フルクラムのレーシング7はインプレが辛口だが価値がない?

フルクラムのレーシング7は、フルクラムのアルミリムホイール中の最下位グレードです。

最下位グレードとはいっても、通称「鉄下駄」と言われるような2,000gを超える重量でもありません。

フルクラムは他のホイールのレベルが高いので、エントリーグレードのレーシング7には、厳しいインプレが目立ちます。

それでは、どういった場合に重宝するのか、また、どんな人に向いているのか検討していきましょう。

フルクラムをインプレから探る

フルクラムは世界的自転車パーツメーカー・カンパニョーロの子会社で、ホイール専門ブランドです。

設立当初は、シマノのスプロケットに対応する製品しか販売していなかったため、「カンパのあからさまなシマノへの媚売りブランド」などと揶揄されたものです。

ですが、今では、すっかりそんなイメージは払拭され、世界的なホイールブランドとして認知されています。

これまではカンパと同グレードで同じような製品作りをしてきましたが、アルミリムのハイエンドモデルであるレーシングゼロの値下げなど、徐々に差別化が始まっており、独自路線を歩みつつあります。

特徴はスポークの組み方にもあり、レーシング7とレーシング5以外は、ドライブ側のスポークを反対側の2倍の本数にする「2:1 Two-to-One」を採用しています。

左右の力のバランスを取った、最善策と言えるでしょう。

また、カンパ同様、フリーハブからの「ラチェット音」が大きいことでも有名です。
しかし、最近は小さくなっているというインプレが多く挙がっており、以前ほど気にしなくても良い状況です。

フルクラムホイールのインプレは「硬め」が主

フルクラムのアルミリムホイールは、全て「レーシング」の冠が付きます。

だからと言って、全てがレーシーな仕様になっているわけではありません。

やはり、乗り心地よりは、レスポンスや剛性の高さが優先されているので、全体的に「硬い」というインプレが目立ちます。

特にハイエンドモデルの「レーシングゼロ」などは脚力がないと、まともに扱えないとまで言う人がいるくらいですから、しっかりとトルクを掛けて回せるスキルと脚力が欲しいところです。

今回取り上げる「レーシング7」はエントリーグレードですし、スポークもステンレス(リアの左はスチール)ですので、剛性は低めと推測できます。

下位グレードのため、どうしても評価は低めですが、「硬い」や「重い」はレーシング7に限ったことではなく、ブランド全体の特徴であることを覚えておいていただきたいと思います。

フルクラムレーシング7のスペック

フルクラム「レーシング7」のスペックをご紹介します。

まず、重量は、メーカー発表で1,700g前半です。

安価な完成車にありがちな2,000gを超える「鉄下駄」とは一線を画していると言ってよく、鉄下駄からの履き替えで、走りの軽さを体感しているインプレも見かけます。

ただ、リムハイトがフロント24mm・リア27.5mmとやや高めで、しかも今のトレンドであるワイドリム化もされているので、スピードに関係してくるリムの重量がかさんでいる可能性は否定できません。

価格は通販サイトで2万円前後ですので、フルクラムでは最低グレードでも、他にはもっと安価な下位グレードのホイールもあります。

また、カンパやフルクラムは上位モデルになるとベアリングに関して、極度のこだわりを見せます。
しかし、価格がこの程度ですと、こだわりはあまりないと思われます。

ただハブに関しては、前回のモデルチェンジより上位モデルと同じ技術が投入されており、反応面で進化があったとされています。

レーシング7のインプレ

フルクラムのレーシング7のスペックを確認しましたが、底辺のホイールという認識はしなくて良いと思います。

レースで使用するホイールではありませんし、トレーニングにも負荷が足らないでしょうから、レーシーな使い方はできませんね。

しかし、ホビーライダーレベルでは、走りに直接関係のない見た目や価格も、評価の対象になるのです。

レーシング7の見た目は、それこそ安価なホイールとは別物です。
デザインでは酷評のインプレが多いシマノ製と比較すれば、相当カッコいいと個人的には思います。

価格は後ほど他メーカーと比較してみますが、それこそ普通に走れて、ある程度の耐久性を兼ね備えているのですから、十分なコスパと判断できます。

リムの重さは、私以外にも指摘しているインプレがあり、漕ぎ出しの重さや登り坂でのもたつきはあります。

しかし、平地の巡航や下り坂では重さは欠点ではなくなるので、特に激坂が多いなどの環境でなければ、普段使いには問題ないレベルです。

ラチェット音に関しては、他のメーカーよりは大きいというインプレが目立ちますが、この音に関しては好き嫌いもあるので、一概には言えません。

嫌いな人は、レーシング7は避けた方が良いレベルの大きさかもしれないです。

レーシング7以外のホイールはどうか?

レーシング7はフルクラムの最下位グレードですが、その他のホイールのレベルも確認しておきましょう。

レーシング7の上は、「レーシング5」になります。

重量は100gほど「7」よりも軽量になりますが、スペックでは、ステンレス製のスポークがエアロ形状になっていることと、ニップルがアルミ製になったことでの重量差と推測します。

リムの材質やハイト、内径は「7」と同じなので、走りの軽さは、さほど変わらないかもしれません。
ですので、約1万円高いのを、どう判断するかです。

そして、アルミリムの中で一線を画す存在は、「レーシングクアトロ」です。

リムハイト35mmのセミディープホイールで、カンパの「シロッコ」に準じているものと思われます。

高速巡航に特化したような使い方に向くホイールですので、好んで乗り換える人も多いですね。

そして、フルクラムの売れ筋No.1が「レーシング3」です。

ここから、フルクラム独自の2:1スポークレシオによる反応性と剛性が、飛躍的に高くなってきます。

ですが、スチール製のエアロスポークが上手くバランスを取って、硬くなり過ぎない乗り心地を維持しています。

重量もレーシング7に比べると、200g軽くなりますので、さすがに走りには歴然の差が出てきます。

ただ、価格は約2倍になりますので、ちょっと比べるのはかわいそうですけどね。

ハイエンドモデルの「レーシングゼロ」は、一気に10万円を超えるのでレベルが違い過ぎますが、とても評価の高いインプレが並びます。

レーシング7のライバルは?

最後に、レーシング7の他メーカーのライバルを確認しておきましょう。

カンパはフルクラムと基本的にあまり変わらないので、今回は除外します。

まずはシマノですが、「WH-RS21」がライバル候補です。

重量がレーシング7より100gほど重いのですが、なぜか走りの軽さを指摘するインプレが多いというのが凄いところです。

ただ、スポークの本数が2本ほど少ないですし剛性の低めな作りなので、脚力のある人や体重の重い人には、たわみが気になると思います。

価格はレーシング7と、ほぼ変わりませんので、どちらにするかは乗り心地が決め手ですね。

続いてはMAVIC(マビック)ですが、「アクシウム エリート」がエントリーグレードになります。

価格は少し高いですが、マビックはホイールにタイヤが付属してきますので、ホイールだけの価格ならレーシング7と同じくらいです。

マビックのホイールは剛性もそこそこですが、乗り心地も確保できているオールラウンダータイプが多いので、初心者の方に好まれます。

個人的な好き嫌いが出にくいホイールとも言えるので、無難な選択ならマビックかなという気がします。

レーシング7は粗悪なエントリーモデルではない!

今回は、フルクラムのレーシング7を見てきました。

レース用ではありませんが、ホビーライダーであれば、普段使いで満足のいくものだと思います。

フルクラム特有の「硬さ」が、上位グレードに比べれば目立ってしまいますが、好みの問題でもあるので、コスパを考えれば十分良いホイールです。