ロードバイクのメーカーと言えば、
自転車文化が根付いておりロードレースが盛んな「ヨーロッパ」。
高い技術力が売りの「北米」。
そして、大量生産の技術を持ち多くのメーカーの外注生産を承っている「台湾」。
この3つの地域が3強と言える存在です。
しかし、近年は日本のメーカーもロードバイクに力を注いでおり、日本人向けに作られるという強みを活かして健闘中です。
そこで今回は、日本のロードバイクメーカーをまとめてみます。
日本のロードバイクメーカーは日本人のために物作りを行っている!
冒頭でもお話ししましたが、ロードバイクのメーカーが集中しているのはヨーロッパやアメリカになります。
ヨーロッパ諸国やアメリカは男性の平均身長で180㎝、女性でも170㎝を超えるような国もあります。
そういった体格の人を相手に作られているものですから、当然ながら日本人にはサイズ的に大きいということになります。
今は、日本も含めアジアもロードバイクの大きな市場になっていますので、少しは意識をして小さめのサイズも作られていますが、それでも大き目なことに変わりはありません。
ロードバイクはいくら性能やデザインがよくても、自分に合わないサイズで乗るほど不幸なことはなく、長く乗り続けるのは不可能です。
筆者の知人にも、いつもサイズ選びで悩んでいる小柄な男がいますが、女性なども本当に苦労されていることと思います。
そこで考えたいのが日本のメーカーで、日本人向けに作られているので、合うサイズが見つかりやすいはずです。
日本のロードバイクメーカー①ここは外せない!
それではここから、日本でロードバイクを製造しているメーカーをご紹介していきます。
【ANCHOR(アンカー)】
ママチャリや電動式など、自転車も多く手掛けている世界的なタイヤメーカー「ブリヂストン」のスポーツバイクブランドです。
アンカーの基本理念は日本人を中心とした東洋人の体型に合わせるということなので、女性用には390㎜という小さめのサイズが用意されており、適応身長も145㎝からとなっています。
また、バイクとのフィッティングにも力を注いでおり、「パーソナルマッチング」というシステムを導入しています。
乗り手の股下の長さからサイズ測定を行い、レースやロングライドなどの用途や目的によって車種やポジションの選択を行います。
また、乗り手のロードバイクへの熟練度から腰の角度が割り出され、ある程度のポジション出しを行ってくれます。
ここらが他のメーカーの完成車ではあまり見られないハイライトで、アンカーは標準装備のパーツをあらかじめ交換できるシステムがあります。
ハンドルやステムがフレームサイズごとに違う長さのものが用意されていることは他メーカーにもありますが、最初から自由に選択できるのがアンカーのメリットです。
とにかく、バイクに体を合わせるということを徹底して行うのがアンカーの特徴なので、自分に最適なサイズが見つけやすいメーカーと言えます。
日本のロードバイクメーカー②ツールを制した実力派
次のメーカーも、自転車に乗らない人でも名前を聞いたことがあるはずの超有名メーカーです。
【PANASONIC(パナソニック)】
日本の大手家電メーカーで、以前は「世界の松下」とまで言われた旧松下電器産業です。
自転車ではブリヂストンと同じような立ち位置で、ママチャリや電動自転車のシェアが高くなっています。
しかし、1980年代にはツール・ド・フランスでオランダのチームにロードバイクを提供し、日本メーカー初の総合1位(マイヨ・ジョーヌ)に輝いた実績もあります。
現在ロードバイクはカーボンとアルミがフレーム素材の主流ですが、パナソニックはクロモリとチタンの金属フレームのみの扱いです。
アルミ以外の金属フレームはバネ感があってしなやかなので、乗り心地がよいというのが特徴ですが、しなる分だけ剛性は低くなります。
しかし、パナソニックはそれでいて高剛性というのがこだわりであり、そこにツールを制した技術が結集されているということです。
そしてパナソニックのロードバイクは、サイズがとにかく多いのが特徴です。
430㎜~630㎜まで10mm刻みで用意されており、そのサイズ数は17~18を数えます。
