完成車に乗っていると、さらに速度を上げたり楽な走りを実現するために、ホイールを交換したいと考える人が多いようです。
現在では11速化する人が増えてきており、メーカーも11速対応のホイールのみの製造へと変化してきました。
この11速対応ホイールですが、スプロケットの種類によっては、フリーハブとの間にスペーサーが必要となります。
ここではホイールとスペーサーについてご説明します。
ホイールのフリーハブとスペーサーの関係とは?
自転車のギアは、前後のハブに取り付けられており、前輪のギアは「チェーンリング」、後輪のギアは「スプロケット」と言います。
この「スプロケット」が後輪のハブ(フリーハブ)に取り付けられる際、ホイールのフリーハブの軸の長さに比べて、「スプロケット」の幅が短くなっている場合があります。
このようにスプロケットの幅が短い場合、スペーサーで隙間を埋めて取り付けます。
また、このスペーサーにもサイズがあり、スプロケットの幅にも違いがあります。
そのため、取り付けるときはフリーハブの長さとスプロケットの幅によって、それにあったスペーサーを使用する必要があります。
また、自転車は、「チェーンリング」と「スプロケット」の歯車の数で変速段数が決まるのですが、スポーツ自転車の場合は、フロントで2~3段、リアで8~11段の変速機能を持っているものが多いとされています。
「チェーンリング」の歯車数が2枚、「スプロケット」が8枚の歯車を持っているとすると、16段変速ということになります。
ディレイラーの操作で変速が行われるわけですね。
このスプロケットの段数によって幅が変わってくるわけです。
スペーサーを使用すれば、スプロケット交換は可能?
8・9速のスプロケットを11速対応ホイールのフリーハブに取り付けることは可能です。
しかし、スペーサーが必ず必要となります。
また、10速スプロケットの場合もスペーサーが必要です。
スプロケットのサイズとしては、幅が狭い順番に「10速のスプロケット」、「8.9速のスプロケット」、「11速のスプロケット」となっています。
また、8速と9速は同じ幅になっています。
このことから、11速のスプロケットに対応するフリーハブであれば、「10速のスプロケット」、「8.9速のスプロケット」にはスペーサーを使用することで、交換が可能ということです。
しかし、逆にフリーハブの軸より広いものはどうなるのでしょうか?
この場合は取り付けが不可能となります。
フリーハブが8・9速用や10速用であれば、11速用の「カセットスプロケット」は入りませんし、10速用のフリーハブには10速の「カセットスプロケット」しか入りません。
スプロケットに合わせるスペーサーのサイズ
現在販売されている11速対応ホイールのフリーハブには、スペーサーを使用すればどのスプロケットでも取り付けることができることがわかりましたね。
昨今の完成車を見てみると、リアのギアが8・9速で、11速用のフリーハブが取り付けられていると思いますが、それにはスペーサーがかましてあるはずです。
スペーサーには、いくつかのサイズがあるのですが、「カセットスプロケット」の幅によって選択します。
8.9速用の「カセットスプロケット」は11速と比べると幅が1,85㎜狭いので、1,85㎜のスペーサーを使うと良いですね。
10速用の「カセットスプロケット」は11速よりも2,85㎜狭いので、この場合は1,85㎜のスペーサーと1㎜のスペーサーを2枚入れることで取り付けることができます。
スペーサーは「カセットスプロケット」やホイールを購入する際に付属品でつけてくれますが、単品で購入しても1000円もしない安価なものです。
Amazonなどのネット通販でも多く取り扱っており、少し金額を上げればオレンジなどのカラーのスペーサーもあり、楽しめそうです。
ロードバイクは昨今、11速対応ホイールとなっていますが、少し以前のものや、クロスバイクなどはまだ8・9速用のホイールが多いので、ホイールを交換することで11速化させる方法が取られます。
スペーサーの取り扱いについて考える
スペーサーは、先程からご説明しているとおり、ホイールのフリーハブとスプロケットの兼ね合いに合わせて使われるアイテムです。
また、他にも、ギリギリでブレーキキャリパーに接触してしまう、という場合にも役にたちます。
このようにスペーサーは、便利な役割をしてくれる微調整パーツなのです。
