テレビでロードレースなどを観ていると、車輪にカバーの付いた自転車で走っている選手がいます。
車輪につけるカバーをホイールカバーと呼びますが、一体どんな目的で付けられているのでしょうか?
今回は、その効果や取り付け方などをご紹介していきます。
また、痛チャリでもホイールカバーが使われます。
レースと違い、どんな使い方をされているのかも併せてみていきましょう。
自転車にホイールカバーを付ける目的は?
ロードレースなどで、選手の自転車を見てみると、自転車の後輪にカバーが付けられていることがあります。
これをホイールカバーと呼びます。
ホイールカバーは、主にロードレースなどにおいて、自転車の空気抵抗を減らす目的で付けられます。
それは、自転車のパーツの中で、ホイールが一番、走行中に空気抵抗を受けるからです。
ロードレースなどのタイムを競う競技で勝つためには、少しでも速く走ることが重要です。
その効果を得るには、ライダーの脚と自転車のフレームの風を遮ることが必要になります。
そのため、後輪にカバーを付けて、抵抗を減らして走る選手が多いのです。
また、このホイールカバーはインパクトがあるので、趣味で乗る自転車にホイールカバーを付けている方もいます。
その場合は、速度を上げる効果を期待して、というよりは、ファッション性を高めることを目的に付けられています。
ホイールにカバーを付けることで、簡単に自分の自転車をインパクトがある自転車にすることが出来ます。
また、カバーの多くがプラスチック製なので、好きなようにカスタム出来るのも大きな魅力です。
ホイールカバーで走りの効果が得られる理由
ホイールが空気抵抗を最も多く受けるパーツであるというのは、先ほどお伝えした通りです。
そのため、スピード勝負のロードレースなどで、空気抵抗を減らすためにカバーがつけられるのです。
ですが、本当に自転車の車輪にホイールカバーをつけることで、その効果が得られるのでしょうか。
ロードバイクのようなスポーツ自転車にホイールカバーをつけると、抵抗は極限まで減らせます。
自転車のホイールは、スポークの本数が減れば減るほど、空気抵抗は減っていくからです。
ホイールカバーはスポーク全体を覆うので、前方からの風を受け流すことが出来、抵抗を減らして速く走れるというわけです。
そのため、周りが完全に囲まれ、横風の心配がない競技場で行われるレースで、最大の効果を発揮します。
ペダルを踏み込んだ分、加速出来るので、ライダーはこれ以上ないほどサポートされるでしょう。
極限の速度を求めるレースで、最高のパフォーマンスを引き出せるのはこうした理由があるのですね。
自転車にホイールカバーを付けるデメリットは?
自転車にホイールカバーを付けると、レースで速く走れるという効果が得られます。
しかし、どんなことでもメリットがあればデメリットがありますよね。
ここでは、自転車のホイールにカバーを付けるデメリットをお伝えします。
最大のデメリットは、横風に弱くふらつきやすくなることです。
後輪だけとはいえ、スポーク部分をカバーで全て覆ってしまうので、本来スポークから抜けるはずの横からの風が抜けません。
そのため、ハンドルが取られてふらつき、バランスが取りにくくなるのです。
街中は車や歩行者が多いので、もともと不安定な自転車がさらに不安定になると、事故の危険が高まります。
例えば、ロードバイクにホイールカバーを付けて乗っているライダーが、スマホを触ろうとロードバイクに跨ったまま停車していたとします。
その横を、トラックが加速して通り過ぎた場合、その風にあおられて、ライダーが転倒し、ケガをすることも考えられるのです。
それほど横風の影響を受けるので、自転車専用レーンが少なく、ストップ&ゴーが多い日本では、街乗り用の自転車にカバーを付けるのはあまり適していません。
自転車レースに効果的なホイールカバーの取り付け方
スピードを競うレースなどで、走りの効果を得たいなら、自転車の後輪にホイールカバーを付けるのがおすすめです。
ホイールカバーは、カー用品専門店などでも販売されていますし、インターネットでも購入出来ます。
選ぶ際の注意点は、自転車のホイールに合ったカバーを購入することだけです。
色々なものが出ていますが、ドッペルギャンガーのホイールカバーは人気のある商品です。
また、インターネットで購入する際は、問い合わせた際の対応が親切か、アフターサービスがあるかなどを確認し、信頼出来ると思えるお店から購入しましょう。
では、付け方をご説明します。
まず、タイヤを外してから、スプロケットを専用の工具で外します。
そしてホイールカバーを取り付け、ボルトでしっかりと固定します。
固定出来たら、外したスプロケットとタイヤを、もう一度取り付けて完了です。
スプロケットを付ける時も、外す時と同様、専用の工具を使いましょう。
自転車のホイールを左右のカバーで覆い、ボルトで留めればOKですし、カバーの脱着も可能なので、手軽にカスタマイズ出来るのも嬉しいですね。
痛チャリの定義とは?経済効果も生まれている!?
