自転車には、変速機付きとそうでないものがあります。
実際、変速機が付いていると、どんなメリットがあるのか、また使い方はどうすればいいのか?
そんな疑問を解決するべく、今回は変速機の必要性と使い方をご説明していきます。
自転車の変速機を正しく扱う知識は必要
自転車の変速機の使い方が分からないという方は、少なからずいらっしゃると思います。
特にロードレーサーなどを初めて手にした方は、ハンドルの左右に変速機がついているため、それぞれの役割がよく分からないなんていう方もいますよね。
どの形であっても、店員さんにレクチャーしてもらい、実際に乗り回していれば役割は理解してくることでしょう。
それでは、自転車の変速機の正しい使い方が分からないという方は結構多いのではないでしょうか。
現代の変速機は、適当にガチャガチャいじっていてもスムーズに変速できるので、正しい使い方は本当に必要なのかと疑問に思うかもしれません。
特にSIMANOは優秀で、これに慣れている方はSRAMなどの変速機を使うと違和感があることがあります。
言うまでもありませんが、SRAMにもロードの軽さやマウンテンバイクのチェーンテンショナーのような優秀な機能などもあります。
それでもSIMANOはカッチリした変速性能を有しています。
その影響でついガチャガチャやる方が多いのです。
やはり、正しい使い方を守った方が長持ちする上にスムーズに変速ができるようになります。
このように変速機やチェーンに優しい変速方法を正しい使い方と呼ぶことにします。
自転車の変速機の基本的な使い方
自転車の変速機の基本的な使い方を解説します。
まず、ギアの並びを確認します。
リア側からフロント側に向かって、フロントギアは左から小・中・大の順に3枚、もしくは2枚、リアギアは左から大・中・小の順に7枚から11枚のギアがあります。
フロントやリアのギア数の幅がある理由は、性能によって取り付けられている枚数が異なるからです。
シフトする時の一番の注意点は、リア側から見て、チェーンが斜めにならないことです。
斜めの状態はどんなときかと言いますと、リアを一番大きいギア(一番軽いギア)、フロントを一番大きいギア(一番重たいギア)にしている状態です。
チェーンを斜めにしてはいけない理由は、チェーンやリアディレーラーに過度の負担を与えないためです。
最も軽いギアから最も重いギアにシフトする場合を例にして、具体的なシフト方法を述べます。
悪いやり方は、フロントを最初に最大のギアにシフトして、リアを最小のギアにシフトする方法です。
良いやり方は、フロントを中間ギアにシフト後にリアを適度にシフトして、フロントを最大ギアにシフトしてから残りのリアをシフトする方法です。
これが基本形ですが、走行中は意識できないと思います。
従って、リア・フロントの両方共に最大、又は最小のギア同士での走行時間を最短にすることを心掛ければ基本形を意識する必要はなくなってきます。
駐輪中のギアも自転車の走り出しを考慮して、一番軽いギア比にシフトすると漕ぎ始めが楽になります。
仮に異なるギア比にする場合も、先の基本形から外れない方が良いことは間違いありません。
自転車の変速機を使い分ける癖を付けよう
自転車のギアは、速度に応じてこまめに変速するのが効率的です。
発車するときは一番低いギアで出て、速度を上げながら重いギアにチェンジします。
速度に応じたギア比で走ると、足の負担が少なく、出足の良い走りができます。
歩行者や車の多い公道では、ゆっくり走るよりも加速の良いキビキビした走りのほうが安全なことが多いものです。
そのためにも停車時に一番軽いギアにしておく習慣をつけることをおすすめします。
自転車の変速機には2つの種類があります。
一つがリアタイヤのハブの近くに2つの小さなギアが付いた外装変速機です。
もう一つは、リアタイヤの車軸に組み込まれたドラム型の内装変速機です。
外装変速機は、軽くて変速しやすいのですが、走行中しか変速できません。
一方、内装変速機は重くて、段数に比例してコスト高になりますが、メンテナンスフリーで停車中でも変速可能です。
ママチャリには内装変速機が多く使われます。
停車時に一番軽いギアにしておく習慣がつけばぐっと軽快になります。
タイヤに空気を入れる、サドルの位置を調整する、変速機を正しく使う、これだけであなたのママチャリ生活は生まれ変わります。
最寄り駅まで走るだけではなく、一駅先、さらに先の駅へと走れるほどの軽快さを手にすることでしょう。
変速機は坂道で必要になる
