ママチャリなどに比べてタイヤが小さく、細身でおしゃれな感じの自転車が「ミニベロ」です。
小回りが効くので街乗り車として扱われることが多く、特にビアンキなどのヨーロッパメーカーが得意としている分野です。
ただ、実用性が強いカテゴリーでありながら、スポーツ性もあるので、中途半端に使い勝手が悪くなっている部分もあります。
サドルなどもその一つで、サドル交換をすれば大幅に乗り心地が改善できることもありそうです。
ビアンキのミニベロのラインナップ
ビアンキはツール・ド・フランスで複数の勝ち星を積み重ねているレーシングメーカーですが、街乗り車も得意で、特にミニベロは評価が高いです。
ビアンキのミニベロはクロモリを始めとするスチールフレーム車の「MINIVELO」シリーズと、アルミフレームの「PISA」シリーズがあります。
MINIVELOはスチールフレームということもあり、昔ながらの細身でスタイリッシュなデザインで、いかにもヨーロッパの街並みが似合いそうな雰囲気です。
ただ、現在のMINIVELOシリーズのラインナップは、ドロップやブルホーンハンドルを使用したスポーティなものも多く、街乗りに特化した用途のものでもありません。
一方、PISAはアルミフレームなので、ロードバイクやMTBがそのままミニベロになっているイメージです。
合わせられているパーツもロードバイクやMTBのものであり、後述しますがサドルなどは、今後のサドル交換に大いに参考にしたい有名メーカーの人気サドルが採用されています。
ビアンキのミニベロにはブルックスの革サドル採用のモデルがある!
今回はビアンキのミニベロについて、特にサドルに注目をしてみます。
まずMINIVELOシリーズですが、ドロップハンドルの「MINIVELO 10」には、イギリスの名門サドルメーカー「ブルックス」の革サドルが採用されています。
定番中の定番である「B17 STANDARD」に、小型のサドルバッグまで付属しています。
しかし、革サドルには「手入れが難しい」、「座面が硬い」など少しマイナスなイメージがありますので、MINIVELO 10のユーザーさんにも少なからずサドル交換を希望する方がいると聞いています。
ただ、革サドルは確かに最初は座面が硬く、お尻が痛くなることもあります。
しかし、定期的にオイルで馴染ませていくと、自分のお尻の形に沿ってフィットしていきますので、どこまで我慢して育てていけるかがカギになります。
自転車にも頻度にもよりますのでどのくらいで馴染むかを期間でお話はできませんが、ある程度長い目で見る必要はあります。
その点では、MINIVELO 10もクロモリフレームですから寿命は長いので、サドルと共に長く付き合っていくことをおすすめします。
ビアンキのミニベロ「MINIVELO 7」はサドル交換を推奨したい
続いて、ビアンキのミニベロの中で、普段使いの街乗り車という趣の強いミニベロのサドルをご紹介します。
「MINIVELO 7」は、トップチューブが非常に長くハンドルが高い位置にくる、伝統的なミニベロの形状をしています。
フラットバーハンドルに扱いやすいフロントシングルギアで、スタンドや泥除けも標準装備されています。
ですから、前項でご紹介したMINIVELO 10よりは実用性が高くなり、生活に密着したミニベロと言えます。
しかし、そういった観点からするとサドルが少しスポーティ過ぎる感じがあり、見た目を重視した選択になっているようです。
ビアンキの完成車にも多くのサドルを供給している「VELO(ベロ)」のサドルなのですが、どちらかというと昔のレースモデルのような形状で、座面が狭く薄いサドルです。
MINIVELO 7のジオメトリは上体を起こして、サドルに体重をしっかりと乗せる仕様になっていますので、このサドルですとお尻の痛みが避けられないかもしれません。
そのため、こういった街乗り車には、もう少しクッション性があって、座面も広くお尻全体を支えてくれるようなサドルが適しています。
そうなると、MINIVELO 7にはサドル交換を推奨させていただきたいと思いますので、次項でおすすめのサドルをご紹介します。
MINIVELO 7のサドル交換におすすめのサドル
それでは、ビアンキのミニベロ「MINIVELO 7」のサドル交換について、おすすめのサドルをご紹介します。
【VELO Plush VL6146 男女共用サドル】
参考価格:¥3,300
標準装備と同じベロのサドルですが、こちらは厚いパッドに広い座面が特徴で、お尻にやさしいタイプです。
上体を起こして乗ることになるMINIVELO 7はサドルに体重を掛けたいので、座面が広くしっかりと支えてくれるこのようなサドルが最適です。
また、裏面にゴム製のバンパーが装着されており、振動をうまくいなしてくれていますので、衝撃があまり伝わってきません。
しかし、ベロのサドルは全体的にそうですが、座面はフワフワしているわけではなく適度に弾力があるので、ペダルに力を込めやすいです。
そのため、スポーティーな走りにも対応しますので、用途の広がりを感じさせてくれるサドルです。
【GIZA PRODUCTS(ギザプロダクツ) :VL-1146 サドル】
参考価格:¥2,200
細身で全体的にシックなデザインなので、MINIVELO 7のクラシカルなイメージに合うサドルです。
こちらもパッドが厚めのコンフォート系で、座面中央には股間の圧迫を軽減するための穴が開いていますので、お尻付近の痛みを解消できるサドルでもあります。
ビアンキのミニベロ「PISA DROP」はサドル交換が必要か?
