「キャノンデール」は、アメリカの有名スポーツバイクブランドです。
「アルミのキャノンデール」の異名があるほどで、ロードバイクにおけるアルミフレームのこだわりは今でも変わりません。
そんなアルミフレームの代名詞でもある【CAAD】シリーズの小さめのサイズの方が、2017年にジオメトリが見直されたそうです。
そこで、今回はCAADシリーズを中心に、キャノンデールのロードバイクのサイズを確認していきましょう。
キャノンデールは常に革新的
キャノンデールは、良くも悪くも話題に事欠かないバイクブランドです。
現在では悪名の方が高くなってしまった「BB(ボトムブラケット)30」は、発表当時は独占状態であった24㎜径のBBに、初めて30㎜の概念を導入しました。
また、直接フレームに圧入する方式を取った為、多くのフレームメーカーを巻き込んで一大ブームを巻き起こしました。
異音などの問題が発覚し、市場では廃れ気味の今でも、BB30へのこだわりは捨てていません。
また、今では普通ですが、リアサスペンション付きのMTBを販売したのもキャノンデールが最初です。
世界の主要メーカーの中では、割と早い段階でMTBの販売を始めており、今でもロードバイク以上のラインナップ数です。
キャノンデールの革新的な部分を象徴する片持ちのフロントフォーク「LEFTY」等、とにかく斬新なアイデアで一歩リードする存在でした。
そんな紆余曲折があり、今では会社組織が無くなり一つのスポーツバイクブランドとしてその名を残しています。
ブランドになってからは、アメリカ国内での生産からアジアへの受注生産となりましたが、アルミのキャノンデールのこだわりは捨てていません。
主力フレームである【CAAD】シリーズは、2017年に小サイズの方のジオメトリが変更され、小柄な方にも嬉しい仕様になりました。
ロードバイクのサイズはフレームの大きさ
今回はキャノンデールを参考に、ロードバイクのサイズ選びを考えていきます。
ロードバイクのサイズは、ママチャリやMTBの様にタイヤ(ホイール)の大きさではありません。
現在は、ほとんどのロードが700cのホイールとタイヤになっているので、そこで区別する事は出来ません。
その為に「フレームサイズ」という概念があり、フレームの高さがロードバイクのサイズということになります。
BBシェルの中心点からシートポストの付け根までの、「シートチューブ」の長さがサイズとして採用されます。
この長さを参考に各メーカーが独自の適応身長を算出して、ユーザーに提示しています。
ただし、キャノンデールもそうですが、適応身長を明示していないメーカーも少なくありませんので、あくまでも参考程度の目安になります。
ロードバイクのフレームサイズはここを見る!
ロードバイクのサイズ選びの話を続けますが、例え同じ身長であっても、腕の長さや身体の柔らかさ等の要件は人それぞれです。
その為、必ずしも適応身長のサイズが万人に当てはまる訳ではないので、別の項目も見なくてはいけません。
そこで注目するのが、「トップチューブ」の長さです。
トップチューブはフレーム上端の横に伸びるチューブですが、端的に言えばハンドルとサドルの距離を表しています。
この長さが長ければ、ハンドルから見てサドルが遠くなりますので、乗車姿勢は前傾が深くなります。
短ければ反対に上体が起きて、楽なポジションで乗車できるようになります。
このトップチューブの長さは、自転車の設計図的な存在である「ジオメトリ」表に記載されています。
現在のロードバイクの主流は、トップチューブがサドルに向かって斜め下に伸びる「スローピングスタイル」です。
水平に伸ばすよりもサドルにまたがりやすいですし、チューブが短く済むので小さなサイズに対応できますし、軽量化も図れます。
しかし、これですと斜めになっている分ハンドルとサドルの距離は正確には表せません。
その為、ジオメトリのトップチューブの長さは、地面と平行に伸びていると仮定した数字になっています。
ジオメトリのトップチューブの所に、「HORIZONTAL(ホリゾンタル)換算」と記載があるのが、その仮定した数字になります。