また、完成車はアンカー同様にパーツやカラーを選択することができる「パナソニック・オーダーシステム」で作られていくので、自分仕様の一台に仕上げることができます。
日本のロードバイクメーカー③ラレーの伝統を引き継ぐメーカー
ここからは、自社ブランドでもロードバイクの製造・販売をしていながら、海外メーカーの日本代理店も務めるメーカ―です。
【ARAYA(アラヤ)】
日本のスポーツバイク、特にMTBでは歴史を作ったメーカーです。
世界初の量産型MTBであるスペシャライズドのスタンプジャンパーをOEM生産したノウハウを活かし、1982年に日本メーカー初のMTBの製造・販売を行いました。
ロードバイクの世界においては、イギリスで100年以上続く老舗メーカー「ラレー」とのライセンス契約により、ラレー伝統のクロモリロードを生産し続けています。
本家ラレーには現在クラシカルな車種の品揃えはなく、ラレーの伝統を本家以上に守っているのがアラヤであり、「アラヤ・ラレー」という名前でブランド化されてもいます。
また、アラヤはホイールのリム製造では国内最大手であり、特に競輪用は日本国内では現在アラヤしか製造していません。
そのため、完成車ではホイールの性能の高さにも注目して欲しいところです。
自社ブランドのロードバイクは日本人の体型に合わせ、日本の地形や日本人の感性にまで気を配ったものであり、持っていて楽しいという所有欲を満たしてくれます。
日本のロードバイクメーカー④街の自転車屋さんだけではない!
前項に引き続き、海外メーカーの代理店も務める日本のメーカ―を紹介します。
【MIYATA(ミヤタ)】
街の自転車屋さんの看板でもよく見かけると思いますが、ロードバイクの技術力も高く、過去にはツール・ド・フランスやパリ~ルーベなどの大レースでも結果を残したメーカーです。
現在はクロモリフレームを中心に、「MIYATA SPORTS」というブランド名でロードバイクを販売しています。
非常に美しいクロモリらしいスタイリッシュなデザインが特徴で、日本のみならず世界にファンの多いメーカーでもあります。
また、ミヤタは台湾の世界的なスポーツバイクメーカーである「MERIDA(メリダ)」の日本代理店でもあります。
以前は別メーカーが代理店を務めていましたが、ミヤタに代理店が変わってから一気に日本でのメリダの知名度と販売台数が上がった経緯があり、そのマーケティング力の高さも評価されています。
日本のロードバイクメーカー⑤個性が光る!
最後にご紹介するのは、個性豊かな日本の自転車メーカー(ブランド)です。
【KHODAA BLOOM(コーダーブルーム)】
シティサイクル大手の「マルキン自転車」を傘下に収めたことでも有名な、「HODAKA(ホダカ)」が手掛けるスポーツバイクブランドです。
コンセプトは日本人が開発した日本人に合ったロードバイクであり、例えばママチャリで慣れ親しんでいる右前ブレーキが可能なワイヤールーティングなどは、日本メーカーならではの仕様です。
また、コスパの高さも特筆もので、同じ価格帯であれば他メーカーと比較してワンランク上のパーツが付属しているというイメージです。
【ROCKBIKES(ロックバイクス)】
ロードバイクを扱うメーカー(ブランド)で、レースに全く興味がないとまで言い切るのは極めて珍しく、これ以上の個性はないかもしれません。
サイクリングウェアではなく、私服でスピードにこだわるのではなく、趣味の一台として楽しんで欲しいとも言っています。
トップチューブが地面と水平のホリゾンタルスタイルのバイクが多いのも、スタイルにこだわるロックバイクスらしさと言えるところです。
日本のメーカーを選択肢に加えて欲しい!
今回は、ロードバイクを扱う日本メーカーをご紹介しました。
ロードバイクはレースありきで見られるので、どうしても海外メーカーに目が行きがちですが、日本人に合わせて作られている日本メーカーが引けを取るわけはないです。
今回ご紹介できなかったメーカーも多数ありますので、ぜひ日本メーカーも選択肢に入れて頂きたいと思います。