LOOK(ルック)は、フランスに本拠を置く自転車メーカーです。
スキー用品の製造会社として発足しており、その強みを生かしたビンディングペダルで、一世を風靡したこともあります。
レースの世界ではロードバイクもさることながら、トラック競技でもオリンピックで、数多くの金メダルに貢献しています。
今回は、そんなルックについて、インプレを掲載しているブログなども参考にしながら、ご紹介していきます。
ルックの売りはペダルとカーボンフレームの自転車
1951年に創設したルックですが、スキー用品の製造会社でした。
転機が訪れたのは、ロードバイク用のビンディングペダルを開発したことです。
1984年に発表されたビンディングペダルは、その後、ベルナルド・イノーのツール・ド・フランスの総合優勝に大きく貢献しました。
そこで有用性も認められ一世を風靡、現在もビンディングペダルにおいては、世界で大きなシェアを持っています。
パーツだけではなく、自転車本体でも、1986年にフルカーボンフレームを発表しています。
フォークまでカーボンにしたロードバイクの市販車は世界初と言われており、現在こそ主流ですが、相当早い時期からカーボンに目を付けていたことがうかがえます。
今でも、その潮流は続いており、ほぼカーボン一筋といえる物作りをしています。
カーボン素材からカーボンチューブを自社工場でハンドメイドできる、数少ないメーカーのひとつです。
そのため、価格的には高級ブランドの域であり、フレームだけで100万円するような機種も見られます。
それでもブログを読んでみると、多くの日本人の方が、ルックの自転車を所有しています。
中でも人気なのは、ロードバイクですね。
ルックのブログ掲載数No.1の自転車!
では、ルックの自転車のラインナップを紹介します。
ロードバイク・MTB・トラックとあり、主力は種類が豊富なロードバイクです。
エアロ・レース・エンデュランスと棲み分けされているので、選択するほうとしても、分かりやすいと思います。
完成車は少なく、ほとんどがフレームセットでの販売になっています。
ただ、ブレーキやクランクが付属している、珍しいセットもあります。
ルックの自転車は、3ケタの型番で表されています。
百の位が世代、十の位がグレード、一の位が製造方法となっています。
十の位は数字が大きい方がグレードが高く、一の位は「5」がカーボンラグ製法、「6」が一体成型のモノコックを表しています。
ロードバイクのフラッグシップモデルは、エアロロードの【795 AEROLIGHT】です。
レーシングカーのデザイナーまでもが開発に携わっているほど、空力性能を極めた究極のエアロロードという触れ込みです。
ブログのインプレを見てみると、エアロロード特有の動力が伝達されるペダル周りなどは高剛性を保ち、レーシー仕様であることをうかがわせます。
しかし、フォークやリアの部分で剛性が幾分抑えられている分、快適性も加味されているとのことです。
この辺りが、ツール・ド・フランンスやパリ~ルーベといった、長距離かつ過酷なレースを開催しているフランスのメーカーだなという感じです。
レースライダーのブログでは795シリーズの評価が高い
「795 AEROLIGHT」は、さすがにルックのフラッグシップモデルだけあり、クランク・ブレーキ・ステムが付属しているとはいえ、約70万円の高級モデルです。
エアロロードの特徴のひとつである、ダイレクトマウントのブレーキシステムは、ブログで制動力不足を指摘するライダーも見られました。
その点からすると【795 LIGHT】は、スタンダードモデルの位置付けであり、通常のキャリパーブレーキを使用しています。
使用されている素材とジオメトリは同じなので、AEROLIGHTとは、ほぼブレーキの差だけと考えて良いでしょう。
それだけで、見た目も走行感も、だいぶ変わると言いますので、個人の好みで分かれるところです。
実際に、元自転車競技のライダーの方のブログを読みましたが、甲乙つけがたい評価とのことでした。
ただ、レースなどに使う汎用性としては、フォークやリアステーにマウントがある、スタンダードな「795 LIGHT」の方が優位だとは思います。
ルックの自転車でブログ評価が最も高い1台!
ルックの自転車をご紹介していますが、ロードバイクの795シリーズはトップオブトップのため、ホビーライダーには正直、手が届きにくいですね。
その点で検討してみたいのが、1世代前の【675】シリーズです。
フレームセットで約30万円ですので、決してエントリーグレードではありませんが、価格面だけ見れば、グッと現実味が出てきます。
十の位が7になっていることからも分かるように、カーボンの素材が、少しグレードダウンはしています。
しかし、これも多くの人がブログでインプレをしていますが、振動吸収性の高さは折り紙つきです。
私が読んだブログの中で、様々な要素を加味した総合的な評価では、最も高い支持を受けていたのが、この「675」シリーズと感じました。
レーシーモデルと位置付けられていますが、795に比べるとトップチューブが短めで、チェーンステーが長めに取ってあります。
ヘッドアングルから見ても、アップライドな乗車姿勢が可能になっていますので、オールマイティに使える1台です。
フレームセットの他に、シマノ・アルテグラ、105をメインコンポに据えた完成車も販売されています。
ルックのエンデュランスロード
ここまでは、ルックの自転車の中でも、高級感のあるレーシーモデルを見てきました。
ここでは、長距離走行を意識した、エンデュランスモデルを確認してみます。
【765】シリーズになりますが、カーボンチューブに特殊な加工を施しています。
カーボンよりも衝撃吸収性に優れるファイバー製の素材を、フロントフォークとチェーンステーの中間に積層させています。
これにより、剛性を損なわずに、衝撃吸収性を高めることに成功しています。
795などを経験しているライダーにとっては、素材のグレードダウンが気になるところでしょう。
しかし、ブログを読んでいる限りでは、エンデュランスモデルに合わせた弾力性や吸収性があるので、別物と考えれば良いと評価されています。
ジオメトリも、どこを見ても完全に乗り心地重視ですので、これからルックの自転車に乗り始めるという方の、最初の1台に最適でしょう。
ルックはトラックレーサーにも注力している
ルックの自転車の中で、異彩を放つ存在なのが、トラックのジャンルです。
トラック競技において圧倒的なシェア率を誇っているのが、ルックのトラックレーサーです。
他メーカーが力を入れ出したことから、少し下がったとはいえ、まだまだ大きなシェアを持っていることは確かです。
トラック競技に精通している専門家のブログによると、トラック競技は国の代表ということもあり、スポンサーという概念があまりない。
そういったしがらみがない分、選手が自由にバイクを選べる環境にあり、性能が高いルックが選ばれているということでした。
ルックのこだわりと言えるトラックレーサーは、市販車にも受け継がれていて、世間の流れとは関係なく、常に進化させてきています。
現在は、カーボンフレームの【CR564P】に加えて、アルミフレームの【AL464P】、クロモリの【AC364】もラインナップされています。
いずれも、公道を走れるようにブレーキ台座が付いています。
特にアルミやクロモリフレームは、ルックの自転車としては相当に安価な部類なので、トラック競技の練習用には最適です。
さすがにジオメトリが攻撃的過ぎて、街乗りには向かないと思いますが…
ルックは上級者への入り口
今回は、ルックの自転車をロードバイク中心にご紹介しました。
はっきりしたジオメトリになっているので、用途別にきっちり棲み分けができるという印象でした。
上位モデルは少し汎用性に欠けますが、それだけスペシャリティを持っているということです。
最初の1台としては、ハードルが高いかもしれませんが、上級への階段を一歩上がるために、ルックを検討してみてはいかがでしょうか。