自分にはハードルが高いと感じている方も、少なからずいらっしゃるかと思います。
今回はそのような方にこそ乗ってみて頂きたい、アンカーのRS6をご紹介していきます。
インプレ情報などからは、初心者の方が最初の一台に選んでいるケースも多く、ハードルはそこまで高くないのかもしれません。
RS6がラインナップされている「アンカー」とは?
アンカーは「ブリヂストンサイクル」の競技用自転車のブランドなので、日本メーカーが作るスポーツバイクです。
ブランドのコンセプトが「日本人のためのもの作り」ですし、海外に輸出もしていませんので、おのずと日本人をターゲットにしていることになります。
以前はインプレ情報などでロードバイク後進国の作るバイクなどと揶揄されたこともありますが、乗り心地の良さや扱いやすさが評価をされるようになり、今ではそのような声はほとんど聞かれません。
また、日本屈指のサイクリングチーム「チーム・ブリヂストン」の機材もアンカーの担当であり、かつてはオリンピックに出場した経験もありますし、2020年の東京に向け編成の強化も進んでいます。
MTBやシクロクロス、トラックレーサーなど競技用のバイクが多い中、ラインナップの数を見れば一目瞭然で、主力はロードバイクです。
その中でもシリーズ分けされており、ハイエンドモデルがロードレースチームのメインバイクでもある、レース志向の強い「RS」シリーズ。
レース色を抑えたロングライド向きの「RL」シリーズ。
そして、こだわりのネオコット製法で製造されるクロモリフレームの「RNC」シリーズが展開されています。
今回はその中から、RSシリーズの「RS6」を中心にお話を進めていきます。
アンカー・RS6はアルミフレーム車
アンカーのロードバイクRSとRLシリーズは、フレーム素材にカーボンとアルミが用意されています。
製品名に付属する数字で9と8がカーボン、6と3がアルミ、数字が大きい方がグレードが高くなります。
したがって、今回の主役「RS6」は、レース志向の強いモデルのアルミフレーム車ということになります。
また、アンカーは同じ日本のパーツメーカー「シマノ」のコンポを最適化するためのもの作りをしていますので、完成車は一部を除きますがシマノのフルコンポです。
筆者も感じたことがありますが、特にショップ店員さんなどでの情報では、驚くほどの相性の良さと表現することがあるほどです。
搭載されているコンポの種類によって完成車の名称が決まっており、それは下記の通りです。(上からグレード順)
名称無し→デュラエース
ELITE→アルテグラ
EQUIPE→105
SPORT→ティアグラ
EX→ソラ
カーボンフレームにはリア11速の上位3モデル、アルミフレームは105以下の3モデルが搭載されます。
インプレ評価でよく目にするアルミフレームのメリット
ロードバイクの現在の主流は、カーボンフレームになります。
これはロードバイクがロードレースの機材で、レースに使われるものがトレンドになる流れだからです。
プロレースの世界では現在カーボンの一択状態なので、一般市場もおのずとその流れになっているということです。
しかし、一部のカーボン専業を除き、各メーカー、ブランドはアルミフレームの製造、販売を継続しています。
その要因は様々考えられますが、一番大きいのは価格でしょう。
アンカーRSシリーズのフレームセット(フレーム+フロントフォーク)の参考価格は、以下の通りです。(価格は税込)
★カーボン
RS9→¥378,000
RS8→¥194,400
★アルミ
RS6→¥102,600
カーボンのハイエンドに対して約1/4、セカンドグレードでも約1/2の価格になりますので、アルミフレームのリーズナブルさが際立ちます。
また、完成車となるともっと顕著で、カーボンは上位グレードのため、組み合わされるパーツもそれ相応になる分、差がさらに大きくなります。
インプレ情報でも筆者の経験上もそうですが、ロードバイクを最初に購入する際には予算が10万円台というケースが多いです。
