メリダの最廉価ロードバイク「ライド80」のおすすめ度は?

今回の主役である「ライド80」は、メリダのロードバイクの中で最も安価なモデルになります。

メリダでも極めて少ない10万円を切るロードバイクなので、そのレベルが大いに気になるところです。

そこで今回は、メリダのライド80を様々な角度から検証していきます。

メリダ・ライド80は「エンデュランスモデル」

メリダのライドシリーズは、「エンデュランスモデル」というカテゴリーに分類されるロードバイクです。

「パリ~ルーベ」や「ロンド・ファン・フラーンデレン」などの、幾重にも敷き詰められた石畳のコースが数十ヵ所もあるような、過酷なレース用のバイクとして開発されたものです。

そのため、石畳からの強烈な突き上げを吸収しなければなりませんし、車体を左右にブレさせない安定感と、視界を広く持つためにアップライドな姿勢も必要になります。

そういった意味では、空気抵抗を低減させグイグイ前に進むことが重視されるレースモデルとは一線を画すものではあります。

また、衝撃吸収性が高いと乗り心地がよくなりますし、安定感のあるアップライドな姿勢は、バイクの扱いやすさにも繋がりますので、エンデュランスモデルは初心者向きとも言えます。

実際にメリダでもライドシリーズは総じて価格がリーズナブルですし、「80」は10万円を切りますので、確かに初心者の方が手の出しやすいモデルでしょう。

ロードバイクとロードバイク「風」自転車の価格のボーダーライン

ここでは、ライド80がメリダのロードバイク中、最低価格ということもあるので、ロードバイクの価格について触れてみます。

ロードバイクはプロがレースで使用するようなものまで市販されていますので、価格の幅はそれこそピンきりと言われるほど広いです。

高額なものに関しては、ライド80とは真逆のベクトルなので今回は割愛させて頂き、安価なものについて考えてみます。

ロードバイクは、スポーツバイクメーカーが設計を行ったフレームに、ロードバイク専用のパーツが取り付けられたものを指します。

無名なメーカーが似せたフレームを作り、一般車にも使われているようなパーツが使用されているものは、あくまでもロードバイク「風」の自転車です。

その分岐点を価格で表すとすれば7万円台後半というところで、これを下回ってくると怪しくなってきます。

全ての有名スポーツバイクメーカーに7万円台の機種があるわけではないですが、7万円台後半であればレベルはどうあれ、ロードバイクと呼べる物の可能性が高くなります。

ライド80は約9.3万円(税込)ですので、基準はクリアしています。

ちなみに他メーカーの最低価格のロードバイクは、ジャイアントの「CONTEND 2」が8.6万円、トレックの「Domane AL2」が8.5万円となっています。

メリダ・ライド80はかつてプロも使用したフレームと同じ形状

前項では、ロードバイクの価格についてお話ししました。

必ずしも「安かろう悪かろう」ではないですが、価格が上がるにつれて性能もアップするのは事実なので、残念ながらライド80もメリダの中でもそれなりのレベルという判断になってしまいます。

しかし、それはあくまでも上位レベルのロードバイクの乗り味が分かっている場合の話であり、初めて乗る人が絶望してしまうようなことは決してありません。

メリダは、世界最高峰のロードレースシリーズである「UCIワールドツアー」参戦チームに機材を提供する程のフレームビルダーです。

しかも、ライドシリーズは先述通りプロレース仕様で開発されたものであり、実戦に投入された経験もあります。

80はプロがレースに使用するようなグレードではありませんが、フレームの形状は上位モデルと同じですから、プロが乗っていた車体と形は同じなのです。

その点を考えれば、最低価格という負い目のようなネガティブな視点ではなく、「プロも使った形状のフレームをこんなにも安価に手に入れられる」というポジティブな視点で見ることもできるのではないでしょうか。

メリダのライド80付属のホイールのレベルは不問としたい

ロードバイクの完成車の価格は、フレームとパーツの総合で決まります。

メリダのライド80のような10万円以下の完成車では、フレームのレベルを著しく落とさないために、パーツでコストダウンを図るのが一般的です。

パーツの中で最も単価が高いのはホイールで、例えば5万円(前後計)の製品でもホイール界では中の下レベルです。

そのため、10万円以下の完成車はもちろん20万円以下でも、ホイールはまずレベルを期待しない方が賢明で、交換が前提とまで言い切る人もいます。

ライド80のホイールもメリダオリジナルの手組みホイールですが、正直レベルは高くないですし、論じれる特徴もありません。

ホイールは走りに直結する部分であり、ロードバイクの走行性能を大きく左右しますので、走りに慣れてくるとよい物が欲しくなるのは必至です。

そのため、最初から付属してくるホイールのレベルは不問として、選択する要素から除外しておいた方がよいです。

ちなみに、先々のホイール交換に関してですが、交換した効果を実感できるのは中位グレードくらいからとなりますので、5万円~7万円の価格帯のものがおすすめになります。

シマノ・クラリスは必要十分なコンポ

前項ではメリダのライド80のホイールについて確認しましたが、次はパーツスペックについてお話しします。

メインコンポはリア8速のシマノ・クラリスで、ロードバイク用のコンポではシマノの最廉価グレードになります。

最廉価グレードではありますが、元のレベルが高いシマノ製ですから、基本性能に問題はなく、特にライド80がロードバイク最初の一台であるならなおさら必要十分です。

しかも、コンポはホイールと違って走行に直結するようなものでは無いので、グレードを少し上げても効果を実感しにくいです。

ただし、ブレーキだけは別で、ここは命に関わってきますので妥協をしてはいけません。

クラリスのブレーキは、晴れた日に直線道路を走っている分には問題ありませんが、雨の日であるとか、坂の下りでは少し制動力に不安があるかもしれません。

もし、そういった状況でも走りたいのであれば、ブレーキは交換を視野に入れたいところです。

その際は1万円前後の費用は掛かりますが、同じシマノの「105」というグレードのブレーキがおすすめです。

メリダ・ライド80はフレームで勝負!

ここまでメリダのライド80のお話をしてきましたが、この価格帯のロードバイクには総じて言えることですが、組み合わせられているパーツに強調材料はほぼありません。

よってポイントは、フレームに価格相応、またはそれ以上の価値を見出せるかどうかです。

その点でライド80は、6066アルミ二ウムにカーボン製のフロントフォークの組み合わせなので、少なくとも価格相応の価値はあると考えてよいでしょう。

6066のアルミは、以前は上位グレードにも使われており、軽量かつ剛性が高い素材です。

それを振動吸収性や安定感を意識したジオメトリ(形状)に仕上げているので、ロードバイクらしい軽快さやアルミの力強さを残しながら、乗り心地のよさも確保しています。

またそれは、カーボン製のフロントフォークによるところも大きく、長時間走っても腕を中心に上半身に疲れがたまりにくいのも嬉しいところです。

ですから、ライド80はフレームのレベルは決して低くありませんので、特に最初の一台としては十分に満足いくレベルのロードバイクだと考えられます。

結果ライド80はおすすめなのか?

今回は、メリダのライド80についてお話ししました。

ライド80に限らず、この価格帯のロードバイクはフレームが勝負であり、その他に判断基準を求めるのは少し無理がありますし、酷と言うものです。

ライド80は本文でもお伝えした通り、プロがレースを戦った機体と同じ形状ですし、上質のアルミを使用していますので、十分に勝負になるフレームです。

そのため、ロードバイク最初の一台に、自信を持っておすすめさせていただきます。