ママチャリでも、スポーツ自転車でも、安くて軽量なアルミフレームをお使いの方は多いと思います。
アルミフレームは、ヒビが入ったり、折れたりしたときに修理できるのでしょうか?
まずは、自転車のフレームの種類のお話から始めていき、アルミフレームの特徴のご説明、アルミフレームが修理できるのか、までをご紹介していきます。
自転車(ママチャリ)のフレーム!ハイテン鋼よりアルミフレーム?
ママチャリを選ぶときに、値段が大きく違うことにお気づきになる方も多いのではないでしょうか。
ホームセンターなどで、1万円程度で売っているものもあれば、3万円以上するものまでありますが、その違いはどこにあるかご存知ですか?
その違いは、変速機や重量、ブレーキなど、性能を決めるパーツの違いです。
そして、その違いを決めるパーツの一つに、フレームの材質があげられます。
安いママチャリの場合、ハイテン鋼という素材が使われている場合があるのです。
ハイテン鋼とは、ハイテンション鋼・ハイテンションスチールとも呼ばれるもので、鉄に、それ以外の元素を加えることによって強度を増した鋼のことです。
ハイテン鋼は、基本的にはフレームの素材の中で一番重いのですが、超高張力鋼を使用して薄く作ると、アルミフレームよりも軽くすることができます。
しかし、自転車のフレームに使われているハイテン鋼は、品質が悪いハイテン鋼が使われている場合が多く、グレードが高い物が使われることは少ないようです。
なぜかというと、グレードの高いハイテン鋼はコストがかかり、アルミフレームの方が安くできるからです。
もちろん、ハイテン鋼にもメリットはあり、錆びやすいですが丈夫で折れにくいという点があります。
すぐに買い替えず、修理して乗り続けるタイプの方には良いかもしれません。
ママチャリを選ぶときには、こうしたフレームの材質にも気を付けましょう。
アルミフレームの自転車の特徴って?
アルミフレームの修理について書く前に、その特徴についてご説明します。
●アルミニウム合金 (aluminum alloy )= 比較的軽い・頑丈
アルミニウム合金は、ママチャリやスポーツ自転車に多く採用されている、馴染みのある素材です。
合金には金属比率などの国際規格があり、一円玉くらいの軟らかいアルミニウムから、飛行機の素材としても使われるような強度の強いアルミニウム(ジュラルミン)まで分類分けできます。
一般的には、ハイテン鋼などのスチールよりは軽く強度が強いため、とくにスポーツ自転車の中ではポピュラーな素材と言えるでしょう。
これはコスト面や、強度面で自転車に適した材質であるということを意味しているので、初心者にも上級者にもアルミフレームの自転車はおすすめです。
ただ、強度がある分、曲がらない、つまり10の力が10で伝わるということになりますので、乗り心地は他の材質のスポーツ自転車と比べると硬いものになります。
また、衝撃をあまり緩和してくれないので、体にダイレクトに伝わってくるのが特徴です。
ルイガノやビアンキからも、アルミフレームの自転車は出ていて、価格の安さが人気です。
自転車のアルミフレームは衝撃に弱い!?