そうなると上記の金額を見て頂ければお分かりのように、フレームセットだけでもカーボンは無理なので、おのずとアルミを選択することになります。
カーボンフレームにも10万円台で購入できる完成車もありますが、アンカーにはありません。
インプレ評価でよく目にするアルミフレームのメリット~続き
アンカー・RS6がアルミフレームということで、アルミ車のメリットについて考えています。
価格に続いては、扱いやすさという点も、インプレの評価で耳にします。
アルミが扱いやすいということもありますが、カーボンが神経を使うという意味でもあります。
カーボンフレームは繊維を何層にも敷き詰めてできていますので、層が崩れてしまうとそこから破断してしまう可能性があります。
転倒した際に縁石などの障害物に激突する、駐輪場で隣の自転車のチェーンが当たってしまうなどのトラブルで車体に傷が付くことがあります。
この際にアルミであれば塗装が少し剥げ、車体がへこむことくらいはあるかもしれませんが、破断するほどのことにはなりにくいです。
特に経験の浅い内は何かとトラブルもありますので、破断の可能性のあるカーボンよりもアルミの方がリスクが少ないのは間違いありません。
そして、単純に価格を考えても、高額なカーボンフレームで慣れない内からガンガン走り回るというのは、現実味が低いと言えます。
アンカー・RS6のインプレ評価
前項までお伝えしてきた通り、アルミフレームはロードバイク最初の一台として、色々な面で適しています。
そこでアンカー・RS6のお話になりますが、まずレースモデルという位置付けになります。
文字通りロードレース用に、前傾姿勢が深くなる形状で、ペダルを漕いだ力をロスさせないように硬めの素材で力の伝達力を高める、そして重心を低くして推進力をアップさせるという特徴があります。
ただし、こういった特性は扱いにくさや乗り心地の硬さというデメリットにも繋がる可能性があり、経験が浅い方には厳しい設定でもあります。
しかし、アンカーは日本人向けのもの作りをしているとお伝えしたように、日本人の体型に考慮しているので、レースモデルでもあまり無理な姿勢にならず、乗りやすい設定になっています。
また、RS6は少し柔らかめのアルミ素材を使用しているので、しなりがあって衝撃をフレーム全体で吸収してくれるところがあります。
反面しなりがあると、ペダルを漕いだ力まで吸収されるので、加速力やスピードの維持に劣る所があるものです。
しかし、アンカーのロードバイクには、推進力(前に進む力)を最大限にするというテーマがありますので、柔らかめの素材でもそこを犠牲にはしません。
実際に乗ったことのある方のインプレでの評価でも、相反するはずの乗り心地とスピード感のバランスの良さを称える声が多いです。
アンカー・RS6はレースに限らないオールラウンダー
今回は、アンカーのRS6が初心者やロードバイク経験の浅い方に適しているという観点でお話ししてきました。
初心者の方はまだ用途が定まっていないところがあるので、できるだけ幅広く対応できるオールラウンドタイプが適しています。
その点でもRS6は、衝撃吸収性があって乗り心地がソフトなので、100㎞程度のロングライドもこなせます。
また、軽量とまでは言えませんが、推進力がありますから多少の坂はもろともしませんので、ヒルクライムも楽しめます。
そして、取り扱いに気を使わないという面では、駐車が多くなる街乗りで心配が少ないので、普段使いもして頂けます。
特に通勤などで20㎞、30㎞と距離を乗るには、快適なスピードの伸びや風を切る爽快感が味わえるので、楽しく職場に向かえるはずです。
実際にインプレの情報では、レースに参加しているライダーが、通勤用にはRS6を愛用しているという話もあります。
RS6はまとまりのよいオールラウンドタイプ
今回は、アンカーのRS6についてお話ししました。
アンカーのRS6はレースモデルでありながら、快適性の要素も加味されていますので、用途を問わないオールラウンダーに仕上がっています。
最初の一台としては価格も手ごろかと思いますので、まずは試乗をして感触を確かめて頂きたいと思います。