スポーツ自転車のトラブルには様々なものがありますが、「自転車のブレーキレバーが固い」とお困りの方も、意外と多いのではないでしょうか。
ブレーキは、安全な走行に欠かせないパーツです。
今回は、スポーツ自転車のブレーキの仕組みから、点検方法、ブレーキレバーが固くなってしまう原因とその解決方法までをご紹介していきます。
自転車のブレーキはどんな仕組みになっている?
自転車のブレーキは、安全性を確保するために重要ですよね。
不具合を放置したまま乗れば、事故になる危険性があるので、不具合があったらすぐに調整する必要があります。
基本的なことですが、まずは自転車のブレーキがどのような仕組みになっているのかをお伝えします。
自転車のブレーキのパーツをご紹介しておくと、
・ブレーキシュー
・アーム
・ワイヤー
・ブレーキレバー
に分けることが出来ます。
そして、自転車のブレーキは、ブレーキレバーを握って掛けていきます。
これは、ブレーキレバーを握ることで、ワイヤーが引っ張られ、アームが動くように作られているからなのです。
それによってブレーキシューが車輪に当たり、スピードを落とすことが出来るのですね。
ですが、ブレーキレバーも消耗品なので、使っているうちにワイヤーがサビついてきたりして動きが鈍く(固く)なってきます。
ブレーキレバーが固い状態での運転は、ブレーキが掛けにくいため、止まりにくく危険です。
自転車は、乗っていて不具合がなくても定期的に点検し、メンテナンスすることが重要です。
スポーツ自転車のブレーキ周りの点検方法をおさらい!
自転車で安全に走行するために、点検が必要なのはよくご存じだと思いますが、ここでは改めてスポーツ自転車のブレーキ周りの点検方法を簡単におさらいしておきましょう。
ブレーキレバーだけでなく、ワイヤーやアーム、ブレーキシューもブレーキの効きに関係しています。
1.ワイヤー
ブレーキレバーからブレーキ本体に伸びるチューブが、ブレーキワイヤーです。
銀色のインナーワイヤーは、ブレーキレバーと本体を結ぶものです。
むき出しになっている部分は、ワイヤーが切れかけていたり、サビていないか確認しましょう。
そして、インナーワイヤーを保護するチューブはアウターワイヤーと呼ばれます。
これも表面の樹脂が剥がれていると、内側に水が入り、サビて動きが悪くなります。
弱くなったワイヤーは、力がかかると切れてしまうので、破損していたら自転車屋さんで交換してもらいましょう。
2.アーム
ブレーキシューを固定する金属部分がアームになります。
新品のアームの形を調べ、見比べて曲がっていないか確認し、曲がっていたら、交換しましょう。
また、アームの動きが悪いと、止まるのに十分な力が得られずブレーキの効きが悪くなるので、アームの動作が鈍くないかも確認して下さい。
3.ブレーキシュー
ブレーキシューは、車輪に当たるゴムのパーツのことを指します。
表面に砂粒などが付いていないか、すり減っていないかを確認し、必要なら汚れを落としたり交換したりしましょう。
次から、ブレーキレバーが固い原因とその解決方法を見ていきます。
スポーツ自転車のブレーキレバーが固い!どうすればいい?
ではここからは、スポーツ自転車のブレーキレバーが固い場合の原因と解決法をご紹介していきます。
ブレーキレバーを握った際の動作が鈍いということなら、固い原因はサビの可能性があります。
このときの対応としては、オイルを注すことです。
使用するオイルは、自転車用のものがいいですが、手元にない場合は、100円ショップやホームセンターなどで簡単に手に入る、液状の機械油でも大丈夫です。
ですが、スプレー式のオイルなどは、あらかじめ自転車に注してある油を溶かしてしまう恐れがあるため、使用しないで下さい。
そして、オイルの注し方ですが、まず、ブレーキレバーを握ったり離したりしながら、その付近を観察します。
そうすると、動く箇所や、こすれている箇所が分かるので、それらすべてにオイルを注します。
このとき、注油しすぎると逆に動きが悪くなってしまう場合もあるので、オイルは数滴にしておきましょう。
そして、注油した後、ブレーキレバーを何回か握ると、動きが良くなるはずです。
もし、それでも動作が鈍く固い場合は、ブレーキレバー自体が壊れている場合がありますので、早めに自転車屋さんに持って行くことをおすすめします。
スポーツ自転車のブレーキレバーが固い原因は他にもある?
