100均のお店で買える自転車用品が、「使える!」と話題になっているのをご存知でしょうか。
筆者もパンクの修理キッドやサイドミラーなどは目にしたことがありましたが、ブレーキのワイヤーやシューまであるとは正直驚きました。
100円だからといって疑うわけではないですが、安全面を左右するブレーキ関係の部品だけに不安はありますよね。
そんなわけで、今回は100均の自転車用パーツは大丈夫なのか?というお話です。
自転車のブレーキの仕組み
今回は100均で購入できる、自転車のブレーキ用のパーツのお話になります。
ただ、「ブレーキシューとは?」という方も少なからずいらっしゃると思いますので、まず自転車のブレーキについてまとめておきましょう。
自転車のブレーキの役目は車輪の回転を止めることですが、車輪のどこで止めるかで種類が違ってきます。
車輪の外周でタイヤがはまっている金属製の輪をホイールの「リム」と呼び、ここで制動を行うのが「リムブレーキ」です。
ママチャリの前輪やロードバイクの「キャリパーブレーキ」や、クロスバイクの「Vブレーキ」などが代表格です。
一方、車輪の中央にある「ハブ」に取り付けられているブレーキを「ハブブレーキ」といいます。
ママチャリの後輪の「バンドブレーキ」、MTBの「ディスクブレーキ」が有名です。
リムブレーキは車輪の動きを直接止め、ハブブレーキはハブに取り付けられた回転体を止めるという違いで、制動の仕組みは変わりません。
ブレーキレバーと本体はワイヤーで繋がっており、レバーを引くとワイヤーが引っ張られて本体のアームが動きます。
アームの先にはブレーキシューやブレーキパッドと呼ばれるゴムや樹脂が付いていて、それが車輪に押し当てられます。
アームはピンセットやトングのような動きをしますので、両側から車輪を挟み付けて止める感じになります。
自転車のブレーキシューは消耗品
自転車のブレーキについてご説明させて頂きましたが、今回はリムブレーキの話が主になります。
リムブレーキの中でも、ブレーキシューとワイヤーは消耗品です。
ブレーキシューは金属製のリムを挟み付ける際に摩耗しますので、段々とすり減ってきます。
シューがすり減ってきますと徐々に制動力が落ちてきますし、ゴムが完全に無くなってしまうとブレーキが効かなくなります。
特に車輪が高回転になるスポーツバイクでは、摩擦熱でシューが溶けてリムにカスがこびり付くほどですから、消耗の激しさがうかがえます。
なお、後述しますが、100均で購入できるのはママチャリ向きなので、スポーツバイク用はネット通販か専門店でお求めください。
ママチャリはそこまで車輪が高速で回転しない仕様なので、ブレーキシューの減りも遅く、多くの方が交換の経験はないと思われます。
しかし、先述通り、シューが摩耗するとブレーキが効かなくなる危険性がありますので、これを機に一度確認してみましょう。
有名100均チェーン店で自転車のブレーキシューが販売
自転車のブレーキシューですが、100均大手の「ダイソー」での取り扱いが、ブログやインプレなどで確認できました。
雨の日の制動力に不安を覚えている人はいましたが、軒並み大きな不安なく使用している感じです。
筆者はママチャリに乗らなくなってかなり経ちますが、以前に一度だけ使用したことがあります。
特に気になる点はありませんでしたし、うろ覚えですが1年以上は使用したと思います。
ですから、製品的な問題は少ないと思いますが、問題があるとすれば100均でブレーキシューを購入した場合、取り付けは自分が行うという点でしょう。
自転車屋さんならその場で交換までしてくれますが、100均ではさすがにそのサービスはありませんからね。
固定はボルトやネジ1本なので、工具があれば作業自体は難しくありません。
だたし、工具がない場合や作業が面倒という方は、自転車屋さんで交換してもらいましょう。
どこでもそう変わらず、500円前後で交換できるはずです。
自転車のブレーキワイヤーは複数の100均チェーンにある
自転車のリムブレーキ用のブレーキシューのお話をしましたが、次はワイヤーについてです。
こちらも100均での購入例が多数紹介されており、複数の100均チェーン店で販売されていることが分かります。
ワイヤーは金属線の集まりであるインナーケーブルを、ビニールのアウターで覆っています。
また、ワイヤーはブレーキを掛けるごとに「引っ張られ→緩んで」を繰り返すので、時が経てば伸びてしまいます。
ワイヤーが伸びてしまうとブレーキの効きが悪くなりますし、レバーを引いてから効くまでにタイムラグができるので、急ブレーキがワンテンポ遅れたりします。
さらにアウターに穴が開いたり切れたりすると、水が入り込んで中の金属製のケーブルが錆びてもろくなります。
そうなると1本1本の金属線がほつれて弱くなりますので、やがてワイヤーが伸びきって切れてしまいます。
ワイヤーの伸びはレバーの付いているボルトで微調整が効きますが、ママチャリには付いていない場合もあります。
そうなると、調整には工具が必要になりますので、ワイヤーの伸びを感じたら自転車屋さんに行くのが賢明です。
ブレーキワイヤーは交換作業が難しい
自転車のブレーキワイヤーですが、伸びの微調整が効かなくなれば交換ということになります。
先にお話しておきますが、自転車屋さんでの交換は、おおむね1本1000円前後です。
これを高いと見れば自力で交換することになりますが、これも100均チェーンの「ダイソー」での販売が確認できました。
「軽快車用」となっていますので、ママチャリやお子さん用の自転車向けと考えられます。
こちらもブレーキシュー同様、問題なく使用しているというインプレが大半を占めます。
アウターが少しもろいという評価があり、インナーだけ使っているという人もいましたが、それでも危険と思えるような報告は見られません。
ただし、ブレーキワイヤーは必ず長い状態で販売されていますので、交換するにはワイヤーカッターという工具が必要になります。
また、ワイヤーの張りやハンドルとレバーの位置関係、レバーの引き代など調整箇所が結構あるので、自信がない場合はお店に任せてしまいましょう。
おすすめの100均で買える自転車用パーツ
今回は100均で購入できるブレーキ用のパーツを確認しました。
100均ショップには失礼ですが、「割とまともだな」という印象でした。
「安かろう悪かろう」という言葉がありますが、そういうイメージは持たなくてよいでしょう。
また、他のパーツもいくつか使い勝手が良さそうな物があります。
LEDライトなどはスポーツバイクにも使えそうですし、尾灯などは100円で安全性が向上するなら買いでしょう。
さらに100均では、自転車に使用する工具類も豊富に取り扱っています。
六角レンチやハブレンチなどは1セット持っておくだけでいざという時に助かるので、本格的な製品ではないですが、携帯用におすすめです。
さらには、チェーンロック(カギ)は、特に高価なスポーツバイクには複数本付けたいので、まとめて買っておくには最適です。
100均のパーツの質を問う前にしっかりと組み付けることを考える
今回は100均で購入できる、自転車のブレーキ関係のパーツを確認しました。
ブレーキシューとワイヤーですが、100均商品だからレベルが低いと決めつけられる物ではないといえます。
ただし、自力交換が前提になりますので、製品の質を問うよりは組み付けの問題になってきます。
ブレーキは命綱ですから、いい加減な組み付けや調整は許されませんので、くれぐれも肝に銘じて作業をしてください。