マンガやアニメの影響で、ロードバイクに乗る人が増えています。
しかし、自転車人口が増えた影響か、歩道を全力で走ったり、車道で停止線を守らないなど、交通ルールを無視した危険な自転車が増えてきています。
自転車は、れっきとした車両であり、危険な乗り方をすれば命に関わることもあります。
自分の身を守る為にも、もう一度交通ルールを確認しましょう。
交通ルールの基本!道路交通法を確認しよう。停止線のはみ出しは違反!
近年、自転車が関わる交通事故が増えています。
その影響もあってか、2011年に「自転車は原則的に車道を走るように」と、警察庁から各都道府県警に通達がありました。
また、2015年に道路交通法が改正され、危険な走行を3年間に2回行った者に対して、自転車運転者講習を受講しなければならない制度が始まりました。
年々、自転車の運転に対する罰則規定が厳しくなってきていますが、自転車も使い方を誤れば、人の命を奪ってしまうこともありますので、交通ルールが厳しくなるのはむしろ当然のことと言えます。
自転車運転の危険行為というのは、大まかには以下の行為になります。
●信号・標識の無視、違反
●歩行者への妨害・危険行為
●交差点での危険運転
●整備不良の状態や、危険な状態での運転禁止
これらの行為は「気を付けて走っていれば大丈夫」と思ってしまうかもしれませんが、停止線のはみ出しや信号無視というのは、ふとした拍子に違反してしまうことも有り得るので、念頭に入れて十分注意しましょう。
車道を走行する際の交通ルールの基本!停止線を守ろう
道路交通法上、自転車は原付バイクと同じ「軽車両」と分類されており、原則的には車道の通行が義務付けられています。
ですので、ここでは、車道を通行する際の基本的な交通ルールをご紹介します。
車道には、一般的に、交差点の手前に停止線が引かれています。
赤信号の時にこれを越えると、交差点に進入したことになり、信号無視が適用されます。
自転車も同じルールが適用されますので、赤信号で停止する際は、この停止線で停止しているようにしましょう。
そして、車道を通行するからといって、自動車と同じように車道を通ることができるかというと、そうではないのです。
十字路交差点で、車道の右折レーンから直接右折する方がいますが、これは違反になります。
自転車は交差点で右折する際、原則的に二段階右折をしなければいけません。
二段階右折とは、右折したい交差点でいったん直進し、交差点の左奥の隅から直角に右へと曲がり、直進していく方法です。
また、車道を通行する際には、車両用の信号機に従わなければいけません。
信号機の青矢印がある場合は、左折・直進のみ従い、右折の矢印が出ても二段階右折を行わなければいけません。
それに加えて、歩行者用信号に「歩行者・自転車専用」の表示がある場合は、そちらを優先して従う決まりがあります。
自転車の車道通行の際のルールは、一般市民にはあまり周知されておらず、曖昧になっていますが、覚えておくと、思わぬ事故に遭う可能性が減りますので、ぜひ覚えておきましょう。
自転車専用通行帯を積極的に活用しよう!専用の停止線もあり!
都市部など歩行者の多いところで、青色の自転車専用通行帯を見かけたことはありますか?
