メリダのグランスピードはミドルグレードの「200-D」に注目

「グランスピード(GRAN SPEED)」はメリダのクロスバイクのシリーズで、ロードバイク寄りの性能を持っています。

通勤・通学から、ツーリングなどのロングライドまで幅広く対応するバイクです。

今回はそんなグランスピ―ドのミドルグレード、「200-D」にスポットを当てます。

グランスピード「200-D」を知るためにメリダの全体像をつかんでおく

メリダのクロスバイク2018年モデルは、「グランスピード」と「クロスウェイ(CROSSWAY)」の2シリーズ展開となっています。

グランスピードは冒頭でもお話ししましたが、ロードバイク由来の作りになっており、カーボン製のフロントフォークやロード用のコンポで構成されています。

また、今回の主役「200-D」を含め3機種全てディスクブレーキが搭載されています。

特に上位機種に関してメリダは「フラットバーロード」と位置付けており、ドロップハンドルにすれば通常のロードバイクと何ら変わらないと謳っています。

一方クロスウェイは、グランスピードよりも安定感や安全性、快適性が重視されたモデルで、より生活に密着した街乗り車です。

トップチューブが斜め下がりなので、重心が低くなり車体が安定しますし、サドルに跨りやすく、停車時には足つきがしやすくなっています。

そして、クロスウェイはパーツを必要十分なもので構成していますので、グランスピードに比べ価格が抑えらえています。

4機種中3機種が5万円台ですから、スポーツバイクの入門編としての位置付けであった従来のクロスバイクという趣です。

メリダ・グランスピードの中で「200-D」をおすすめする理由

ここからは、メリダのクロスバイク「グランスピード」シリーズについて詳しくお話ししていきます。

グランスピードの2018年モデルは、「300-D」「200-D」「80-MD」の3機種、数字はグレードを表し大きい数の方が格上の存在になり、価格も高くなります。

数字の後のアルファベットはディスクブレーキの種類を表していて、Dは「油圧式」、MDは「機械式」を意味します。

3機種とも同じフレームにカーボン製のフロントフォークの組み合わせなので、グレードは付属しているパーツの差が大きくなります。

個別の機種についてはのちほどお話ししますが、今回なぜミドルグレードの「200-D」にスポットを当てるかというと、筆者が欠点が一番少ないモデルと考えているからです。

300-Dはギアの構成が特殊で、用途や地形によってはそぐわない可能性もありますし、これは筆者の個人的見解ですが、「クロスバイクとしては高額すぎるのでは?」という疑問があります。

そして、油圧式に比べ著しく落ちるとは言いませんが、機械式であるとディスクブレーキのよさは半減してしまうので、価格は下がりますが、80-MDはおすすめしにくいです。

メリダ・グランスピードシリーズの共通点

それではここから、メリダ・グランスピードを個別にご紹介していきますが、その前に3機種に共通する部分を確認していきましょう。

メリダのアルミフレームは、スポーツバイク全体において高いアルミの成形技術を用いています。

グランスピードのフレームもレースバイク同様、同じチューブ内で3か所厚みを変える「トリプルバテッド」という技術を採用しています。

これは、強度が必要な溶接部分は厚みを持たせて頑丈な作りとし、その分中央に向かっては徐々に薄くしていくという技術です。

同じ厚さで製造すればそれだけ重量が嵩みますし、強度があり過ぎてガチガチの硬いフレームになってしまうので、快適性を損ねてしまいます。

それを両立させているのがトリプルバデッドの技術であり、本来であれば相反する軽さと硬さのバランスを上手く保っています。

続いてディスクブレーキですが、300-Dと200-Dは油圧式、80-MDは機械式です。

油圧は、ボタン1つで自動車をジャッキアップすることも可能なくらい力が強く、ブレーキにしても制動力は段違いです。

そのため、レバーを軽く握っただけでも強く効きますので、長い時間乗って握力が低下してもしっかりとブレーキが掛けられます。

また、機械式もそうですが、地面と離れた場所で制動を行うため泥や水はねの影響を受けにくく、いつも安定した制動力が確保できます。

そして、油圧式は「フルード」という油圧を起こす液体の交換が1年に1回程度と、ブレーキパッドの交換くらいしかメンテナンスの必要がないので、運用がとても楽です。

以上、グランスピ―ドにはこのような共通項があります。

グランスピード300-Dはフロントがシングルギア!