ここまではビアンキのミニベロ「MINIVELO」シリーズに注目してきましたが、ここからは「PISA」シリーズを見ていきます。
PISAシリーズにはドロップハンドルの「PISA DROP」と、フラットバーの「PISA FLAT」があります。
DROPはロードバイク、FLATはMTBとコンセプトがはっきりとしており、それぞれに専用のパーツが組み合わされています。
注目のサドルですが、DROPにはイギリスの新進気鋭メーカー「ファブリック」の一番人気サドル「スクープ」が採用されています。
ロードバイク用のサドルで、細長く、薄いサドルですが、座面がしなるのでお尻へのフィット感が抜群です。
スクープには座面の形状が3タイプありますが、PISA DROPに採用されているのは「RADIUS(ラディアス)」です。
座面に丸みがあってお尻を固定しやすいので、アップライドなポジションになるミニベロに向く形状です。
しかも、ラディウスは座面のカーブ部分のパッドが厚いので、コンフォート系ではないですが、それに通ずるものがあります。
ただし、PISA DROPはロードバイクのジオメトリなので、今までご紹介してきたミニベロよりは前傾姿勢が深くなります。
そうなると股間が圧迫されますので、現在のサドルは穴あきなどの対策が取られていますが、スクープはそこまでの対策はされていないので、少し気になることはあります。
ファブリックにはスクープを基礎として、座面全体に溝を切った「LINE(ライン)」というモデルがあるので、股間の圧迫に悩んでサドル交換を考えているのであればおすすめです。
「PISA FLAT」にはサドル交換の必要性を感じない?
引き続きビアンキのミニベロ「PISA」シリーズのお話しをします。
PISAのフラットバーハンドルのモデルは、MINIVELO 7がクラシカルなイメージのミニベロの代表だとすれば、こちらは現代のミニベロの代表というイメージです。
DROPほどスポーティではないですが、結構重めのギア比も用意されていますので、街乗り専用ということもなく、バランスのよさが光ります。
サドルは、MTBパーツの老舗ブランド「WTB」の「Speed She」が採用されています。
このサドルは先ほどご紹介したベロのコンフォートサドル並みのパッドの厚さで、クッション性の高さは折り紙つきです。
座面に丸みがあるのでお尻を固定しやすいですし、十分な座面幅が確保されているので、一般的に男性より骨盤が広いとされる女性にも安心です。(Speed Sheは女性向けに開発されたという話もあります)
このサドルであれば街乗りにも、ロングライドにも対応できる申し分のないものなので、筆者の個人的見解ですが、自分に合わないという以外では、サドル交換の理由がないと思います。
車種のコンセプトに合うサドルを選ぶ
今回は、ビアンキのミニベロのサドル交換について考えてきました。
サドルは自分の用途や乗車姿勢、身体の柔軟性などで、自分に合ったものを探すのが最優先です。
そのため、今回取り上げたサドルは万人向けというわけではなく、あくまでも自転車の車種別のコンセプトに沿っておすすめをさせて頂きました。
ですから、今回の記事が今後のみなさんのサドル交換のきっかけになれば幸いです。