自転車が、原則的に車道を通行するように、交通ルールが改まってから、専用通行帯の整備が進められています。
あまり多くはないですが、専用の停止線が書かれていたり、安全に通行するためのレーンが示されているので、積極的に利用しましょう。
ただ、高齢者やママチャリなどは、車道に出ることを嫌って、歩道を通行していることが多いです。
そのようなところは、狭かったり、凹凸が多かったりして、本来自転車が通ることを想定していないことが多く、さらに、歩行者と自転車の両方が通行するため、意外と危険なのです。
自転車を降りて、押して歩くと「歩行者」とみなされますので、歩道では事故を起こさないためにも、押して歩きましょう。
歩道を走る際の交通ルール
原則的に、車道を通行することが推奨されている自転車ですが、条件付きで歩道を通行することもできます。
それは、「自転車歩道通行可」及び「普通自転車通行指定部分」の標識が掲げられている歩道の場合です。
この歩道に限り、自転車は通行できるのです。
ちなみに、自転車には、ロードバイクなどのスポーツ自転車も含まれています。
そのため、ロードバイクだとしても同じ自転車なので、通行可能な箇所は、歩道を通行することができます。
また、自転車の運転者が13歳未満か、70歳以上である場合と、身体に障害がある場合に限り、歩道を通行してもいいことになっています。
さらに、車道の通行量が多かったり、路上駐車の車両があったりと危険な場合などでも、やむを得ない理由があれば、歩道を通行してもいいことになっています。
歩道には、車道のように白線で、走行車線や停止線が書かれていませんので、自由に走りたくなると思います。
しかし、歩行者の急な方向転換や、飛び出しなどがあっても、いつでも停止できるように、スピードを落として、交通ルールを守って走るようにしましょう。
事故を防ぐために、ドライバーと目を合わせよう
筆者も趣味でロードバイクに乗っています。
国道など交通量の多いところでは、二段階右折や停止線前での停車など、細かい交通ルールを守っていても、事故に遭いそうになることが何度もありました。
安全のために、筆者が日々のライドで、最も心がけていることをご紹介します。
それは、「ドライバーや歩行者と目を合わせる」ことです。
たったこれだけでも、事故に遭う確率はぐっと下がります。
例えば、車道を走っていて、交差点で赤信号待ちになったら、必ず左右を確認して、自動車のドライバーと目を合わせるようにしています。
なぜかというと、自動車の運転手と目を合わせることで、お互いが相手を意識しているということが伝わり、自転車に配慮してくれるようになるからです。
反対車線の右折車と目を合わせようとして、目が合わなかったら、こちらを見ていないということになりますので、巻き込み事故を防ぐために、いつでもブレーキをかけられるようにしましょう。
私たちがルールを守っていても、相手が必ずしも交通ルールを守って通行してくれるとは限らないのです。
他のサイクリストが、ルール違反をしているところを見ると気分が悪くなりますし、サイクリスト全体が違反をしているというように見られかねません。
普段からルールを守って安全な運転を心がけたいですね。
もし事故を起こしたらどうなる?
自転車に乗っていて、最も怖いのは事故に遭った時です。
近年の自転車事故で最も多いのは、自転車単独での事故です。
これは、ロードバイクなど、スピードの出やすい自転車であるスポーツ自転車の人口が、年々増加していることが理由のようです。
単独で事故を起こしても、相手がいないので、ケガをしたり、自転車が壊れて損をするのは自分だけです。
よく耳にするのが、停止線を越えている自転車を巻き込んでしまう、巻き込み事故です。
自動車対自転車で事故が起こると、多くの場合、死亡事故へつながります。
もし、自転車が対人事故を起こして、こちらの過失が認められた場合、賠償金が発生することがあります。
歩行者対自転車で死亡事故が起きた場合、賠償金は、数千万円から1億円とも言われています。
賠償金が多額になる場合には、飲酒運転やスピード過多の暴走など、全面的な過失から事故に至ったというケースが多いです。
さすがに、そのような事故は、普段から安全運転をしようという意識が無い方が起こすのであって、普段から交通ルールを守っている方は、重大な事故を起こすということもそうそうないでしょう。
しかし、事故というのは普段から注意していても、ふとした瞬間に起こるものです。
万が一のためにも、事故を起こした際に、保険金が出る自転車保険に入っておくのがベストと言えます。
日々の心がけが、サイクリストの未来を作る
自転車は老若男女を問わず、免許を持たなくても運転できることから、日常の足として重宝されてきました。
しかし、自転車事故が多くなったことで法律が変わったように、ライフスタイルの変化に合わせて、今後も道路交通法は変化していくでしょう。
サイクリストなら、交通ルールを守り、他の自転車のお手本になるような走行を心がけたいものです。