ラレー crfの乗り心地は?クロモリロードの実力をチェック

ラレー crfは伝統的なクロモリフレームを採用したロードバイクです。

最新の実力派コンポを採用した走りの良さに加えて、クロモリならではの乗り心地の良さが特徴です。

非常にコストパフォーマンスにも優れた大人のためのロードバイク、ラレー crfのおすすめポイントをご紹介していきます。

ラレー crfは乗り心地で定評のクロモリを採用

まずは、一般的に言われているフレームの素材についてご説明していきます。

ロードバイクの命はフレーム、フレームの素材がそのバイクの性格を決定するといっても決して過言ではないでしょう。

よく使われる素材としては、カーボン、アルミ、そしてクロームモリブデン、いわゆるクロモリがあげられます。

現在、ツール・ド・フランスをはじめとしたレースではカーボンフレームが主流です。

航空機や自動車のF1にも使用され、市販自動車でも超高級車で採用される例が増えてきています。

カーボンフレームは、カーボンの名の通り炭素繊維と強化プラスティックに熱を加えて成形したもので高い強度にもかかわらず軽量に仕上がるのが特徴です。

アルミフレームは、カーボンの台頭により、若干影が薄くなりましたが、市販のミドルクラスのロードバイクではまだまだ主流です。

アルミは、スチールに比べて軽く仕上がることから、自転車のフレームに使用されるようになりました。

特徴は一口で言えば「固い」です。

ペダルを回した力がダイレクトに駆動力にかわるのは魅力ですが、一方で路面からのショックも直接伝わってくるので疲れる、という人もいます。

それに比べるとクロモリは独特のしなやかさがあり、それが乗り心地の良さにつながっています。

スピードを追求せず、長距離をのんびり走るなら、クロモリが一番疲れないという人もいるほどです。

今回ご紹介するラレー crfもこのクロモリフレームの良さを最大限に活かした車体づくりがなされているのが特徴です。

ラレー社はイギリスの自転車メーカー

次にラレーのことも知っておきましょう。

ラレー社は、1888年にフランク・ボーデン氏によって創業された伝統の自転車メーカーです。
ラレー社の社名は、ボーデン氏がノッティンガムの「ラレーストリート」で営業を始めたことに由来します。

その後、幾多の変遷を経て、残念ながら現在は実質的にラレーというブランド名だけが残っているような状態です。

日本国内のラレー製品については、日本の新家工業がブランドライセンスを取得してラレージャパンブランドで自転車の企画、販売を行っています。

新家工業は、大阪の実力派の鉄鋼メーカーで、自転車部品としてもARAYAブランドのリムなどで定評があるので、自転車ファンでもご存知の方は多いでしょう。

ラレージャパンでは、かつてのラレーのヘリテイジ(遺産)を受け継ぎ、クラシックな英国車の伝統的なイメージを活かしたクロモリフレームによる乗り心地の良いロードバイクを中心にリリースしています。

特にその印象が強いのがロードレーサーの、「cr」(CARLTON)シリーズです。

主なラインナップは、最上級グレード「crti」(240,000円)、ミドルグレードの「crf」(162,000円)、エントリーグレードのcrn(120,000)及びcra(98,000円)となっています。

※価格はいずれも税別、2017年8月現在のもの

crシリーズのミドルグレード、ラレー crfはこんなバイク

ラレーcrシリーズの最大の特徴は、なんといってもクロモリフレームです。
定番の高性能パイプとして名高い、レイノルズ631を採用しています。

一般的なクロモリに比べてマンガンが多く含まれた素材で、軽く、薄くしなやかに仕上がるのが特徴です。

crシリーズでは、この下のグレードにあたるcrnとcraに汎用のクロモリパイプが使用されています。
これが大きな違いになります。

また、ほっそりとした繊細なフレームワークは、カーボンやアルミにはないクロモリバイクならではの美しさがあるでしょう。

このフレームに加えてフロントフォークもカーボン製を採用しているので、乗る前から快適な乗り心地を予感させます。

とは言え、ラレー crfはクラシックな見た目だけのバイクではないことは、SHIMANO 105をフルスペックで採用していることからも明らかでしょう。

しかし、下位モデルではティアグラが採用されているので、将来、コンポをアップデートする計画があるならばcrfを選択した方が最終的にはリーズナブルに仕上がるでしょう。

カラーバリエーションも豊富で、クラシックな英国調のグリーンやマルーンレッド、サモアブルーなど5種類がラインナップされており、いずれも美しい仕上がりとなっています。

繊細なフレームやSHIMANO 105を採用し、仕上がりの丁寧さを考えれば、定価で162,000円という価格はとてもお安いのでしょう。

ラレー crfの実際の走りは?乗り心地は?

