ルイガノのミニベロ「mv2」のタイヤは適正なサイズなのか?

2017年をもって、ルイガノの人気ミニベロ「mv2」が市場から消えてしまいました。

ライセンス契約が変わったことが主な要因でしょうが、実用性とスポーツ性を兼ね備えたミニベロだったので残念です。

人気の一方で、ホイールやタイヤに改善の余地が叫ばれていた車種でしたので、今回は所有している方の為にも検証してみましょう。

ルイガノの日本での展開

ルイガノはカナダに本拠を置くスポーツ用品メーカーですが、「LOUIS GARNEAU」のロゴマークの入った自転車は2017年まで日本企業のライセンス製品でした。

本家ルイガノは「GARNEAU(ガノー)」ブランドでスポーツバイクを展開しており、日本でのライセンス製品との棲み分けをしていました。

ところが、2018年よりルイガノの総輸入代理店が、大手サイクルチェーン「サイクルベースあさひ」になりました。

日本でライセンス契約を交わしていた「アキ・コーポレーション」から、引き継ぐ形で代理店契約に至った模様です。

しかし、アキ・コーポレーションのライセンスブランドであったLOUIS GARNEAU(ルイガノ)が、2018年も継続販売されています。

サイクルベースあさひが企画・生産をしているのかと思いますが、確定の情報は無く判然としません。

ただし、今回取り上げる「mv2」は2017年までラインナップされていましたので、こちらはアキ・コーポレーションの企画・製造です。

今回は、このmv2を振り返りながら、ホイールやタイヤについて考えてみます。

ルイガノの「mv2」とはどんなミニベロ?

