自転車のサスペンションってなに?分解の方法は?

サスペンションをご存知ですか?
自転車のサスペンションについて、知っている方もいれば知らない方もいると思います。
サスペンションとは何なのでしょうか。
また、分解や交換などは自分でできるのでしょうか。

今回は、自転車のサスペンションについて、前輪と後輪それぞれについて詳しく説明するとともに、サスペンションの分解方法をご紹介します。

サスペンションとは

サスペンションという懸架装置を分解すると、バネ支持器(または緩衝器)が出てきます。

バネや緩衝材によって衝撃を吸収するための装置で、そのため自転車だとオフロードのような悪路を走るために開発されたマウンテンバイクに装備されています。

また、サスペンションは人体に加わる振動を20%から30%くらい減少させるだけでなく、でこぼことした路面への密着しやすくしてくれるためグリップも向上します。

欠点は、サスペンションによってペダルに加えた力が1.3%くらい吸収されてしまって踏み込みの効率が下がることです。
自転車の重量が1.8kg増えたのと同じ計算になり、そのため転がり抵抗も増加してしまいます。

ちなみにシティサイクルのサドルの下にも2つのコイルがあります。
このコイルもサスペンションの一種です。

それも乗り心地のための装備で、踏み込みの効率を減少させてしまうものです。
そのため、スポーツサイクルのサドルにはサスペンションが採用されていません。

自転車の前輪サスペンションについて

自転車のフォークについているサスペンションを前輪サスペンションと呼ぶことがあります。

またサスペンションがフォークについているのでサスペンションフォークと呼ぶこともあります。

ハンドル操作や路面の凹凸の影響を受け難くなるための装備で、分解すると望遠鏡のような内筒と外筒があります。
内筒と外筒の隙間にバネ(もしくは空気バネ)で支持されており、路面の凹凸によって内筒と外筒がずれて、それを戻すためにバネを使うという仕組みです。

前輪サスペンションの形式にはシングルクラウンとダブルクラウンの2種類があります。
ダブルクラウンは、クラウンが上下に2箇所ある形で、シングルクラウンよりサスペンションの動きを大きくすることができ、強度も強くなるものの重くなるところが欠点です。
ダブルクラウンは、ダウンヒルやフリーライドのマウンテンバイクに使われています。

サスペンションの動きの大きさはトラベルという数値で表されており、ダウンヒル用で80mm以上、クロスカントロリーで80mm以下というように80mmを境にして用途を分ける目安になっています。

自転車の後輪サスペンションについて

自転車のチェーンステイの前方とブラケットシェル付近にあるサスペンションを後輪サスペンションと呼ぶことがあります。

後輪が上に動くとサスペンションが圧縮されて、後輪を下げるような力が加わることで衝撃を吸収します。

サスペンションとフレームというように分解して考えるのではなく、それらをまとめることでサスペンションフレームと呼びます。

また、サスペンションフレームは旋回軸(ピボット)の個数によって種類に分けられます。

単ピボットというのは、旋回軸(ピボット)が1つしかないもので、構造が単純であり、強度が大きくなります。

多ピボットというのは、旋回軸が2つ以上あるもので、マルチリンクとも呼ばれます。

旋回軸の位置によって路面の小さい凹凸を無視するような動作にしたり、それとは逆に細かい凹凸にも反応できるようにしたり、設計の自由が大きい特徴を持っています。

欠点としては、価格が大きくなってしまうことや、重量の増加、横方向の強度低下と挙げられます。

ピボットレスというのは旋回軸を設けないタイプのものでソフトテール(もくしはソフトテールサスペンション)とも呼ばれます。

トラベルが20mmから25mm程度のサスペンションで、質量の増加が少なく、剛性の低下が少ない特徴を持っています。

マウンテンバイクのサスペンションの分解①

自転車(MTB)の油圧式サスペンションの場合は構造が複雑なのでショップに依頼したほうがよいでしょう。
でも、機械式サスペンションなら分解できると思います。

準備段階としてはステムを外して、スペーサーも全部外して、コラムを外します。

まれに力を入れてもコラムが、外れないときがあり、そのような場合は木槌かプラスチックハンマーを使って何度か叩くことですんなりとコラムが外れると思います。

ハンドルを完全に取り外すにはシフトレバーやブレーキレバーと外すものが多く面倒なので、荷造りテープでハンドルをフレームに括り付けてしまったほうが良いでしょう。

それでは機械式サスペンションの分解です。
私の体験談を書いていきます。

サスペンションのショックを変更するパーツを外してみると、そこから他のパーツが出てきました。
しかし、本体と近いためモンキーレンチやボックスレンチが入らないので外せません。

反対側のプラスチックのキャンプにあるボルトを外してみると、内部のスプリングが見えてきます。

マウンテンバイクのサスペンションの分解②

自転車(MTB)のサスペンションを取り外してから分解したいと思います。

プラスチックのトップキャップにあるボルトを外して内部スプリングを見ると朽ち果てているようでした。
フックレンチで取り出す予定だったのですが、ドライバーとペンチで強引に引っこ抜いてしまいます。

それからいくつかパーツを外していくといきなり黒い液体が勢いよく出てきました。
それはもちろん油です。
サスペンションの分解をはじめる前に新聞紙などを敷いておいたほうがいいと思います。

引っこ抜いたスプリングは、安物のサスペンションだったためか、汚れがひどく固着していました。

削っても汚れが落ちない箇所も結構ありましたが、それでも洗うことでかなりきれいになりました。

もしかすると整備しないまま使用するものではなくて2年に1度というように定期的なメンテナンスが必要だったのかもしれません。
それから二股は灯油に漬けてから金ブラシで磨いて、他のパーツはすべて洗ってから陰干ししました。

乾燥後にグリスアップしようと思います。

自転車のペダルの分解

自転車のサスペンションの分解となると工具もたくさん必要で大変なのですがペダルの分解くらいなら比較的簡単にできます。

ペダル分解に使う工具も、ペダルレンチ、15mmスパナ、板スパナとその3つが主です。

ちなみにペダルの通常サイズは基本的に15mmで、そのサイズは自転車くらいにしか使わないため、普通の工具セットには入っていないことには注意してください。
ペダルを分解して清掃する過程は、以下のような分解作業が主になります。

まず、ペダル軸にあるビニールキャップを外しましょう。
ペダル軸を15mmレンチで固定して、中にある8mmナットをボックスレンチで外します。

ワッシャーとナットが現れるのでナットをラジオペンチで回して外し、8mmネジの置くにあるネジも外してしまいます。

それからペダル軸を抜き取ります。
中に入っているペアリングの玉はなくさぬようにしましょう。

汚れをクリーナーで落として内側にあるゴムシールを外し、ペダルの内部の清掃や点検を行います。
そして、最後に分解したペダルを元に戻して清掃完了です。

場所と時間があるなら自分で分解を

いかがでしたか?

サスペンションに限らず、ペダルの分解やパンク修理など、自転車のメンテナンスや分解・修理をするためには、ある程度の場所と時間が必要です。

すべて自分で行えば、作業工賃がかからないため、安上がりです。
しかし、その分、手間がかかります。

時間がない場合や、面倒だと思ったときは自転車屋さんに頼むことをオススメします。