それではラレー crf、実際に乗ってみた印象はどうなのでしょうか。

ポジションですが、ロングツーリングを意識してか比較的アップライトな設定になっています。

ここは好みでしょうが、実際に街中で乗る際にもこのポジションは周りの状況が確認しやすいので、リラックスして流すのにちょうど良いのではないかと思います。

レイノルズ631を使用したフレームの乗り心地ですが、アルミフレームに慣れた方が乗り換えれば、その快適さにちょっと驚いてしまうのではないでしょうか。

ラレー crfならロングツーリングでもレーパンはいらない、という意見はさすがに大げさでしょうが、そう言わせてしまうだけの説得力がこのバイクの乗り心地にはあります。

もちろん最新式のカーボンバイクのような羽の生えたような軽さや、アルミバイクの路面と直結したようなダイレクトな感覚はありません。

しかし、ペダルを踏み込むたびに、まるで生き物のようにしなやかに車体が前に進んでいく感じは、あらためてクロモリフレームの良さを感じさせるものです。

ただ、性能では最新型のバイクには追い付けないと思ってしまうのは、ちょっともったいない気がします。

快適な乗り心地でロングツーリングにも最適

ラレー crfの快適な乗り心地が真価を発するのは、やはりロングツーリングでしょう。

もちろんツーリングバイクとしての素養もしっかり備えています。

ツーリング用の装備を付けられるようにフレームにはダボ穴もついていますし、リアキャリア台座もオプションで用意されています。

その他の純正オプションでは前後のマッドガード(泥除け)に加えて、マッドガードフラップまで用意されています。

これらのオプションパーツを加えると、ますますクラシックなムードが高まります。

このあたりのパーツは英国車の雰囲気を残すラレーならではのハマり具合で、カーボンロードでは絶対に似合わないパーツですからね。

こういったツーリングバイクとしての使い勝手の良さには、かつてランドナーで一時代を築いたARAYAのノウハウが生きているのかもしれません。

ラレー crfは見ているだけでも満足?

走りや乗り心地の良さで高い評価のラレー crfですが、細かな部分の作りこみも魅力的です。

フレームに設けられたのボトル台座には、伝統的な工法を用いて菱形の補強板がロウ付けされています。

しかも、そこには小さなユニオンジャックのデカールが貼られているのが心憎いところです。

フレームの後方にはレイノルズ631を使用していることを示すラレーオリジナルのマテリアルデカールがさりげなく配置されています。

ヘッドチューブには上下端に補強用のリングがロウ付け加工で取り付けられて、デザイン上の良いアクセントにもなっています。

もちろんこれらは機能的な裏付けがあってなされているものですが、機能一辺倒ではなく、しっかりとデザインされているのが特徴で、じっくり見てみれば、さまざまな工夫や発見があって楽しめます。

もちろん自転車なので性能が第一なのは、言うまでもありませんが、こういった細かな作りこみが購入後の満足度を高めることは否定できないでしょう。

ロードバイクは決して安い買い物ではないので、意外に大事な部分ではないでしょうか。

大満足の快適バイク、それがラレー crf

ラレー crf、見ても乗っても大満足のクロモリロードバイクです。

特にこの快適な乗り心地では、もっと高価なカーボンロードバイクでも、敵わない部分でしょう。

それがこの価格(定価162,000円)で購入できるのは、もはや大バーゲンといっても良いのではないでしょうか。

速さだけを求めるのではなく、じっくりロードバイクを楽しみたい、というちょっと大人な方には最良の選択となるでしょう。

ジャージ以外では何を着て乗ったら良いのか迷うようなロードバイクがほとんどですが、ラレー crfなら、カジュアルなウェアでも大丈夫。

むしろツイードのジャケットを着て、英国紳士を気取って乗っても似合いそうな雰囲気があるのも良いですね。