先ほどご紹介したとおり、変速機には内装タイプと外装タイプがあります。
内装3段変速は、メンテナンスの頻度が低く、故障も少ないため安定しています。
変速機が目立たないのですが、後輪中心部のハブというところに格納されています。
内装タイプは、メカが露出していないため、変速するときにチェーンが外れることが少なく、故障のリスクが低いのです。
長距離走行での加速や、上り坂で大きな威力を発揮するため、自転車生活の幅が広がります。
外装6段変速は、急な坂道で威力を発揮する変速機で、オールラウンダータイプです。
後輪に並んでいるギアが見えるためチェーン外れなどのリスクが高まりますが、急坂など様々な走行路に合わせて快適な変速が可能になります。
変速するときは、必ず走行中に行ってください。
停止状態で変速すると、チェーン外れの原因になるので要注意です。
どちらにしても変速機が付いていれば、スムーズに加速ができて、上り坂の負担も軽くなります。
向かい風や重い荷物を積んでいるとき、体調が悪いとき、急いでいるときなど、様々なコンディションに応じて適切なギヤ比に調整できるようになりますので、必要になってきます。
通学にも変速機は必要!選ぶなら内装式変速機
平坦な通学路で自転車を利用するなら変速機は不要だと思いますが、アップダウンがあれば中高生でも変速機が必要だと感じてくるはずです。
しかし、変速機には内装式と外装式の2種類をご説明しましたが、どちらが良いのか悩むことでしょう。
外装式は、変速機がむき出しのため、汚れやサビがつくことが多くなります。
その点から考えてもメンテナンスフリーの内装式を選択した方が良いです。
さらに内装式は、停車中でも変速できるため、いつでも走り出しがスムーズです。
また、変速機は段数に比例してなめらかな変速が可能になりますが、同時に価格も上がります。
通学ルートにアップダウンや信号などがどのくらいあるかを調べて、必要な段数を選ぶことで価格を照らし合わせると良いでしょう。
内装式変速機は機械部分が外に出ていないため、外部の衝撃や汚れに対して強固です。
しかし、ギヤ比が大きく離れているため、強弱が小さく細かい変速はできません。
何度も言うようですが、内装式変速機は停車中でも変速できます。
このことから内装式は、車軸の内部で噛み合うギア比を変えています。
そのため、ギアは一枚のみで、チェーンが緩まない限り、外れる心配はありません。
それでも経年劣化で壊れることもあります。
しかし、外装式と比べるとメンテナンスの頻度は少ないです。
その反面、外装式は細かな調整できる分値段が高くなりますが、ギア比を細かく変えられるため、脚力や走行状況に臨機応変に対応できます。
本格的に自転車に取り組んでいる人は、外装式を使用することがおすすめです。
外装変速機・内装変速機それぞれの特徴とは
最後に外装変速機・内装変速機の特徴をまとめます。
外装変速機の利点は、軽くて、エネルギーを伝える効率が良いことです。
ペダルに力を加えたときのエネルギーの95%以上が後輪に伝わります。
一方で外部にむき出しのチェーンは、注油や清掃などのメンテナンスが必要になります。
油が切れてサビの浮いたチェーンでは、エネルギーを伝える効率が低くなり、折角の利点を生かすことができません。
また、スプロケットやチェーンリングの回転を利用してチェーンを掛け替えるという仕組みのため、停車中に変速ができません。
外装変速機は、軽くて高効率という理由から、ロードレーサーやMTBなどのスポーツ車に多く利用されますが、丁寧な整備が必要になります。
内装変速機の利点・欠点は、外装変速機と真逆です。
歯車の塊のため外装変速機より重くなります。
ペダルから後輪軸まで何段も歯車を経由するため、エネルギーを伝える効率は80%強と外装変速機よりも下がります。
その一方で、後輪ハブ内部に密閉されているため整備の手間は格段に少なくなります。
使用頻度にもよりますが、年1回または数年に1回くらい、自転車店で潤滑油を交換するだけで構いません。
また、内装変速機は停車中の変速ができます。
内装変速機は、主にママチャリなどで使われています。
特にママチャリは、日常的な使い方ではほとんどメンテナンスフリーになります。
自転車の変速機の必要性
このように自転車に変速機があると、便利ですね。
変速機は、坂道や漕ぎ出しで利用すると、楽に自転車が漕げるでしょう。
そのために、変速機の使い方をご紹介しました。
変速機は付いているけれど、使用してないという方はこちらの記事を参考にして、変速機を使ってみてはいかがでしょうか??