シマノでも特にギアが多い105で効率のよい走りを目指そう!

シマノのミドルグレードコンポ「105」が2018年にモデルチェンジを行い、今まで以上に幅広い層にアピールする仕様になりました。

中でも今回は、さらに選択肢が増えたギアをご紹介します。

そして、カセットスプロケットやクランクセットの概要も含めて、ギア比にも注目してみましょう。

ロードバイクのギアとギア比について

自転車は一部を除き、ギアを複数持つ多段化された乗り物です。

ロードバイクはフロントが2速(3速もあり)、リアが8~12速(シマノは11速)が基本仕様になります。

これはどういう状態かといいますと、フロントギアであるチェーンリングが2枚、リアギアであるカセットスプロケット(以下スプロケット)が8枚~12枚付属しているということになります。

そして、前後のギアにはチェーンが掛かっており、それを掛け替えていくことでギアチェンジ(変速)を行います。

さらに、前後ギアの歯車の歯数の組み合わせによって、クランクを1回転させた時に後輪が何回転するかが決まり、これを「ギア比」と呼びます。

ギア比を3とするとクランク1回転に対して後輪が3回転することになり、ギア比が1であれば1回転ということです。

ギア比が大きくなるとそれだけ車輪が多く回りますのでスピードは出ますが、大きな力を要しますので、クランクを回すのが重くなります。

反対にギア比が小さくなるとスピードは出ませんが、クランクが軽くなり回すのが楽になります。

したがって、ギア比を決めるチェーンリングとスプロケットの歯数が重要になってくるのであり、シマノ・105はここに多くのバリエーションがあります。

シマノ・105のフロントギア

今回はロードバイクのギアのお話になりますが、まずはフロントギアについてお伝えします。

フロントギアは「チェーンリング」とお伝えしましたが、これはクランクアームに取り付けられている歯車です。

ロードバイクではクランクアームとチェーンリングを「クランクセット」として扱いますが、ママチャリなどと違い一体化はしておらず、どちらかのみの交換も可能です。

これも前項でお伝えしましたが、ロードバイクのチェーンリングは基本的には2枚、進行方向に向かって外側になるのが歯数の多いアウター、内側にくるのが歯数の少ないインナーになります。

フロント変速は歯数が多いアウターの方がギア比が高くなりますので、アウターを重いギアなどと表現します。

シマノのチェーンリングの歯数は、アウターが46~55、インナーが34~42の範囲で、コンポのグレードによって歯数構成が異なります。

105のクランクセットには、最も基本的な(アウター×インナー)50×34T・52×36T・53×39Tの3種類が用意されています。

シマノ・105のリアギア

続いては、リアギアについてお伝えします。

リアギアであるスプロケットは、後輪のハブに付属している歯車です。

スポーツバイクでは7段以上が大半で、ロードバイクでは8段以上が一般的です。

シマノにはリア7段のコンポは、ロードバイクの正規グレードの中にはありません。

リアはフロントとは反対で、歯数が少ないとギア比が大きくなりますので、小さい歯車が重い方のギアになります。

シマノでは、重い方のギアの最少歯数はほぼ11か12ですが、軽い方のギアの最大歯数は25T~34Tとバリエーションがあります。

105のスプロケットは、(最少-最大)12-25T・11-28T・11-30T・11-32T・11-34Tの歯数構成が用意されています。

ちなみに、スプロケットは下記のような歯数構成になります。

●12-25T(クロスレシオ)『12・13・14・15・16・17・18・19・21・23・25』

●11-34T(ワイドレシオ)『11・13・15・17・19・21・23・25・27・30・34』

シマノ・105のフロントギアの選び方

ここまでシマノ・105のギアをご紹介してきましたが、ここからはギアの選び方についてお話ししていきます。

105のクランクに用意されているのはフロントギアの基本形というお話をしましたが、50×34Tを「コンパクトクランク」、53×39Tを「ノーマルクランク」、52×36Tを「セミコンパクトクランク」と呼びます。

リア側を同じギアに固定したとすれば、既にお伝えしているように、小さな歯数になるほどフロントは軽くなります。

そのため、コンパクトクランクは登坂競技であるヒルクライムや、山岳地域などで上りが多い地形の際に力を発揮します。

また、軽いギアでクルクルと回転数を稼ぐような、ペダルの漕ぎ方を好む人向きでもあります。

一方ノーマルクランクは、長らくプロ選手が愛用してきたものであり、脚力自慢の方や、重いギアをペダルに体重を乗せながら回すような漕ぎ方に向いています。

しかし、軽いギア比にしにくいので、急坂や漕ぎ出しなどではかなりの重さを感じますし、歯車が全体的に大きくなりますので物理的な重量も嵩むことになります。

そして、最も後発ではありますが、コンパクトとノーマルのいいとこ取りという特徴を持つのが、セミコンパクトクランクです。

アウターは52ですからノーマル寄り、一方インナーは36ですからコンパクト寄りとなり、バランスが良いので、平均的な真ん中周辺のギア比が使いやすくなります。

セミコンパクトは、乗り方を選ばないオールマイティさが最大の武器と言えます。

細かいギア比を決めるのはリアギア!

前項ではフロントギアの選び方に関するお話をしましたが、これは用途や乗り方に対する適性(向き不向き)であり、出せる速度やギアの重さはリアギアであるスプロケット次第です。

いわゆるギア比で決まるわけですが、例えば、シマノ・105のコンパクトクランクと最大歯数25Tのスプロケットの組み合わせと、ノーマルクランクと最大28Tのスプロケットのギア比はほぼ同じです。

そのため、完成車に最初から付属している組み合わせによっては、軽いはずのコンパクトクランクを装備している方が、使えるギア比が重かったなどという逆転現象も考えられます。

また、速度ですが、物理的にはギア比が大きくなる重いギアになればスピードアップをしますが、クランクの回転数を維持できればという話です。

クランクの回転数が落ちれば、当然ギアの重さに関係なく速度は下がりますので、コンパクトクランクからノーマルクランクにすれば、必ずしもスピードが出ると言うわけでもありません。

そのため、ギア比の調整はまずリアからするのが賢明で、具体的にはどのくらいまで軽いギアを持つかになります。

シマノ・105のリアギアの選び方

先ほどシマノ・105のスプロケットの歯数構成をご紹介しましたが、軽い方に特化させるとどうしても平均的なギアが歯抜けになります。

例えば、先ほどの11-34Tという構成のスプロケットとコンパクトクランクとの組み合わせの場合ですと、一段のギアチェンジで速度が4~6km/h程度変わります。

一方、12-25Tは2~3km/hなので、クランクの回転数を維持しやすくなります。

そのため、平均的な速度で長い時間を走るようなツーリングなどであれば、クロスレシオである12-25Tが適しています。

ただし、軽い方が25Tしかありませんので、特にノーマルクランクとの組み合わせでは注意が必要です。

いわゆる、これは細かい速度変化を優先させるか、より軽いギアを持つかの選択になります。

その際ですが、アウター×インナー、インナー×アウターなど、チェーンがたすき掛けになる組み合わせは、チェーンの耐久性も低くなりますので推奨されません。

そのため、極端なギア比は無いものとして考えると、適正が分かりやすくなるはずです。

105はギアのバリエーションが豊富!

今回は、シマノ・105のギアについてお話ししました。

クランクセットにしても、カセットスプロケットにしてもバリエーションが多いので、自分に合った組み合わせを見つけやすいはずです。

また、105はリア11速の他コンポとの互換性があり、また違った歯数構成のギアを選択することも可能なので、一考してみてください。