ロードバイクを選ぶ際にまず気になるのは価格ということになると思いますが、予算が決まると次に考えるのはメーカーになるでしょう。
世界中には、ロードバイクを扱う自転車メーカーはそれこそ星の数ほどありますので、選ぶのもひと苦労です。
そこで今回は、その選択方法の一つとして、2018年のツール・ド・フランス参加チームに機材を提供しているメーカーをご紹介します。
自転車の世界最高峰レース「ツール・ド・フランス」
ロードバイクはレースの機材として開発されている経緯から、レースの結果が市場にも反映します。
ひと口でレースと言っても、アマチュアのレースからプロまで様々ですが、中でも最高峰はツール・ド・フランスです。
毎年7月に、フランスで行われるロードレースで、2018年に105回目を迎えました。
2018年は23日間に渡り21のステージ、全長3300㎞を走り抜き、チーム総合、個人総合、ステージ優勝、ステージごとの敢闘賞などを争いました。
また、出場チームが22(ワールドツアー18、プロフェッショナルコンチネンタルチーム4)、1チーム8人編成のため、総勢176名が参加となっています。
したがって、この選ばれし22チームに機材を提供できるメーカーは、やはり市場でも高い注目を浴びることになります。
また、最大の広告塔としての大会でもありますので、ツール・ド・フランス参戦を目標にロードバイクを製造しているメーカーも多くなります。
「提供していないメーカー=技術が低い」などということは決してありませんが、ロードバイクにおける自転車メーカーの評価の受け方は、ツール・ド・フランス(以下ツール)が指標と言っても過言ではありません。
ツール参戦チームにロードバイクを提供する自転車メーカー① アメリカ編
それではここから、2018年のツール参戦チームにロードバイクを提供している自転車メーカーをご紹介します。
まずは、アメリカのメーカーからです。
【Specialized(スペシャライズド)】
2018年の前半ステージで、チーム首位を守り続けた「クイックステップ・フロアーズ」や、英雄ペーター・サガンを擁する「ボーラ・ハンスグローエ」に機材を提供しています。
日本にもオフィシャルショップを構えるほどの人気ぶりで、ラインナップも豊富なので、迷ったらまずスペシャライズドのカタログやホームページを見てみてください。
【Trek(トレック)】
「トレック・セガフレード」という自社の冠が付いたチームが参戦しており、日本人の別府選手が所属しているチームでもあります。
アメリカ最大の販売台数を誇るメーカーで、ロードバイクでは世界最軽量を謳う「Emonda(エモンダ)」に注目してみてください。
【Cannondale(キャノンデール)】
カーボンフレームへの参入が遅く、近年はあまり芳しい成績が収められていませんが、2017年に久々にステージ優勝を果たし、復活の兆しを見せています。
レース機材ではありませんが、「アルミのキャノンデール」という異名があるほど素晴らしいアルミの成形技術を持つメーカーです。
ツール参戦チームにロードバイクを提供する自転車メーカー② カナダ編
続いてご紹介する自転車メーカーは、カナダに本拠を構えるメーカ―です。
【Argon 18(アルゴン18)】
1989年に創業された新興メーカーで、2017年よりカザフスタンのワールドチーム「アスタナ」に機材を提供しています。
その2017年にいきなりステージ優勝を果たし、一貫してレーシングバイクを製造してきた成果が実を結んだ形になりました。
2018年からラインナップに加わった、エントリーグレードの「GO!」が話題になっており、今後の伸び代を考えると今注目すべきメーカーの最有力候補ですね。
【Cervelo(サーベロ)】
こちらも創業は1995年と新しいですが、TT(タイムトライアル)やトライアスロンバイクで培った空力性能をいかし、エアロロードではパイオニア的存在です。
毎年のようにステージ優勝者を輩出している、南アフリカの「チーム・ディメンションデータ」に機材を提供しています。
ロードバイクに求めるものはとにかく「スピード!」という方に、おすすめのメーカーです。
ツール参戦チームにロードバイクを提供する自転車メーカー③ イタリア編
今回は、ツールに参戦するチームに機材を提供する自転車メーカーをご紹介しています。
続いては歴史のあるメーカーが多い、イタリアです。
【Pinarello(ピナレロ)】
近年のツールを語る上で、絶対に外せないメーカーになりました。