また、キャラクターが大きく描かれたホイールカバーを付けた自転車、いわゆる「痛チャリ」と言われるものもあります。
カバーに描かれるイラストは、「2次元」の美少女キャラクターが多いです。
車に萌えキャラを塗装する痛車と同じく、個性を表現することが出来ますが、運転者が素顔を晒して「痛さ」を堂々とアピールする点が痛車よりも潔く、よりキャラクターへの愛情を感じます。
また、自動車と比較すると、圧倒的に描ける面積が少ないので、イラストをアピールする工夫をしている方も多いです。
例えば、LEDなどの発光体を付けたり、音楽を聴けるようにすることも出来るのです。
ロードバイクを痛チャリにする方も多く、ホイールカバーの多くがバランスを考えてデザインされています。
また、車輪の脱着も簡単に行えるので、痛ホイールと通常用ホイールの使い分けも可能です。
マウンテンバイクは、市販のホイールカバーに適合しないものが多いため、スポークの間にドーナツ状の板を挟むなどの方法が取られます。
他にも、シティサイクルは、流通量も多くスポーツ自転車より低価格で購入出来るので、通学用自転車を痛チャリ化して楽しんでいる中学生・高校生の姿も見かけます。
痛チャリ化する場合、前カゴや泥よけ、チェーンカバーや荷台など、ロードバイクなどには付けられないパーツの装飾など、こだわり始めると、きりがありません。
ですが、キャラクター愛に突き動かされて出費を惜しまない方も多く、大きな経済効果も期待されています。
自転車にホイールカバーを付けて痛チャリにする方法
自転車を痛チャリにする場合は、後輪にホイールカバーを取り付け、その上にイラストが描かれたステッカーを貼り付けるのが一般的な方法です。
痛チャリでも前後の車輪にカバーを付ける方がいますが、やはりハンドルが取られますし、走りの効果を得るのが目的でなければ、後輪だけにするのが安全です。
まずは、ホイールカバーを用意します。
もし選ぶのに迷ったら、先ほど少しご紹介したドッペルギャンガーのカバーが、コストパフォーマンスが良いのでおすすめです。
そして、ホイールカバーの上に貼るステッカーは業者に頼んで作ってもらうのが早いです。
その場合は注文する際に、必要となるサイズを先に確認してください。
「ステッカーサイズ=ホイールカバーの直径」なので、カバーの直径と、穴を開ける必要があるスプロケット部分の直径も測ります。
その後、デザインを決めて注文しますが、穴が開くことを考えて、キャラクターの顔が穴の位置に来ないよう気を付けましょう。
カバーにステッカーを貼ったら、先ほどのレース用と同じように取り付けます。
アニメファンにとって、お気に入りのアニメキャラクターが描かれたカバーでホイールを飾るのは楽しいものです。
また、痛チャリ限定のイベントなどに参加し、同じ趣味を持つ仲間と出会うのも楽しいですね。
ホイールカバーはレースにも趣味にも使える!
今回は、自転車のホイールカバーについて、その効果や取り付け方などをご紹介しました。
レースで速く走りたい時だけでなく、痛チャリで個性アピールに使われているのも面白いですね。
ホイールカバーは、「自転車とアニメの融合」という新しい文化を生み出しました。
こういったことが増えれば、自転車の可能性もさらに広がりそうですね。