メリダのロードバイクは、完成車状態でのコストパフォーマンスが高いことで知られています。
しかし、実際に同クラスの価格帯の他社のロードバイクと比較した場合に、メリダのロードバイクは本当にコストパフォーマンスに優れるのでしょうか。
そこで、大手ロードバイクメーカー5社とメリダのロードバイクを、クラスごとに比較し本当にコストパフォーマンスに優れるのかを検証します。
メリダのロードバイクはコストパフォーマンスに優れるのか?
この記事では、コストパフォーマンスが高いとされる、メリダのロードバイクの価格を、トレック、ビアンキ、スペシャライズド、アンカー、ジャイアントの5社と比較します。
価格の比較は、エントリークラス、ミドルクラス、ハイエンドクラス、以上3つのクラスから代表を1台選び出し、それぞれを比較します。
選出基準は、エントリークラスは最も価格が低いもの、ミドルクラスは25万円前後のもの、ハイエンドクラスは100万円前後のものとします。
基本は、リムブレーキモデルかつ、ハイエンドクラスではオールランド系のものとします。
以下より箇条書きにて、基準となるメリダのロードバイクの詳細です。
上から、エントリークラス、ミドルクラス、ハイエンドクラスの順です。
左から、モデル名、価格、使用されているコンポーネントの順で記しています。
この表記方法は次章からも継続します。
・RIDE 80 ¥85,900 クラリス
・SCULTURA 5000 ¥239,000円 アルテグラ
・SCULTURA TEAM-E ¥1,100,000 デュラエースDI2
以上を基準に、他社のロードバイクと比較をします。
上位クラスではメリダより価格で優れるトレックのロードバイク
トレックは、ロードバイクメーカーの中でもトップクラスの規模のメーカーです。
以下よりトレックのロードバイクの詳細です。
・Emonda AL2 ¥79,000 クラリス
・Domane SL5 ¥241,000 105
・Émonda SLR 9 Disc eTap ¥1,071,000 スラムレッドeTap(ディスクブレーキ)
エントリークラスから比較します。
コンポーネントは「RIDE 80」と同様にクラリスです。
しかし、価格は「Émonda AL2」の方が安価です。
これはブレーキやクランク等のパーツでコストカットしているためです。
しかし、それによる性能の差は少ないと考えられます。
続いて、ミドルクラスを比較します。
メリダの「SCULTURA 5000」と比較した場合、価格は同様でもコンポーネントに差があります。
この差は、「Domane SL5」がIsoSpeedという振動減衰システムを内蔵しており、それによるコスト増加が原因と考えられます。
ハイエンドクラスの比較に移ります。
メリダの「SCULTURA TEAM-E」より3万円近く安価で、油圧ディスクブレーキや無線変速を採用しています。
なおかつ重量も6.21kgと軽量で、コストパフォーマンスは高いと言えます。
価格面ではメリダに一歩およばなかったビアンキのロードバイク
ビアンキは世界最古の自転車メーカーとも呼ばれる、イタリアの老舗です。
以下よりビアンキのロードバイクの詳細です。
・Via Nirone 7 ¥110,000 クラリス
・Fenice ¥268,000 105
・Oltre XR4 ¥1,180,000 デュラエース
エントリークラスから比較します。
「RIDE 80」のクランクがFSA製であるのに対して、「Via Nirone 7」はグループセット純正のものを使用しています。
しかし、両者のクランクの差による影響は小さいでしょう。
続いて、ミドルクラスを比較します。
「Fenice」はアルミフレームですが、「SCULTURA 5000」はカーボンフレームです。
コンポーネントや価格差から考えても、メリダの「SCULTURA 5000」が優位と言えます。
ハイエンドクラスの比較に移ります。
フレームにおいては、「Oltre XR4」には振動減衰のカウンターヴェイルを使用しており高性能ですが、付属するホイールはフルクラムレーシングゼロです。
対する「SCULTURA TEAM-E」には、フルクラムスピード40cが付属します。
そのため、価格では「SCULTURA TEAM-E」に一歩劣る印象を受けます。
価格面ではメリダと同程度のスペシャライズドのロードバイク
スペシャライズドはアメリカのロードバイクメーカーで、その性能の高さによりトップレーサーから支持されています。
以下よりスペシャライズドのロードバイクの詳細です。
・Allez Sport ¥108,000 ソラ
・Tarmac Disc Sport ¥270,000 105(ディスクブレーキ)
・S-WORKS TARMAC ¥1,080,000 デュラエースDI2
エントリークラスから比較します。
「Allez Sport」は「RIDE 80」と比較して価格差が約2万円です。