それではここからは、特に油圧式のディスクブレーキを採用している、メリダ・グランスピード「300-D」と「200-D」を比較してみます。

300-DはメインコンポがSRAM(スラム)の「Apex 1」、リアのギア数は11速ありますが、フロントは1速のシングルギアになります。

共通する項目以外ではこれが最大のハイライトであり、シングルギアをどう評価するかで、200-Dとどちらを選択するかが決まるといっても過言ではありません。

200-Dはフロント2速、リア9速、80-MDはフロント3速、リア8速ですが、これが大体のクロスバイクの標準的な構成です。

300-Dのフロントギアは中間的なスピードのギアで平坦コースを走る分には、リアの11速分だけの変速だけで十分に事足りるはずです。

また、フロントの変速機はトラブルが多い部分で、ディレイラーがずれて変速が上手くいかない場合や、ひどい時にはチェーンが落ちてしまうこともあります。

そういった心配がないことは、シングルギアのメリットでもあります。

しかし、起伏のある山間部や、アップダウンの激しい悪路などを頻繁に通る場合は、もう少し軽いギアの必要性を感じるかもしれません。

そのため、脚力に自信のない方や女性は、試乗の際に確認することをおおすすめします。

グランスピード200-Dのコンポ

前項ではメリダ・グランスピード300-Dのコンポ、主にギアの構成についてお話ししましたので、200-Dについてもギアやコンポ全体を確認してみましょう。

メインコンポはシマノのロードバイク用コンポ「SORA(ソラ)」で、先述通りフロント2速、リア9速の18段構成です。

リアは軽めの方に多くのギアを持つ「ワイドレシオ」で、フロントの軽い方のギア(インナー)と組み合わせれば、勾配のきつい坂もスルスルと軽く登っていけます。

また、前項でお話ししたスラムのコンポに比べると、シマノ製のパーツは汎用性が高く手に入りやすいので、いざという時に対処がしやすいです。

そして、シマノ・ソラは2017年のモデルチェンジで、フロント変速が格段に進化したと評価されています。

上位モデルにも全く引けを取らないスムーズな変速で、本当にストレスなくギアチェンジが行えます。

いくつかの動画が動画サイトにアップされていますので、確認してみてください。

ただ、クランクだけがシマノ製ではないのが少し残念なところで、最初は気にならないレベルですが、慣れてくると不満が出てくるかもしれません。

グランスピードの価格から見えてくる別の可能性

ここまで、メリダ・グランスピードの「300-D」と「200-D」を確認してきましたが、最後は価格について考えてみましょう。

300-Dは119,880円(税込)、200-Dは98,280円となり、どちらもクロスバイクの平均価格からすれば高額な部類になります。

差額はコンポのグレード差というところですが、先述した通りメーカーが違いますし、何よりギアの構成が大きなポイントなので、どちらを選ぶかはギア次第というところです。

コスパという点では300-Dは少し疑問ですが、200-Dはコンポ以外のパーツはほぼ300と同じで、約2万円下がりますので相応という評価になります。

ただし、メリダはグランスピードを「フラットバーロード」としていますので、グランスピードを求めるなら、同時にロードバイクも確認した方がよいでしょう。

メリダのロードバイクのラインナップを見ると、300-Dよりも安価なモデルが2機種、200-Dより安いものも1機種あります。

しかも、300-Dの価格にあと1万円程プラスすると、機械式ではありますがディスクブレーキモデルも購入できます。

ロードバイクで通勤をしている方は多いですし、ツーリングやサイクリングはロードバイクの本分ですから、用途はかなりグランスピードとかぶります。

そのため、ドロップハンドルに嫌なイメージや恐怖心がないのであれば、ロードバイクも合わせて考えてみることをおすすめします。

コスパは「200-D」が最も高い!

今回はメリダのクロスバイク「グランスピード」についてお話ししました。

メリダの高いアルミ成形技術とカーボン製のフロントフォークの組み合わせは、ロードバイク由来の高性能フレームです。

特に「200-D」は油圧式ディスクブレーキに汎用性の高いコンポの組み合わせで、コスパもまずまずなのでおすすめです。