2017年は、世界的なニュースも多く、北朝鮮の軍事的な問題含め国際問題が多々あった年でした。
日本の経済面でも株高が目立ち、仮想通貨が暴騰したりと、何かと慌ただしい1年でしたね。
そんな中、ロードバイクに注目しても様々なことがありました。
今回はロードバイク界の2017年のニュースと、その中でもホイールの変化について着目してまとめました。
2017年のロードバイク界の主な出来事
さて、まずは2017年の主なロードバイク界の出来事を振り返りましょう。
2017年は、事故や事件が目立った年でした。
競輪選手が国道での練習中にひき逃げにあったり、トライアスロンの選手が練習中に崖下に転落したり、海外ではプロ選手が事故にあったりしました。
また、レースやロングライドイベント中に転落や転倒といった事故にあわれた方もいました。
事件でいえば、最も目立ったのがフレームバラバラ事件でしょう。
盗難したバイクをパーツ売りし、足がつきやすいフレームはバラバラにしたうえでネット上で公開する、という悪質な事件でした。
また、レース中の事故といえば、2017年ツール・ド・フランスでのスプリント中のカヴェンディッシュとサガンの事故が思い浮かぶ方も多いでしょう。
また、ツール・ド・フランスといえば、チームスカイが連覇をしましたね。
ですが、その立役者であるフルームが薬物検査で引っかかる、という事件もありました。
今年のツールやブエルタではどうなるか、注目が集まります。
また、チームスカイ含めUCIプロチーム間で多数の選手の移籍が発表されました。
そういう意味でも、今後のレースがどうなるかは注目です。
それでは、次は視点を変えて、ロードバイクやホイールについて着目していきましょう。
2017年のロードバイクとホイール
さて、ここからは2017年のロードバイクとホイールについてみていきましょう。
ロードバイクは主に夏~秋にかけて次年度のモデルが発表されますが、今回はあくまで『2017年モデル』として話をしていきます。
2017年モデルは2016年モデルにあった割高感が薄れた、という嬉しい意見が多いようです。
シマノの値上げ等もありましたが、2016年モデルの際は円安進行が大きく、基本的に輸入で成り立つ自転車は値上げ傾向が強かったですね。
その点、2017年モデルの際は若干の円高傾向があったため、継続モデルが値下がりし、お手頃感がありました。
また、アルミモデルが充実した年でもあります。
10万円を切る価格帯も多く発表されましたし、ハイエンドアルミフレームも刷新されたブランドがあります。
また、アルミフレームはエアロフレーム形状が多かったのも印象深いです。
次にホイールですが、ディスクブレーキ用のホイールに注目が集まった一年でした。
なぜかというと、ツール・ド・フランスでスプリンターのキッテルがディスクブレーキ用ホイールで勝利を重ねたからです。
それでは次は、ホイールについて詳しくご紹介します。
ロードバイクのディスクブレーキ用ホイールの特徴
ここからは2017年のロードバイク用ホイール含めて、ホイール全般のお話をしていきましょう。
前述しましたが、2017年はツール・ド・フランスでキッテルがディスクブレーキ用ホイールで勝利を重ねました。
まだまだ課題の多いディスクブレーキ用ホイールですが、このキッテルの勝利のおかげで、販売しやすくなったのは間違いないでしょう。
やっと規格が決まったようにも思えるロードバイクのディスクブレーキですが、そもそも現状では、ディスクブレーキ用ホイールは専用品が出来上がっているわけではありません。
現状のディスクブレーキ用ホイールの多くは、リムブレーキモデルのリムを流用しています。
そのため、元々期待されていたリム部分の軽量化や形状変化といったものは、いまだ極まっていません。
それでもなぜ、キッテルはディスクブレーキ車に乗っているかということですが、メーカーからの支給ということを差し引いても、スプリンターにはメリットがあるからでしょう。
ロードバイクのディスクブレーキ規格としては、「スルーアクスル」が採用されています。
スルーアクスルとは、ホイールとフォークの固定方式の一つで、剛性が高く固定力に優れています。
ディスクブレーキはブレーキ等の負担は全てフォークやリアエンドにかかります。
その負担を受け止めるため、スルーアクスル仕様と、フォーク及びリアエンドの強度及び剛性向上が図られているのが特徴です。
そのため、ディスクブレーキは大きな力が伝わりやすくなっており、スプリンターにとってはこれが大きなメリットになります。
2017年のホイールのトレンドはワイドリム