ルイガノの「mv2」はカテゴリーでいけば「ミニベロ」に該当しますので、「mini vero」の頭文字を取ってmvとなっています。

2017年モデルは「mv2PRO」の名で販売されており、ミドルグレードの位置付けでした。

「mv1」という定番ミニベロを、スポーツライクにしたのが「mv2PRO」になります。

mv1に標準装備されているキャリアと泥除けを取っ払い、ディスクブレーキを装着しました。

また、コンポのグレードを上げ、フロントシングル、リア7速から、フロントダブルのリア8速にギア数を増やしています。

タイヤも少し細くなり、普段使いの要素にツーリングなどの趣味の要素を加味した仕様になっています。

トップチューブがダウンチューブと平行に、そのままリアエンドまで一直線に伸びている「ミキストフレーム」です。

女性や小柄な方でも跨りやすい事に加え、これによりさらに安定感が増しています。

これはmv1と変わりませんので、スポーツライクになっていると言ってももちろん生活の足としての利便性が失われているわけではありません。

ルイガノ「mv2PRO」のタイヤはETRTO「406」

ミニベロには公式な定義は存在しませんが、一般的な市販車は20インチのホイールサイズの物がほとんどです。

ただ、20インチと一口で言ってもミニベロのホイール&タイヤには、「406」「451」という2つのサイズの20インチが存在します。

406や451はタイヤの「ビード径」であり、単位は㎜です。

タイヤのビードはホイールのリムに引掛ける部分なので、「リム径」とも呼ばれます。

このビード径でタイヤのサイズ規格を定めているのが「ETRTO」で、ホイール&タイヤには従来の表記と共に記載があります。

ちなみにルイガノの「mv2PRO」は、406の方になります。

単純な解釈では、406が小さい車輪、451の方が大きな車輪と考えれば良いでしょう。

ではなぜ、同じ20インチなのに2つのサイズがあるのかと言うと、20インチという呼び方は車輪の一番外側の直径を示す物だからです。

タイヤは太さが違いますので、406のホイールに太いタイヤを装着する場合と、451のホイールに細いタイヤを装着する場合、ほぼ同じ20インチになるのです。

また、上記の様にタイヤのビードをホイールのリムに引掛ける形で装着するのですが、このはめ合わせの仕方で規格が変わります。

406は「HE(Hocked Edge)」、451は「WO(Wired On)」と呼ばれる規格になります。

そして、HEのタイヤは太さが「1.5」などの小数点表記、W0は1-3/8などの分数表記となります。

従って、同じ20インチのタイヤでも太さの表記方法が違えば、互換性は無い事になります。

ミニベロのホイール・タイヤのメリット・デメリット①~「406」編

前項ではミニベロのホイール&タイヤの規格について触れましたが、それぞれの大きさのメリット、デメリットを考えてみましょう。

現在市販されているミニベロはルイガノの「mv2PRO」同様、ETRTO「406」の方が多いですが、これはミニベロの特徴を考えればごく自然な事です。

車輪が小さいという事は軽い力でペダルを漕げるという事ですから、加速がしやすく、ストップ&ゴーに対応しやすくなります。

また、小さい車輪はジャイロ効果が少なく、ハンドル操作がクイックになるので、小回りが効きます。

これがミニベロならではのメリットですから、より小さい方のホイールサイズを選択するのが自然です。

また、451よりも太いタイヤを履く事が出来るので、タフな路面状態でも対応出来ますし、安定感が増します。

しかし、車輪が小さいとスピードに乗るのも早い分、スピードが落ちるのも早くなります。

従って、スピードを維持するにはずっと同じ力でペダルを漕ぎ続けなければいけないので、長時間乗り続けるのはしんどいです。

ミニベロのホイール・タイヤのメリット・デメリット②~「451」編

前項ではミニベロのホイールサイズ「406」についてお話しましたが、続いては「451」についてです。

451のメリットは406のデメリットの裏返しで、スピードの維持が容易という事です。

ロードバイクのホイールはスポーツバイクで最も大きなサイズですが、その理由は高速で長時間を走るというコンセプトだからです。

ホイールは大きくなるほどスピードの維持がしやすくなるので、406と比べればかなり走行性能が上がります。

また、タイヤが細くなりますので、よりスポーティな走りが出来る様になります、

その為、車輪以外は全てロードバイクスペックの「ミニベロロード」では、451のホイールが使用されます。

ミニベロらしい軽快さでは406に劣りますが、あくまでもミニベロ同志での比較であり、軽快さを完全に失うわけではありません。

従って、用途が広がる分451の方が優れていると評する向きもあるくらいです。

現在はミニべロロードの普及で451対応のタイヤも以前に比べると増えていますので、需要が高まっています。

ルイガノの「mv2PRO」は先述した様にスポーツライクな仕様ですから、本来なら451でも良かったのかと思いますが、実際は406サイズです。

そこで次項では、451サイズへの換装が可能どうか考えてみます。

「mv2PRO」を「451」仕様にするには

ルイガノのミニベロ「mv2PPRO」は、ETRTO「406」のホイール&タイヤを採用しています。

これを「451」サイズに換装するには、規格が合わないのでホイールを交換する事になります。

ロードバイクと違いミニベロのホイールは市販品が極めて少ないですが、ネット通販で探せば数点辿り着けます。

また、手組みホイールという選択肢もあります。

リムやハブ、スポークを用意して自力で組む手もありますが、ショップに予算だけを伝えて、部品の調達から組み立てまで行ってもらうのも良いでしょう。

その際の注意事項ですが、mv2PUROはディスクブレーキを使用していますので、ホイールも専用の物でなくてはいけません。

次にタイヤですが、現状は1.35インチ(約35㎜)ですが、当然451にするともう少し細くしなくてはなりません。

また、規格が代わりますので、必ず分数表記のタイヤを選択してください。

おすすめは1-1/8(28㎜)で、クロスバイク程度の太さです

安定感とスピードのバランスが最も取れている太さですので、451のミニベロに最適です。

「mv2PRO」のカスタムは用途を優先して行う

今回は、ルイガノのミニベロ「mv2PRO」のホイール&タイヤサイズについて考えてみました。

スポーティな仕様なので「451」に交換してさらに走行性能を上げれば、更に用途も広がり面白い事になりそうです。

ただし、ミニベロ特有の軽快さを薄れさせたくない人は、この換装はおすすめしません。

あくまでも自分の用途を最優先して考えてみて下さい。