スポーツ自転車のブレーキレバーが固い原因は、サビや故障の他にもいくつかあります。
スポーツ自転車に乗っている方で、「サビていないし、壊れていないのにブレーキレバーが固い」という方が結構います。
そういった方の自転車をチェックすると、ブレーキレバーの「引きしろ」が極端に小さくセッティングされている場合が多いです。
スポーツ自転車の場合、「引きしろ」が小さいと、ブレーキレバーが遠くなって力が入りにくくなります。
「引きしろ」が大きくなれば、ブレーキレバーが近くなり、力が入りやすくなります。
これは、調整を行うことで解消することができますが、実はこれが難しいところなのです。
ブレーキシューの適切な取り付け位置には個人差がありますし、うまく調整出来るかは作業をする人の腕次第です。
また、前後で「引きしろ」を揃えるのも、なかなかうまくいかないものです。
そこで、「ブレーキシューチューナー」という専用工具をおすすめします。
これを使用すれば、ブレーキシューが適切な位置で固定出来るだけでなく、前後のブレーキで「引きしろ」を揃えるのも簡単になります。
これは明るい色をしたプラスチックの板なのですが、端が少し段になっていて、真横から見ると、だんだん薄くなっていきます。
そして、右用と左用があり、進行方向に矢印が付いています。
次は、この工具を使って、スポーツ自転車のブレーキレバーを調整する方法をご紹介します。
ブレーキレバーが固いときは、引きしろを調節しよう!
では、実際にブレーキシューチューナーを使って、スポーツ自転車の引きしろを調整し、ブレーキレバーが固いという悩みを解決していきましょう。
やり方は、割と簡単です。
はじめに、ブレーキのクイックリリースレバーの突起を上向きにして、レバーを緩めます。
次に、ブレーキシューを固定しているボルトをブレーキシューがぐらぐらするくらいまで緩めます。
その際、ボルトを回す位置は「反時計回り」に回します。
そこまで出来たら、いよいよ、ブレーキシューチューナーの出番です。
これを、左右の向きと進行方向に注意して、ブレーキシューとリムの間に挟み込んで下さい。
そうしたら、クイックリリースレバーの突起を下向きにして、レバーを締め、ブレーキシューがチューナーにぴったり接触するように固定します。
少し遊びがある場合は、ブレーキレバーを軽く握ると、ブレーキシューとチューナーとリムがぴったり接触するはずです。
そのままブレーキシューをリムに押し付けるようにして、ブレーキワイヤーを軽く引っ張りながら固定しましょう。
最後にブレーキシューチューナーを外せば、引きしろの調整は完了です。
このように、ブレーキシューチューナーを使うと、簡単に引きしろを調整することが出来るので、スポーツ自転車に乗る方は、一つ持っておくと便利ですよ。
スポーツ自転車の引きしろを調整する際の注意点は?
ここまで、スポーツ自転車のブレーキレバーが固いという方のために、その解決方法をご紹介しました。
先ほどのご説明で、ブレーキレバーの引きしろを調整することで、ブレーキレバーの固さが改善され、使いやすくなるのはお分かり頂けたかと思います。
最後に、スポーツ自転車の引きしろを調整するときに注意してほしいことをお伝えします。
それは、何度もワイヤーを本締めしたり緩めたりを繰り返さないということです。
ワイヤーを固定するということは、ワイヤーを潰して痛めつけることなので、何度も繰り返したり、違う場所で行ったりすると、ワイヤーがほつれて緩みやすくなってしまいます。
最終的にOKな引きしろになるまでは、ワイヤーの固定力は8割程度にしておいて、最後の最後に本締めして下さい。
また、新品のアウターを使用するときも注意すべき点があります。
新品のアウターを使用するときは、ワイヤーの初期伸び(実際はアウターの初期「縮み」=ワイヤーは伸びない)を考慮して、あえて少し「引きしろ」を小さめにしておきましょう。
また、ブレーキシューやリムのすり減りが原因で「引きしろ」が大きくなりすぎた場合は、いちいちワイヤーを引っ張り直して固定するのではなく、アジャスターで調整するのがおすすめです。
ブレーキレバーの固さを調節して安全に走行しよう!
今回は、スポーツ自転車のブレーキレバーが固い場合の原因と解決方法をご紹介しました。
スポーツ自転車は、ママチャリと違いスピードが出るので、ブレーキの重要性は高いです。
ブレーキレバーが固い原因がサビなら注油を、引きしろならその調整をして、ブレーキがしっかり効くようにしておきましょう。