次に、2017年のロードバイクのホイールについて、詳しくみていきましょう。
それ以前からも注目されていますが、2017年のホイールのトレンドもワイドリム化でしょう。
ワイドリムというのは、リム内幅が17cであるものを指します。
今まであった内幅15cのものは、ナローリムと呼ばれていますね。
ご存知の方も多いでしょうが、ワイドリムの場合は適正タイヤサイズが25~35cになります。
メーカーによっては23cも許可していますが、ETRTO規格上では25cからになります。
これは『23cより25cのほうが同一空気圧であれば転がり抵抗が低くなる』というものが元にあり、ワイドリム化の流れになっています。
リムが太くなるということは、当然、リム重量も増えます。
そのため、クライマーの方々はナローリムを好む傾向にあります。
ただ、駆動剛性も横剛性もワイドリムのほうが向上するため、一概にナローリムのほうが優れている、とは言い難い点もあります。
体重の軽い方や綺麗な円を描くペダリングが出来る方は、軽量リムのナローリムのほうがヒルクライムという観点では適切でしょう。
ですが、体重のある方、パワーのある方、ケイデンスではなくトルクで登るタイプの方は路面に力が伝わりやすい、剛性が高いワイドリムのほうが適切な場合もあります。
2017年はディスクブレーキ用ホイールが続々登場
また、2017年はディスクブレーキ用のホイールが多くリリースされたのも特徴の一つです。
前述の通り、キッテルが勝利してくれたおかげで、ディスクブレーキロードバイクへの注目度も上がりました。
そんな中、各社ディスクブレーキモデルが続々と登場してきました。
大手のフルクラムやカンパニョーロ、マヴィックからもリリースされています。
その中でも最も注目され、現状のディスクブレーキ用ホイールを選ぶならこれ、と噂されているものがあります。
それは、アメリカのカーボンパーツブランド、エンヴィの『SES 3.4』です。
こちらは当然カーボンホイールで、リムブレーキモデルにクリンチャーとチューブラーモデルがありますが、ディスクブレーキモデルもあります。
2017年リリースのモデルではリム幅や形状が刷新されていますが、ディスクブレーキモデルはブレーキトラックが必要ないため、その部分が軽量化されています。
リムを軽量に仕上げられるチューブラーモデルよりさらに軽くなっており、リム重量はフロントで390g、リアで397gとなっています。
リムハイトがフロント38mm、リアが42mmある中でエアロ効果も高く、なおかつ、リム重量が軽量化されています。
ハブの種類は選べますが、クリスキングのハブを使うと40万円を超えるため中々手が出せない価格帯にはなります。
その点を差し引いても、現状ではディスクブレーキ用ホイールの決定版となるでしょう。
その他注目されている2017年のホイール
2017年、ロードバイクのホイールにワイドリムやディスクブレーキ以外では全く話題がないのかというと、もちろんそういうわけではありません。
シマノのデュラエースが刷新されたこともあり、ヒルクライマー御用達の9000-C24がR9100-C24となり、リムが重くなり定番化から外れそうだったりした、なんてこともあります。
筆者は、2017年、大手で最も注目が集まっているのはマヴィックだとにらんでいます。
現段階では、エグザリット以外のホイールがUST(Universal System Tubeless)チューブレスのホイールになっていくことでしょう。
チューブレスタイヤは現状最も振動吸収性に優れ、転がり抵抗が低いというメリットがあります。
ただ、今までは良質なホイール及びタイヤが少なく市場に広がりを見せませんでしたが、大手のマヴィックがこのUSTを進めることで、変わる可能性があります。
先程挙げたエンヴィの『SES 3.4』もチューブレス化が可能ですし、これからチューブレスが台頭してくる可能性は大いにあることでしょう。
同時にリリースされているタイヤの『イクシオンUST』も評判が良いので期待出来ます。
2017年はホイール界に大きな変化があった年!
さて、ここまで2017年のロードバイク界について、その中でもホイールに焦点をあててご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
2017年は、ほぼすべてのホイールがワイドリム化したり、ディスクブレーキモデルが各社から続々リリースされたり、USTが採用されたりと、変化が大きな一年という印象があります。
今はちょうど転換期の可能性もあるので、中々選択するのは難しいかもしれませんが、なにが自分に必要か見極めて、ホイール選択を行いましょう。