自転車のアルミフレームの特徴について、さらに詳しくご説明していきます。
・錆びにくい
アルミフレームはもともと錆加工が施してある素材です。
ですが、絶対に錆びないわけではありません。
当たり前のことですが、雨風にさらし長時間動かさず放置しておくと劣化します。
・伸びが少ない
伸びというのは、フレームが壊れるまでにどれくらい伸びたかを示す数値です。
これは、チタンが20~30%、クロモリが10~15%、アルミが6~12%となっています。
しかし、伸びが少ない分、突然ポッキリ折れてしまうリスクがあります。
衝撃に弱いことが、アルミフレーム最大のデメリットなのです。
・軽いほど強度が弱い
一部の高級品は寿命が短く、長くても2年保てば良い方だと言われているものもあります。
ロードレース向けのフレームは、軽い分強度が弱いのです。
・修理が難しい
アルミフレームは一度ヒビが入ったり、折れたりすると修理するのは難しいと言われています。
もともと安い素材なので、買い替えるのがおすすめです。
この点は、後で詳しくご説明します。
アルミフレームの修理はできない!ママチャリの買い替えを
アルミフレームは衝撃に弱く、基本的に修理も難しいものです。
ですから、買い替えることになりますが、小さな傷でどの程度フレームが傷んでいるか分からないときがあるかもしれません。
ただ、塗装に少しクラックが入った程度なら、乗り続けることは可能です。
乗れる乗れないの判断が難しいときは、パーツクリーナーなどを吹きかけてみると見分けることができます。
にじんできてしまったら、割れていると考えて、絶対にそのまま乗らないでください。
走っている途中で突然折れてしまうこともあり、大変危険です。
下り坂を降りている途中、いきなりフレームがポキッと折れてしまったら…想像するだけで怖いですよね。
ですから、アルミフレームにヒビが入ったら必ず使用を中止しましょう。
また、ぶつけたり転んだりしていないのに、急に壊れてしまうケースもあります。
そんな場合は、欠陥品の自転車ですので、販売店を通してクレームを入れましょう。
欠陥品だということが証明されれば、新品に交換してもらえる可能性があります。
リコールものの欠陥品は、少なくありません。
アルミフレームは溶接修理してもらえる場合もある
愛着のある自転車が壊れてしまったら、どうにかして直したいと思いますよね。
自転車のアルミフレームは、折れてしまっても、溶接修理によって一度は直すことができます。
溶接の腕が良い技術者にお願いすれば、塗装剥離から、溶接部の不純物の除去、肉盛りアルゴン溶接など、丁寧に作業してもらえます。
また、フレームのロゴを復元してくれる修理屋さんもあります。
こうした修理業者は、インターネットで簡単に見つけることができます。
中には修理の工程をサイトで具体的に説明しているところもあり、信頼できる技術力を感じます。
しかし、溶接修理はあまりおすすめできません。
なぜなら、溶接したところは強くなりますが、その周辺は逆に熱で弱くなり、壊れやすくなるからです。
形は整えても、結局、強度が弱いフレームのままだということなのです。
また、ファイバーや接着剤などを充填して修理してくれるところもありますが、これも、衝撃があると同じところが折れてしまう可能性が高くなります。
スポーツ自転車のフレームの種類!修理しやすいのは
では、自転車のフレームで、修理が可能なのはどんな素材なのでしょうか。
●スチールフレーム
一番安いスチールフレームですが、多少曲っても修正することができます。
また、軽くへこんだだけなら、修理せずに乗ることもできます。
●アルミフレーム
前述した通り、アルミフレームは修理が難しいものになります。
何度も曲げると強度が下がってしまいますし、溶接をすることも難しいので、傷んだフレームは処分することが多いです。
●カーボンフレーム
見ただけではダメージが分かりにくく、修復も難しい素材になります。
ただし、カーボンの修理に強い専門業者に頼めば、ヒビやへこみ程度なら修理できることがあります。
ここに関しては、破損具合や専門業者の腕次第になるでしょう。
●クロモリフレーム
衝撃を吸収してくれるしなやかな素材なので、折れにくいです。
クロモリフレームのオーダーメイドなどを受け付けているお店で修理してもらうことはできますが、修理代は高いです。
一つ一つ見てきましたが、どの素材もやはり、折れるときは折れてしまいます。
ですから、あまり気に病んでも仕方ありません。
しかし、普段メンテナンスをしていれば、小さなクラック部分に敏感に気が付くことができます。
中古で安く購入した自転車や、古い自転車などは定期的に破断の予兆がないか確認しましょう。
自転車のアルミフレームの修理は難しい
アルミフレームは、安くて軽く、錆びにくいという特徴があり、ママチャリやスポーツ自転車に使われています。
乗り心地は少し硬く、衝撃吸収能力は劣りますが、カーボンやクロモリよりも圧倒的に安く、手が届きやすいので、お使いの自転車がアルミフレーム、という方も多いと思います。
しかし、アルミフレームはヒビが入ったり折れてしまうと、基本的に修理はおすすめできません。
溶接しても、周りが熱で弱くなってしまいます。
アルミフレームはもともと安さが売りのフレームですので、折れたら買い替えましょう。