クロモリ素材のロードバイクは性能が優れている?

クロモリ素材を使用しているロードバイクはアルミやカーボンよりも少ないです。

しかし、ネット等の書き込みにクロモリは良い素材であるとか、良くないなど、様々なことが書いてあると思います。

使う用途によっても考え方が異なるので、一概にどちらの意見がとは言えませんが、今回は、趣味の範囲で使用したらどうなのかをご紹介していきます。

クロモリ素材はどんなもの?

ロードバイクのフレームの代表的な素材と言えば、鉄をメインとした合金で作られたスチールフレームです。

その中でもクロモリと呼ばれるフレームは最も歴史が長く、どんな自転車にも使われていることが多いようです。

一口に合金といっても種類は実に様々で、クロモリと短縮されて呼ばれている「クロームモリブデン」を始め、マンガンモリブデン、ニッケルバナジウムクローム、ハイテンション銅、ニオブスチール、ステンレスなどあらゆるタイプが選べます。

耐久性に優れているため、クロモリを愛用している人は大勢いて、一度購入したものを10~20年経っても乗っているという人も珍しくありません。

デザインも人目を惹き付ける優美なものから、シンプルさを追求したシックなものまでと幅広く、同じものをずっと使っていても飽きません。
それどころか、どんどん愛着が湧いてきます。
時代を問わず、誰からも好まれるフレームが多いところが魅力であり、大きな特徴ですね。

クロモリロードバイクの魅力

クロモリのロードバイクの魅力は、何と言っても見た目が素晴らしいところです。
パイプの断面が円くて細長いので、全体的に引き締まって見えるのです。

デザイン性の自由に関しては、カーボンやアルミの方が高いのですが、自転車らしさという点においてはクロモリが抜きん出ています。

このスタイルを生み出している理由は、トップチューブが地面と平行になっているからです。
前三角の面積が大きいため、ポンプなどの取り付けはもちろん、付けた後の使い勝手も悪くありません。

さらに乗り心地の良さにも定評があります。
一見すると強度がなさそうですが、そのしなやかさには驚くべき剛性が秘められており、上手くバランスが取れています。

このバランスはパイプによっていきらでも変更可能ですが、どう変えてもバランスが崩れることはありません。
レースだけでなく、サイクリングやツーリングにも向いています。

軽さと柔らかさならアルミも負けていませんが、フレームを強くするために、厚くしなければいけません。
すると重量感が増してしまいます。

カーボンは、圧倒的な弾性を持っていますが、乗り心地がかなり独特なので、やや気疲れしてしまうのです。

クロモリロードバイクの性能の凄さ

クロモリのロードバイクは何故乗り心地が良いのか。
それは、振動を吸収しやすいからです。

パイプで囲まれた三角形の部分が広いので、剛性こそ弱いものの、フレームそのものがサスペンションと衝撃を和らげるクッションの役割を果たしてくれます。
また、パイプの断面が真円を描いているので、どの方向にもしなやかに動きます。

そして、クロモリの嬉しいところは、普通に使っていれば数十年は同じものを乗っていけるので、修理や買い換えの心配が無用という点です。

これがアルミならパイプとパイプを繋ぎ止めている部分にひび割れが起きますし、カーボンは縦方向の衝撃は抑えてくれるものの、横からのダメージを苦手としています。
レースの最中にフレームが割れるという事故も珍しくありません。

さらに割れたカーボンの断面は刃物のように鋭く、下手をすると怪我を負ってしまいます。

クロモリにはこのような危険性は含まれていませんが、唯一「錆び」にだけは弱いので、こまめに手入れをしたり、水気や湿気の少ないところに保管するように心掛けましょう。
それさえ注意すれば、一生ものとして使っていけますよ。

クロモリロードバイクはオーダーメイドが可能!

