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ピナレロのグランフォンドの礎「ROKH」をインプレ情報で回顧

2018.11.22

ロードバイクのラインナップは、一つのシリーズの中にグレード別に機種を用意するか、シリーズ自体を多くするかですが、ピナレロはどちらかと言えば後者です。

また、新陳代謝が激しく、どんどんモデルチェンジをしていきますので、筆者は定期的に振り返って変遷を確認します。

そこで今回は、グランフォンドのカテゴリーの礎ともなった、「ROKH(ロク)」をインプレ情報なども参考に振り返ります。

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ピナレロ・ROKHは開発当時のインプレ情報ではどう評価されていたか?

ピナレロのロードバイクは「レーシング」と、「グランフォンド」のカテゴリーに分類されています。

レーシングは文字通り、ロードレース用で、グランフォンドは200㎞以上走る長距離レース向けで、自転車で行う「マラソン」と考えて頂ければ分かりやすいかと思います。

また、グランフォンドのカテゴリーには、ヨーロッパで盛んな石畳の上を走るレース用に開発されているモデルもあり、現在では「DOGUMA(ドグマ)」の「K」シリーズがそれに当たります。

「ROKH(ロク)」は、そのドグマのKシリーズが発売をしたのと同じシーズンに誕生しています。

ドグマKはレースモデルと言えるほどの戦闘性がありますが、ROKHはその思想も受け継ぎつつ、優しい味付けを加味して、一般のホビーユーザーにも扱いやすいようにしたモデルです。

他のメーカーではロングライドモデルや、コンフォート系などと呼ばれる、少しレース色の薄いバイクであり、レースモデルが多いピナレロにおいて、当時のインプレ評価では「一服の清涼剤」と評する声もありました。

ピナレロ・ROKHの歴史

ここでは、ピナレロ「ROKH」の歴史を振り返ってみましょう。

前項でも触れましたが、ROKHは2012年に「ドグマK」が「KOBH(コブ)60.1」というモデル名から名称変更されたのを機に、そのセカンドグレードとしての位置付けで誕生します。

当時のインプレ情報にも書かれていましたが、ドグマKとはスタイルが非常に似通っていました。

しかし、中身は別物で、専用の金型を使用し、ドグマからレース色を薄め、衝撃吸収性や扱いやすさを重視したモデルに仕上げています。

2年後の2014年には金型が新しくなり、ケーブルの受けを交換することで電動コンポにも対応する「THINK2」が採用されます。

そして、2016年にはROKHと全く同じ金型を使用した上で、素材を見直すことで価格を抑えた「RAZH(ラザ)K」も誕生し、グランフォンドモデルはドグマK、ROKHを含め、3グレードでの展開になります。

その体制は2017年まで続きますが、翌2018年にROKHは市場を去り、RAZA Kは「ANGLIRU(アングリル)」というモデル名に変更されました。

ピナレロ・ROKHのインプレ評価から見えてくる特徴

ROKHが登場した当時のインプレ情報には、ROKHの特徴を表すのに、大変分かりやすい記述がありましたので、ご紹介します。

その記事では、ドグマKは石畳レースにおいて時速50㎞で走るプロ向けに開発されたもので、ROKHはその技術を応用して、アマチュアライダーが長い距離を楽しく快適に走ることを目的としていると書かれています。

ROKHにはひと言もレースという文字が使用されていないように、当時のピナレロにしては珍しい、レースを意識しないモデルであったことが分かります。

その特徴のポイントは、「センチュリーライド」と名付けられたジオメトリにあります。

ヘッドチューブを寝かすことで、フロントフォークのオフセット量を増し、直進安定性を高めています。

これにより、ハンドルの操作性がよくなり、長距離走行におけるストレスを一つ解消するに至っています。

また、ピナレロの象徴でもある複雑な曲げ加工「ONDA(オンダ)」の技術をシートステイに採用せず、大きく内側に弓なり状に湾曲したものを採用しています。

これはドグマKも同様ですが、より細くすることでしなやかさを持たせ、衝撃吸収性を高めています。

ROKHのデビュー当時にインプレ評価で絶賛されたものとは?

ピナレロ・ROKHは快適性や長距離をこなす扱いやすさが重視されているとお伝えしていますが、それは素材によるところも大きいです。

当時のピナレロの上位モデルは、高弾性で非常に硬く、軽量なカーボン素材を使用していました。

プロの脚力に耐え得る剛性の高さと、鋭い反応を生み出すにはこの位の硬さが必要だったわけですが、アマチュアライダーにはペダルを漕ぐのに力を要し、反発力も凄まじく、すぐに脚に疲労がくるようなフレームでした。

そこでROKHに使われた素材は、弾性を控え、太めの糸で隙間を作りながら編み込んだカーボン繊維で、しなやかでマイルドな乗り心地になるようなフレームに設定されました。

これが当時のインプレ評価ではかなり絶賛されており、中でもドグマは他メーカーに比べても図抜けて硬い素材でしたので、ROKHはピナレロが少し身近になった感覚があったようです。

それでも、ヘッドチューブにより大口径のベアリングを採用したり、レーシングモデルに採用されている左右非対称の「アシンメトリックデザイン」も導入して、必要な部分の剛性(硬さ)はキープされています。

ピナレロ・ROKHの試乗インプレ情報

今回は、ピナレロのグランフォンドモデルの先駆けでもある、「ROKH」を振り返っています。

ここでは、当時の試乗インプレに注目してみます。

いくつかの情報を確認しましたが、一様に「長い距離を走りたくなる」という意見でまとまっています。

ここまで、振り返ってきた特徴通り、ピナレロが表現したかったことが試乗の段階からしっかりと伝わっているということでしょう。

また、ある有名なサイクルマスコミのインプレ情報では、山林道や砂まじりの河辺なども積極的に走りたいとの記載もありました。

衝撃吸収性の高さや、低速時での安定感がそういった意見に繋がるかと思いますが、実際の購入者のインプレ情報では、毎日片道15㎞をROKHで通勤しているという記載も見られました。

また、ヘッドチューブが長くハンドルを高い位置に設定できるので、コンフォート系のセッティングにしてもシートポストが引っ込まず、ロードバイクらしいシルエットをキープできる点も高評価でした。

ROKHの遺伝子を継ぐグランフォンドモデル「ANGLIRU」

先述通り、ピナレロのROKHは2017年モデルを最後に市場を去りましたが、その形状やコンセプトは「ANGLIRU(アングリル)」に引き継がれています。

当時の展示会の模様をレポートしたインプレ情報には、ROKHをさらにコンフォートにしたモデルと紹介されています。

ANGLIRUは2019モデルの中ではカーボンフレームの最廉価モデルであり、シマノ・105を搭載したコスパの高いモデルという評価も得ています。

ROKHの兄貴的存在であったドグマKは、今や完全なエアロ形状で、グランフォンドにカテゴライズされていますが、平坦でも全く同じだけの性能が発揮できる、バリバリのレースモデルです。

その点からいくと、真のグランフォンドモデルは、現在のピナレロにはANGLIRUしか残っていませんので、ROKHの意志を継ぐ意味でもぜひ長く残って欲しいものです。

「ピナレロはレースだけじゃない!」をアピールしたモデル

今回は、ピナレロの「ROKH」を振り返りました。

レースモデルの多いピナレロにおいて、別の楽しみ方を提案したモデルという意味で、その功績は大きかったと思います。

型落ちや中古品で目にする機会があれば、購入を一考してみて損はないと言えます。

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