なお、キャノンデールの主力アルミフレームである【CADD12】は、トップチューブが地面に対して水平に伸びている「ホリゾンタルスタイル」です。
キャノンデールの代表的ロードバイク
キャノンデールのアルミフレームの代表的なロードバイクである【CAAD12】は、2018年も引き続き、4種類の完成車とフレームセットの販売となります。
44~58までの7サイズ展開で、フレームセットは実に22色ものカラーバリエーションがあります。
キャノンデールの自称ですが、「カーボンキラー」という異名まで付けているように重量がフレーム単体で1,100gを切っています。
そして、2017年から44~52サイズのシートチューブの長さが3~5㎝短くなりました。
その為、ホリゾンタルだったフレーム形状がややスローピングとなり、小柄な方のポジション出しがやりやすくなったと評判です。
欧米のロードバイクは55や56サイズを中心にして設計していると言われており、小さいサイズでもトップチューブが長すぎてしまったりします。
CADD12もレースモデルでありホリゾンタルスタイルなので、トップチューブは短い方ではありません。
それだけにこの変更は、理にかなっていると言えます。
キャノンデールには女性専用モデルもある
キャノンデールのロードバイクには、女性専用モデルがあります。
その中にも【CADD12】があり、サイズは44と48の2種類になります。
実はこの女性専用モデルと、変更になったCADD12の大きさが、ほぼ同じになっています。
フレーム形状そのものは少しづつ違いますし、ハンドルやサドルなどのパーツも女性専用にはなっています。
しかし、トップチューブとシートチューブの長さは全く同じなので、フレームの大きさは変わりません。
女性専用モデルと同じ大きさのフレームを、ユニセックスのフレームで実現するというのは珍しい事です。
女性専用モデルは選択肢が少ないので、逆を返せば女性の方が変更になったCADD12を選択肢に入れる事も出来るわけです。
この辺にも、キャノンデールの革新的な思想が表れていると言えそうです。
キャノンデールの車種によるフレームサイズの違い
ここまでCADD12を参考に、フレームサイズを考えてきました。
CADD12は先述どおりレースモデルなので、前傾姿勢がきつく、漕いだ力が直接的に伝わる様な攻撃的なジオメトリになっています。
しかし、現在のロードバイクは用途が多様化され、必ずしもレースの機材としてだけではありません。
スピードばかりでは無く、快適に長い距離を走る事を重視した「エンデュランス」モデルが人気です。
長距離の大敵である、地面からの突き上げなどの衝撃を吸収できるようにしたり、上体を起こした姿勢で乗れる様に設計されています。
キャノンデールにも【SYNAPSE】というエンデュランスモデルがあります。
このSYNAPSEとCADD12のジオメトリを比較してみると、コンセプトの違いがはっきりしている事が分かります。
同じ48サイズで比較してみると、SYNAPSEがスローピングスタイルという事もあり、シートチューブの長さが6㎝以上短くなります。
また、ハンドルの高さに関わるヘッドチューブも1㎝以上SYNAPSEの方が短く、角度も寝かせ気味なので上体が起きる仕様になっています。
他にも、タイヤがロードバイクとしてはかなり太めの30c(CADD12は25c)だったりしますので、明確に違いが出ています。
従って、サイズ選びの前に自分がどういった目的でロードバイクに乗るのかを考え、車種を選ぶ事から始めるのが良いでしょう。
1回の試乗に優るものなし!
今回は、キャノンデールのロードバイクを中心に、フレームサイズについて説明させて頂きました。
適応身長だけで決めるのは危険ですし、車種によって同じサイズでも形状がかなり違うのは覚えておきたいところです。
しかし、どんなに机上で考えたところで、試乗に優るものはありません。
自動車の様に簡単にお目当ての物に試乗出来るわけでは無いですが、何とか店舗を見付けて実際に乗ってみて頂きたいと思います。