使い方もフリーハブとホイールの間に挟んで使うだけなので、初心者にも簡単に扱えるパーツと言えます。
ただ、このホイールスペーサーですが、汎用品も多く販売されていて、汎用品の中には安定性を欠いたものもあるので要注意です。
スペーサーを使用してからの走行で次第にズレが感じられたり、変速時に違和感を感じることがあります。
その場合は、汎用品のスペーサーの存在を疑いましょう。
基本的にスペーサーは、ホイールやスプロケットを購入した時についてきます。
どうしても汎用品を使わないといけないということがなければ、付属品を使うのが良いでしょう。
また、ネットなどでは、安いスペーサーが売ってますが、購入する時には注意が必要と言えます。
そして、なかにはスプロケットを取り付ける際に、ギアとギアの間のスペーサーを忘れてしまう人もいます。
さらにスプロケットのギアの順番を間違えてしまうこともあるので、交換の際には、スペーサーの取り付け確認と、取り外した順番に並べておくと良いでしょう。
もしホイールのフリーハブにスペーサーを使用しなかったら
最近は、11速対応ではないホイールを使用している人が、11速に憧れて11速対応ホイールに交換する人が多くなっています。
その時にホイールから交換して、まだすぐに11速のスプロケットに交換しない人もいます。
その場合、フリーハブとの間にスペーサーが必要な場合があります。
しかし、このときもしもスペーサーを忘れて使わなかったら、どうなってしまうのでしょうか?
結果、スペーサーを入れなかったら、当然隙間が埋まらずにガタつきます。
そして、実際に走行すると、カチャカチャと異音がし、フリーハブに傷がつきます。
スペーサーを入れないことでこのように音が鳴りますが、この段階でスペーサーを入れていなかったことに気づける人は少ないかもしれません。
その理由は、「締め具合が弱いのか」などと違うことを考えることが多いからです。
そして、いろいろといじっているうちに、スペーサーの存在を思い出して、スプロケットを外してみて、フリーハブが傷だらけになっていた、と気づくことになるのです。
特に、10速のスプロケットの場合には、2枚のスペーサーが必要なので、絶対に忘れないように気をつけましょう。
万が一、スペーサーを紛失してしまった場合には、ネットでも購入できるのです。
また、スプロケットを購入しているのであれば、付属されているはずです。
まずは、確認してみましょう。
ホイールのフリーハブとスプロケットの関係
それでは、最後に再確認の意味を込めて、それぞれのフリーハブとスプロケットの関係性をまとめていきましょう。
◯11速対応ホイールのフリーハブ
11速対応ホイールのフリーハブは、11速、10速、9速、8速のどのスプロケットでもスペーサーを使うことで使用可能です。
9速・8速のスプロケットには、1,85㎜のスペーサー1個を使用すれば取り付け可能です。
10速のスプロケットには、1,85㎜と1,0㎜の2個のスペーサーを使用すれば取り付け可能です。
◯8速、9速用ホイールのフリーハブ
8速、9速用ホイールのフリーハブには、10速、9速、8速のスプロケットが使用可能です。
10速のスプロケットを装着する場合は、1,0㎜のスペーサー1個を使うことで、10速化が実現できます。
しかし、11速対応のスプロケットは取り付けできません。
◯10速用ホイールのフリーハブ
フリーハブが一番短くできています。
そのため、他の段数のスプロケットをつけることはできません。
よって、10速のスプロケットの使用のみになります。
このようにそれぞれのフリーハブには、サイズがあり、取り付けできる組み合わせと、取り付けできない組み合わせがあります。
もし、11速対応以外のフリーハブであり、11速にしたいのであれば、11速対応のホイールに変えるという選択になるでしょう。
11速化するためにも知っておこう
自転車業界は日々、進化を遂げていますが、現在の主流は、11速化でしょう。
そのため、新しく購入する場合は、11速対応のものも多いです。
しかし、まだ11速に対応していないフリーハブを装着している場合、11速化にするために様々な問題をクリアしなければなりません。
11速化するには、ギア一式のコンポーネントも変える必要があります。
今回はその中の一部でもあります。
その一部ですが、とても大切なことなので、しっかりと把握して11速化をしましょう。