機材を提供するイギリスの「チーム・スカイ」は2017年のチーム総合首位、所属のクリス・フルームは2015年~2017年に個人総合(マイヨジョーヌ)を3連覇、2018年はグラン・トーマスがマイヨジョーヌを獲得しました。
左右非対称のフレーム形状や、独特の流線形を持つフロントフォークなど、実力もさることながら、デザイン性の高さも認められており、「派手」という表現をされることもあります。
【Bianchi(ビアンキ)】
現存する世界最古の自転車ブランドで、以前は多くのチャンピオンにロードバイクを提供していました。
近年ツールでは、目立つ存在とは言えませんでしたが、2017年に機材を提供する「チーム・ロットNL・ユンボ」の選手がステージを2勝しており、復活する気配があります。
象徴でもある「チェレステカラー」から、おしゃれなイメージも付いており、女性人気も非常に高いです。
【Colnago(コルナゴ)】
レースにおいては爆発力こそありませんが、堅実に勝利を重ねてきた老舗メーカーです。
2017年に「UAE チーム・エミレーツ」がツールに参戦し、久々にコルナゴがツールに戻ってきました。
高級志向の強いブランドで、チューブ1本から自社工場で生産する、世界にも類を見ないフレームビルダーです。
ツール参戦チームにロードバイクを提供する自転車メーカー④ ヨーロッパ編
ここではイタリア以外の、ヨーロッパに籍を置く自転車メーカーをご紹介します。
【BMC(ビーエムシー)】
5年で2度もチームタイムトライアルステージを優勝している、「BMC・レーシング」のバイクを担当しています。
スイスのメーカーで、某有名ロードレース漫画の主人公が乗っているバイクとしても有名です。
角型のチューブを多用するなど、ごっつい車体のイメージがあり、玄人好みとも言われるメーカーです。
【SCOTT (スコット)】
こちらもスイスのメーカーで、中堅チームの「ミッチェルトン・スコット」にバイクを提供しています。
世界で初めてエアロハンドルを開発したり、超軽量のエアロロード「FOIL」など、スピードを追い求める技術は世界最高峰と言っても過言ではありません。
【Canyon(キャニオン)】
2018年のチーム時間賞(優勝)に輝いた「モビスター・チーム」のメインバイクが、ドイツのキャニオンです。
1996年創業と若いメーカーですが、既に世界のトップに肩を並べているという評価さえあります。
メーカ―直販のみで販売店には下ろしませんので、その分で、他メーカーの同グレード比べると数万円単位で安価になっています。
ロードバイクでは女性モデルの充実も目立ちますので、女性ライダーも必見のメーカーです。
ツール参戦チームにロードバイクを提供する自転車メーカー⑤ 台湾編
最後に自転車大国とも言われる、台湾のメーカーをご紹介します。
【GIANT(ジャイアント)】
世界ナンバーワンの販売台数を誇る、名前の通りの巨大自転車メーカーです。
オールジャンルにおいてトップクラスなので、ロードバイクだけが特筆されるわけではないですが、バイクを提供する「チーム・サンウェブ」の近年の活躍により、レーシングバイクとして再び脚光を浴びています。
特にエアロロードの「プロぺル」は、世界最高峰のスピード能力とも言われ、2018年のツールでは、トム・デュムランが個人タイムトライアルを制し、個人総合でも2位に食い込んでいます。
【MERIDA (メリダ)】
どちらかと言うと、MTBに強いイメージがありましたが、ヨーロッパに設計拠点を移し、ワールドツアー参戦チームに機材を提供するなど、ロードバイクにおいても着実に実績を積み重ねています。
2017年からツールに参加している「バーレーン・メリダ」には、数少ない日本人のワールドツアーライダーである新城幸也選手が所属しています。
そして、バーレーン・メリダは2018年のツールにおいて、チーム総合で首位に立った地点がある程の活躍を見せています。
ロードバイクにおいては、これからの伸び代が大いに期待できるメーカーですので、ぜひ注目してください。
目標別のおすすめメーカー!
今回は、自転車レースの世界最高峰、ツール・ド・フランス参戦チームに機材を提供するメーカーをご紹介しました。
筆者の個人的なおすすめではありますが、レースを目指すなら「スペシャライズド」、他と一線を画したいのであれば「ピナレロ」です。
そして、今後のトレンドを先取りという意味では、「Argon 18」「キャニオン」「メリダ」というところです。