これは、「Allez Sport」がコンポーネントを一段上のレベルのものを採用しているためです。
ソラグレードになると、リア変速数が9段です。
2万円の費用対効果を考慮すると、「Allez Sport」と「RIDE 80」は同レベルのコストパフォーマンスでしょう。
続いて、ミドルクラスを比較します。
「Tarmac Disc Sport」より低価格ながらアルテグラを採用している点では、メリダの「SCULTURA 5000」が優位です。
しかし、「Tarmac Disc Sport」はディスクブレーキかつ高品質なDT SWISSのホイールを使用しており、足回りのレベルは「Tarmac Disc Sport」に分があります。
ハイエンドクラスの比較に移ります。
パーツ構成の差はほぼありませんが、「S-WORKS TARMAC」には、自社のカーボンクランクを採用しており、それでいて「SCULTURA TEAM-E」よりも2万円ほど低価格です。
その他、細かい部分まで考慮すると、「SCULTURA TEAM-E」より「S-WORKS TARMAC」が、若干ながらコストパフォーマンスに優れると言えます。
ハイエンドクラスの価格に優れるアンカー
アンカーは日本の自転車メーカー、ブリヂストンのスポーツサイクルブランドです。
以下よりアンカーのロードバイクの詳細です。
・RL3 DROP EX ¥105,000 ソラ
・RS8 EQUIPE ¥255,000 105
・RS9 ¥780,000 デュラエース
エントリークラスから比較します。
価格や使用されているコンポーネント等の理由から、「RL3 DROP EX」も「RIDE 80」は同レベルのコストパフォーマンスと言えます。
続いて、ミドルクラスを比較します。
「RS8 EQUIPE」は、他社にはない豊富なカラーが選べるという長所があります。
しかし、標準で付属するパーツからメリダの「SCULTURA 5000」と比較すると、コンポーネントで差が出ます。
ハイエンドクラスの比較に移ります。
「RS9」はアップチャージにより、ホイールとコンポーネントを変更できます。
アップチャージにより、「SCULTURA TEAM-E」と同等の部品(ホイールはデュラエースC40、コンポーネントはデュラエースDI2)に変更した場合には、価格は974,000円です。
完成車で同等の性能のものを買うと考えた場合には、「SCULTURA TEAM-E」より「RS9」がコストパフォーマンスに優れるでしょう。
価格面の強さが際立つジャイアントのロードバイク
最後に、メリダと同様台湾のメーカーであり、世界最大の自転車メーカーであるジャイアントのロードバイクと比較します。
以下よりジャイアントのロードバイクの詳細です。
・CONTEND 2 ¥80,000 クラリス
・TCR ADVANCED 1 KOM ¥245,000 アルテグラ
・TCR ADVANCED SL 0 ¥1,100,000 デュラエースDI2
エントリークラスから比較します。
「CONTEND 2」は、テクトロ製ブレーキキャリパーを使用することにより、コストカットを図っていますが、性能面での差は少ないでしょう。
「RIDE 80」と「CONTEND 2」の価格差は6千円ほどですが、両者は性能面でイーブンであると言えます。
続いて、ミドルクラスを比較します。
「SCULTURA 5000」は、クランクとブレーキにはシマノ製のノーグレード品を採用していますが、「TCR ADVANCED 1 KOM」は全てアルテグラです。
両者の価格差は6千円ですが、費用対効果を考慮すると、「TCR ADVANCED 1 KOM」の方が魅力的に映ります。
ハイエンドクラスの比較に移ります。
価格は両者とも横並びですが、「TCR ADVANCED SL 0」にはパワー計付きデュラエースクランクが標準で搭載されるという相違点があります。
また、「TCR ADVANCED SL 0」は、インテグラルシートポストであるため、シートチューブ周りが最適化されています。
性能と価格から考えて、「TCR ADVANCED SL 0」に分がありそうです。
ミドルクラスの価格面では断然優位なメリダ
メリダのロードバイクを他社のロードバイクと比較しましたが、本当にメリダのロードバイクはコストパフォーマンスに優れるのでしょうか。
結論として、今回調べた限りでは、ミドルクラスの「SCULTURA 5000」は圧倒的にコストパフォーマンスに優れると言えます。
その他の、エントリークラスは他社と同程度、ハイエンドクラスでは若干劣るとのではないか、と筆者の見解です。
また、今回の比較基準が全てではないので、違う目線で見るとまた違う見解になることもあるでしょう。
あくまでコンポーネントなどを基準とした比較です。
少しでも、ロードバイク選びのご参考になれば幸いです。