クロモリは、強い衝撃を受けると、ラグの部分か、もしくはパイプそのものが曲がってしまいます。
でも安心して下さい。

この2つは半田付けのように熱した金属によってくっつけているため、もう一度溶かしてから付け直せば元に戻せます。
カーボンも似たようなやり方ですが、こちらは接着剤を使うため、やり直せないのです。

そのため、クロモリのロードバイクの利点ではあるのですが、付け直しが可能なのは、オーダーメイドで作られたフレームに限られます。

専門の業者にお願いすると、ついでに塗装とパイプの中の錆止めもやってもらえますよ。

オーダーメイドが出来るというところは、バイクマニアに受けています。
自分のサイズに合わせたフレームを作れるので、こだわる人はミリ単位までとことん追求するようです。

アルミは、丸ごとオーダーメイドにするだけの設備がなく、カーボンは大型のプレス型で決まった形を作ってしまうため、自分の手を加えられるのはパーツだけなのです。
なので、人によっては自分の身長や体型と合わない場合があります。

クロモリならそんな心配はいりません。
例えば新品のスーツを仕立てた時のように、ぴったりとマッチしたロードバイクが手に入ります。
パイプの種類や、その他の細かい部分に関しても受け付けてくれますよ。

クロモリだけでなくアルミのロードバイクの評価は?

優秀な面ばかりが知られているクロモリのロードバイクですが、デメリットも存在します。
よく言われているのは「錆びる」「重い」「へこみやすい」の3つでしょうか。

ただし、錆びやすい点についてはこまめにメンテナンスを行っていれば防げます。
また、最も錆び付きやすいのはボトムブラケットですが、最近は水を抜くための穴があらかじめ空けられていることが多く、仮に錆びたとしてもそこまで深刻な事態には陥りません。

重さに関しても、カーボンと比較すると重量感があるというだけで、そんなに大きな差はありません。
素材だけで比べるのならアルミやチタンにはかないませんが、自転車として形にしてしまえば、どれも変わりません。

レースを目的としている人にとっては、少しでも軽い方が良いのかもしれませんが、普通に乗っている分には全然気にならないと思われます。

最後のへこみやすさについてですが、強い衝撃を苦手としているため、どこかにぶつけるとあっさり変形してしまいます。
ですが。これは尖っている場所を避けたり、ぶつからないように気を付ければいいだけの話ですから、それほどまずい欠点ではありません。

これらのデメリットは、得られるメリットと比べれば、些細なことです。
日頃から注意すれば防げるものばかりなので、今まで通りに使ってあげて下さい。

クロモリロードバイクは用途によっては魅力的!

ロードバイクは、速く走ることに特化した自転車です。
スピードに関することに重きを置いており、その他の機能は、必要最低限のものを除いては何も備えていません。
そんな特殊なタイプなので、フレームはかなり重要な位置にいます。

ひとつの機能を伸ばすことに費やしただけあって、乗り手の個性が出やすくなっています。
もしもレースには出るつもりがなく、ただ楽しむために乗るだけというなら、いっそのこと個性をとことん突き詰めてみるのも悪くありませんよ。
特にクロモリを素材に使えば、室内に飾って、眺めるだけでも十分楽しめます。

純粋にレースで好成績を得たいというならカーボンがおすすめです。
なるべく予算を控えめにしたければアルミにしましょう。

ですが最も「自転車らしさ」を感じられるのはクロモリです。
1本1本が手作りされたフレームからは温かみが感じられ、細くて丸いパイプを何本も繋いで組み合わせたその形は、スケルトンに詳しくない人でも一目見ればどのように造ってあるのかが分かるという優れものです。

基礎からロードバイクを学びたいという人にも向いていますよ。

クロモリのロードバイクは趣味で使用するならとても良い

レースには重量がある素材なので、ヒルクライム等の使用には向いていないかもしれませんね。

しかし、修理がしやすかったりするので、ツーリングの使用には良いと思います。
感覚は人によって異なりますので、全員にクロモリがおすすめとは言えませんが、紹介した通りメリットが沢山あることも事実ですね。

寿命が長く、長距離を走行できるロードバイクをお探しの方は一度、クロモリの自転車に乗ってみてもらいたいですね。
高い剛性で気持ちよく乗れますよ。