ホイールは、面積の大きさから「ロードバイクの顔」とも言われます。
車輪ですから、駆動の要として機能的な役割も当然大きいのですが、今回はあえて見た目にこだわってお話をしてみます。
数年前スポークだけが赤いホイールを見た記憶がありますし、ロゴが派手な色のホイールもあります。
他にどんなものがあるのか確認してみましょう。
ロードバイクのホイールは一種のキャンバス
ロードバイクは、レース機材である側面と同じくらい嗜好品=趣味の乗りものという趣が強いです。
スポーツ自転車の中でも一線を画す価格ですし、生活の足的に使う機能は(カゴ、泥除けなど)ほとんど付いていません。
また、メーカーにもよりますが、あれだけ大きいロゴや派手な色は、正に嗜好品としてのたたずまいです。
そんな中で、一見すると地味なのがホイールです。
黒いタイヤとの組み合わせで余計にそう見えるのですが、特にアルミリムは金属の無機質感があり、デザインとしては平凡なものが多いです。
ホイールはレースでは勝負を左右する、走りの質に大きく関わるものですから、デザインよりも性能面重視なのは当然です。
ホイールはピンきりですが、ロードバイクのパーツの中では最も高価なものです。
さらに、ホイールは面積が大きくキャンバスにも成り得ますので、見た目の印象をガラッと変えます。
そのため、嗜好品という要素を考えれば、少し派手に着飾っても良いのではないでしょうか?
今回は特に「赤」にこだわって、派手めのホイールを紹介していきます。
赤いロードバイクホイールの代表格は?
ロードバイクのホイールで「赤」というと、イタリアの親子メーカー「カンパニョーロ」と「フルクラム」が思い起こされます。
イタリアといえば「フェラーリ」、フェラーリといえば「赤」ですが、それを意識しているという噂もあります。
カンパニョーロは、カーボンリムホイールの代表格【BORA ONE(ボーラワン)】【BORA ULTRA(ボーラウルトラ)】にロゴの一部を赤くしています。
ONEとULTRAの部分を赤くしており、見た目にもインパクトがあります。
プロも使用する決戦ホイールなので、価格もインパクト抜群ですが…
しかし、カンパニョーロの抜かりのないところは、「ダークラベル」という、赤を一切使っていないモデルもラインナップさせています。
また、アルミリムのセミディープホイールである【SCIROCCO(シロッコ)】には、数ヶ所に挿し色としてさりげなく赤が使われています。
アルミのセミディープは珍しいので、差別化を図る意味もあるでしょう。
フルクラム伝説の赤スポークホイール
カンパニョーロに続いては、子会社である「フルクラム」です。
一部では親を超えたと評する人もいるくらい、世界的な人気メーカーのひとつです。
フルクラムのロードバイク用ホイールで赤と言えば、伝説の「レッドスポーク」モデルです。
2013年と2016年シーズンに限定で発売されたのが、アルミクリンチャー最高峰の【RACING ZERO(レーシングゼロ)】の赤スポークモデルです。
全てのスポークが赤く塗られたホイールで、機能的にはノーマルモデルと同じです。
2013年モデルが好評だったことで、2016年の再登場となっており、3年周期なら2019年に再々登場もあり得ると期待されています。
2013年モデルは、リムのロゴ部分が白く塗られており、少しガチャガチャした印象の仕上がりでした。
それに比べると、2016年は白には塗らずロゴもすっきりとしたので、赤が映える落ち着いた仕上がりになりました。
特に黒を基調としたボディカラーとの相性の良さが伝えられ、人気を博しました。
レーシングゼロは、アルミリム最強と言われることも多い超人気ホイールですが、さらに人気に拍車をかけたのがこの赤スポークモデルです。
ロードバイクにさりげなく赤を挿すならこのホイール
フルクラムでは2018年モデルにも、「赤」が代名詞になるロードバイクホイールがラインナップされています。
【RACING ZERO COMPETIZIONE(レーシングゼロ コンペティツィオーネ)】
コンペティツィオーネはイタリア語で「競技」という意味ですから、レースに使ってくださいという意思表示ですね。
それで何が赤かと言いますと、このホイールは前後共に1本だけ、赤いスポークがあしらわれています。
しかも、「アノダイズド加工」という特殊な表面処理で、普通の塗装に比べて色が落ちにくくなっています。
さらに、ハブも赤なので挿し色ながら、アクセントの効いたオシャレなホイールになっています。
コンペティツィオーネは、グリス不要の「CULT」ベアリングであったり、チューブレスタイヤも使用できる特別感のあるものです。
当然ながら、レーシングゼロの進化バージョンですから、戦闘力も高く異次元の加速力が売りになっています。
その分価格も「カーボン?」と疑いたくなるような、スペシャルプライスとなっております。
「THE・赤」ならこのホイールメーカー
ロードバイクのホイールで赤と言えば、オランダの「Fast Forward(ファストフォワード)」も忘れてはいけません。
ファストフォワードの最大の特徴は、「手組み」ホイールのメーカーということです。
リムやハブ、スポークは他社の既存品を利用して、「組み上げる」のが専門のメーカーです。
多くのホイールメーカーの製品は「完組みホイール」といって、パーツがそのホイールの専用設計になっています。
いわゆる、トータルコーディネートされているので、性能が高いとされています。
しかし、ファストフォワードは、手組みでもレース機材に採用されるほどの技術を持っています。
カーボンリムが専門で、特にリムハイトの高いモデルはロゴの半分以上が赤なので、インパクトが強いです。
ここまで紹介したイタリアの2メーカーに比べても、ダントツに赤いです。
イメージカラ―を持つブランド
今回はロードバイク用のホイールに「赤」を使っているものを確認しましたが、正直なところ少ないのが現状です。
機能的には何の効果もなく、見た目だけの問題なので当然ですし、レース機材ということで遊び心がないのでしょう。
他でイメージカラー化しているメーカーと言えば、フランスの「マビック」です。
メーカーのアイコンにも使用されているイエローがイメージカラーです。
アルミクリンチャーの最高峰【キシリウムプロ】には黄色の1本スポークが見られますし、ハブの色を任意で選べるホイールもあります。
また、ホイールではありませんがロードバイクで色と言えば、イタリアのスポーツ自転車ブランド【ビアンキ】の「チェレステ」ですね。
チェレステは緑がかった水色のような、青空をイメージしていると言われる色で、イタリアではひとつの色の種類に認定されているそうです。
ほぼ全てのバイクのボディーカラーに採用されており、挿し色としてもどこかに必ず入っています。
前項で紹介したファストフォワードも、かつてビアンキを使用するプロチームに、限定のチェレステカラー入りのホイールを提供したことがあります。
ホイール+赤はインパクト抜群
今回はホイールの色に関して、赤を中心に確認しました。
全面的に主張してくるものから、さりげなく挿し色として存在感を示すものなど、種類は多くないですが、アクセント付けになり、インパクトもあります。
あくまでも見た目だけの話ですが、決して悪い選択ではないと思いますよ。